『 正月の海岸風景(茅ヶ崎) 』
眞田 幸夫さん 撮影
先日、中国が日本人のビザの発給を停止したという報道があった。
これでまず普通の人は中国へ行けないわけである。私などは今や全く行く気も無いから
何でもないのだが、国交、政治、経済という事で考えるとこれは大きな事である。
中国外務省お馴染みのあの報道官の、上からの指示だから当然だろうが、発表を聞いて
いると「よく言うよ!よく言えるもんだ」と思うし、真面目な顔して発表しているのを
見ると(心の中は知らぬが)、よくもああ堂々と抜け抜けと言えるものだと呆れてしまう。
その一方的な発言に何だか可笑しくなってくる。
国や人種が違い、体制や立場が違い利害が相反しているからこうなるのだろうが、互いに
我が国こそが正義であり信義に基づいた判断で決定、処置をしていると信じて居るのだろう
から、こんな事が起きても不思議はない。
しかしこちらから見ると世界には様々理解を超えるような国があるが、やはり中国という国は
幾ら国体、政治が異なるとは言っても、理解しがたい不可思議で闇のような恐ろしい国のよう
にみえるのである。広大な領土に14億の民、その経済力は脅威であり恐ろしい。
私の知っている古い話であるが、現役の頃に出張で行った際に聞かされたのは、日本から来た
駐在員は当分の間は車の運転は出来ないと聞いた。
何故なら、市民が我勝ちの滅茶苦茶運転で過当な生存競争の故か譲ることなど知らず何事も
自分第一(それ程長い間生存競争が厳しかったからか)であるので、交差点など恐ろしくて
通れないそうだ。
一寸した接触事故でも起こしたら、日本人だとまず、「大丈夫ですか!」と相手に声を掛けて
しまうが、これではもう駄目で、相手がぶつけてきたとしても話し合いでは負けてしまうと言う。
確かに彼等の激しさは出張中でも何度か見掛けた。ものすごい剣幕の口論だ。
この生存競争に勝てなくては生きていけないのだろう。私は中国でなくて良かったと唖然とした
ものだ。
最もこれは古い話の事だから今はそんなことは無いのかも知れない。
何しろ中国ではものを買うにも電車に乗るにも我先で行列が無い国だと言われた頃の話である。
今はTV等見ていると空港ロビーやPCR検査場で行列しているし、若い人を中心に変わって
きているのかも知れない。
しかし基本的にはその人間性や情感、あの社会で生きる知恵,逞しさは変わっていないのでは
ないだろうか。
余談であるが、家電などあまり良い製品が出来なかったとしても、中国は大変なマーケットである。
何しろ1人1台で14億台は売れる可能性を持ったマーケットなのだからと言ったメーカーの設計
担当者の笑い話を思い出す。確かにこれは魅力的な市場だろう。
これからはやはり中国、インドが世界経済の中心になるのかなぁ。