まっかちゃんのブログ

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幽霊-恨みつらみを晴らさでは-

2015-04-18 16:41:06 | 文化・文学・アート
 17日午後、立命館大阪プロムナードセミナー 木津川 計「ゆきしものへのバラード」の第1回「幽霊-恨みつらみを晴らさでは-」を受講しました。会場は満員でした。講義の概要は以下の通りです。

 幽霊は二種類ある。1、非業、不慮の死 2、恨みつらみの死(嫉妬の恨み、虐待の恨み)。
 東北大震災の被災地で幽霊の話が多い。あの突然の災難さえなければ死ぬことはなかった。死者に霊魂があるとするなら無念の思いは大きい。無念を察する人の目には、「その口惜しさが現世への執着となり、幽霊の形をとって出現している」と映る。
 幽霊は非業の死だけで生み出されるのではない。恨みつらみを抱けばこそ出てくる幽霊がいる。怪談劇に現れる幽霊はみなこの恨みつらみを根底に、「この恨み晴らさでおこうか」の執念で幽霊になるのだ。幽霊-ことに恨みつらみの幽霊は女がほとんどである。その恨みを辿ると、一つは嫉妬の恨みであり、もう一つは虐待への恨みである。

 裏切られたた女たちの怒りは、能の「道成寺」「安達原」「葵上」で見られる。家や立身出世の犠牲になる女たちは、新派の「不如帰」「滝の白糸」「婦系図」で見られる。なぜ、恨みつらみの幽霊は女ばかりなのか。女は男に比べ体力的、権力的に男に及ばなかった。加えて経済力で劣位に立たされ、男に従属して生きなければならななかった女のありさまが女の幽霊を生み出した主因だった。
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