これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

夫婦別姓についての考察

2021-07-17 07:18:32 | 民主主義
【はじめに】
 読売テレビが毎週日曜日に『そこまで言って委員会NP』と言う、半分お笑いの番組を放送しています。7月4日に夫婦別姓を取り上げていました。女性の権利を主張されている島田陽子先生が参加されていなかったのは、残念でした。 (読売テレビですから、東京では見えない様です。)

 私は、若い頃から朝鮮半島の歴史に興味が有りました。朝鮮半島では夫婦別姓制度でした。 それで、「世界はどうなのか?」時々調べて来ました。 女性の権利をより広く認める様になって、その運動に関連して選択的夫婦別姓制度を多くの国が採用する様になって来ています。

そこまで言って委員会で笑えたこと】
 7月4日に参加したコメンテータと司会者は、日ごろ夫婦別姓について考えて無かった様に見えました。 世界の多くの国が、夫婦同姓を強制しなくなっており、国連が日本に、夫婦同姓制度の見直しを求めている事は話題になりませんでした。

 「夫婦別姓にしたら、円満な家庭を築いて/維持するのが難しくなる」などと主張する人がいました。 トンデモナイ意見です。家庭が崩壊する原因は、家庭内暴力(DV)が酷かったり、収入が激減したり、何方かが浮気したりするためです。夫婦別姓にしたら、日本人は浮気を平気でする様になるのでしょうか? DVは、夫婦別姓にしたら増加するのでしょうか? そんなにも、日本人は特殊な民族なんでしょうか?!

【世耕弘成参議院議員】
 経済産業大臣だった世耕弘成参議院議員は、2013年に野党の参議院議員だった林 久美子氏と結婚されました。 お二人は法律婚をされましたので、世耕久美子になられましたが、林 久美子で活躍されています。 政治家は姓を変えて選挙するのは難しいですよね!

【平民と苗字の歴史】
 江戸時代まで平民が苗字を名乗ることは禁じられていました。 明治になって(1870年に)平民も苗字を名乗っても良い事になりましたが、苗字無しで支障なく暮らしていた平民の多くは、一向に苗字を持ちませんでした。 1875年(明治8年)に、明治政府は「平民も苗字を名乗れ!」と言う命令を出しました。

 この時から、平民も武士と同じように結婚したら夫婦同姓になったのです。 それまでは、苗字が無い分けですから、夫婦別姓も夫婦同姓も無かったのです。

 私の故郷では、この時・一族は同じ苗字にした様です。

 政府が国を統治する為に、国民に『苗字と名前』を持たせて個人を特定する必要が有ったのです。人口が増加して社会が複雑化し、同姓同名も問題になり、『氏名と生年月日』で個人を特定する様になりました。

 社会は益々複雑になり、国民を把握する為には『マイナンバー制度』が必要になりました。マイナンバー制度が普及したら、『姓名』はどうでも良くなります。 夫婦の姓をどうするのか?二人で自由に決めさせても問題が無い時代になっていると私は思います。

(注記) 脱税の防止/取り締まり、公平な住民サービスを行う為に、国や地方公共団体は国民を把握する手段が必要です。 これだけ複雑な社会になると、マンナンバー制度が不可欠なのです。

屋号】
 私の故郷・和歌山県龍神村では、同じ苗字の家が多く、1970年頃まで屋号で呼び合っていました。 我が家の屋号は『うら』でしたから、父は『うらのおじさん』と呼ばれていました。 子供は、「○○ちゃん」と名前で呼んでいました。

 私が育った20軒程の集落に山本家が4軒あり、隣の集落は半分以上が小川でした。『山本のおじさん』では、誰の事か区別出来なかったのです。

【本家の墓碑】
 父方の本家の墓には墓碑が有ります。 高祖父から名前が刻まれています。 1875年以前に亡くなったので、高祖父には姓が有りませんでした。 曾祖父から姓が『寒川(そうがわ)』になり、祖父は日露戦争の戦役を逃れるために名目だけの養子に入り、苗字が『松本』に変わりました。

 そんな分けで、私は松本にも寒川にも全く拘りが有りません。江戸時代に苗字帯刀を許されていた家系の方は別にして、多くの国民の姓は四代か五代前の祖先が適当に付けたに過ぎません。

【日本での特殊例】
 戦中/戦後に朝鮮半島から来た人達には、朝鮮の姓と日本の姓で戸籍と住民票が作成されています。 従って、両方の姓が正式なものです。 韓国では今でも夫婦別姓ですが、日本在住の韓国籍の男女が、日本で結婚したら夫婦同姓を強制するのでしょうか?

 私が管理している大阪の賃貸マンションには朝鮮籍と思われる女性が住んでいます。 彼女の朝鮮姓は『K』で、日本姓は『T』です。 賃貸借契約書は『K』となっていますが、日常は『T』と名乗っています。 周りでは『K』と言う姓を知っている人はいません。 年金の支給、医療、介護の申請などで何の支障もない様です。 要するに、夫婦同姓でも夫婦別姓でも行政は対応出来る時代になっているのです。

【夫婦別姓の国】
 朝鮮半島の様に、結婚しても女性の姓が変わらない『夫婦別姓の国』が存在しました。 韓国はいまでも夫婦別姓です。 民主主義が進んだからでは有りません。

【世界では多くの国が夫婦別姓を認めています】
 夫婦同姓制度に拘っているのは、世界では日本だけになって来ています。 (日本のガラパゴス文化の一つです。) 2016年3月に国連は日本に、夫婦同姓制度の見直しを求めてきました。 それでも最近、最高裁は「夫婦同姓制度は合憲で有る」との判決を出しました。

 世界の多くの国は、「夫婦同姓制度」に拘らなくなっています。 国によって・まちまちですが、次の❶❷❸の全てを認めている国や、その内の二つを認めている国が有ります。

❶ 同氏  :夫婦同姓と同じ
❷ 別氏  :夫婦別姓と同じ
❸ 結合氏 :夫の姓と妻の姓を併記

【日本の現状】
 日本ではまだ法律婚(同性婚)で無いと相続税等で不利です。 然し、少しずつですが、地方自治体が条例で事実婚や同性パートナーに対して福利厚生制度を適用する等の処置が設けられる様になって来ています。

 国も、以下に示すように旧姓の併記を認める様になっています。

★ マイナンバーカード :旧姓の併記が可能
★ 銀行口座 :旧姓を併記したマイナンバーカードが有れば、旧姓のままの口座が使える(?)
★ パスポート :旧姓の併記が可能
★ 住民票 :旧姓の併記が可能
★ 商業登記 :旧姓の併記が可能(重役・氏名の登記)

【日本の将来予想】
 日本の与野党の政治家達は、選択的夫婦別姓制度に関して保守的なのか?勉強不足なのか?票にならないと考えている為か?真面目に議論しようとはしていません。従って、最高裁が「選択的夫婦別姓制度にすべきである!」と判決を出すまでは、現状のままだと私は予想します。

 最高裁判事達も世界の情勢を無視し続ける事は出来ないでしょうから、2030年頃には日本も選択的夫婦別姓制度になると思います。

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【民主主義について考え始めました!】
 戦地から生きて帰って来た人達は、自分の家族を養うだけでも大変だったと思いますが、跡継ぎが戦死した家や、子供のいる未亡人の家の田植え/収穫を手伝ったりしていました。

 私の故郷には、戦前、尋常小学校しか無かったのですが、戦後、日陰で畑にもならない谷の脇の狭い土地に、小さな仮設の中学校を建てました。(勿論、運動場も講堂も有りませんでした。) 父は中学校のPTAの会長だったのだと思います。 商売で忙しかったと想像しますが、本格的な中学校を建設する為に走り回っていました。 1951年頃で、私はまだ5歳でした。 ある日、父は警察署に呼ばれて、留置場に入れられて・数日間帰ってきませんでした。 私も含めた家族全員、非常にショックな出来事だったので、今でも記憶しています。

 1947年~52年の間・公職追放令が存在し、父は職業軍人でしたから、公職追放者に該当し、PTAの会長にはなれなかったのです。 後で聞いた話では、村の誰かが警察に通報したため、警察は形ばかりに留置場に入れたそうです。 帰宅した父に、母は「PTA会長を辞めて欲しい」と懇願しましたが、「何も悪いことはしていないから、続ける!」と言う様な会話をしていた様に記憶しています。 そして、結構立派な運動場付きの中学校が完成しました。 (私は、その中学校を卒業しました。)

 「良い事をしても、警察に捕まるんだ!」、「法律って何なのか?」・・・「民主主義って何なのか?」・・・考える様になりました。

【私は早熟の方だったと思います!】
 三歳頃から父が、私を色々な所に連れていったので、大人との接触が多かったのです。 私が五歳頃、二人で店に買い物に行くと、父は50円札か100円札を渡して「何々と、自分の欲しいお菓子を買え」と言うのです。 お釣りを貰うと、何時も少し少ないのです。暗算で計算して、「12円足りない」と言うと、主人は笑いながら・12円渡してくれました。 どの店でも同様でした。 褒美のお菓子をゲットした事も有りました。

 小学校に入る前に、カトリック教会の日曜学校に通って文語体の聖書を教えて貰っていました。少しずつ漢字が分かる様になって、小学3年生の頃には朝日新聞を読んでいました。

 父は早川崇衆議院議員と世耕弘一衆議院議員の選挙運動を熱心にやっていたので、お二人は年に一回は我が家に来られました。 私は小さい頃から両先生に遊んで頂きました。気心の知れた友と子供と三人で楽しく雑談して、「先生たちは骨休みされていたのでは?」と思います。 それで、政治にも興味が湧いて来ましたが、政治家になりたいと考えた事は有りません。

 時々、父と政治の話をしました。 小学校と中学校に日教組に入った先生が複数おられましたが、「僕より息子さんの方が左寄りだ!」と言われたと、父は嘆いていました。

【私の考え方】
 「国家の主人は民衆(国民)である!」と言う考え方が民主主義の原点です。 『民主主義』は、フランスなどで、民衆が血を流して王や貴族から獲得した貴重な権利です。 『民主主義』の考え方は変質/拡大して来ました。 「男女は平等である!」も、現在では民主主義思想の重要な項目の一つになっています。

 2008年に長男が彼女を連れて帰省しました。 少し話をしたら、「天真爛漫・臆する事もない素晴らしい女性だ!」と感服しました。 彼女は東大の修士卒で民間企業の研究所に勤務していました。 「結婚しても、仕事を続けたい」と言いました。

 その後、暫くして彼女の御両親と六人で食事をしました。 研究者にとって論文は大切です。 氏名が変わると、それ迄の論文との繋がりが切れてしまいそうに思いました。 食事の席で、私が「夫婦別姓にしますか?」と聞いたら、「松本にします」と言いました。 2009年に結婚して、娘を一人生んで、今でも研究者を続けています。

 日本では少子化がドンドン進んでいます。一人息子と一人娘が結婚するケースが増えて来ると想像します。 「内孫とか外孫だ」と言っている場合では無いのです。結合氏(夫の姓と妻の姓を併記)を希望する親達が増えてくるのでは?と予想しています。

 女性が活躍出来る世の中にしようと言う運動が続いていますが、選択的夫婦別姓制度に変える事は無関係では有りません。 この点からも、夫婦同姓を国が強制するのは出来るだけ早く止めるべきだと考えています。

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【関連記事】
 広義の民主主義について、過去に投稿した記事を御参考までに列記しておきます。

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