2022/12/18 日曜日
前回の藤井聡太ウオッチャーは 今年の5月でした
その時は叡王戦の防衛線が終わったときになります
前年に豊島将之より奪取した叡王のタイトルを 今年出口若武の挑戦を退けた時になります
あれから半年が過ぎてからの今回の記事となるのですが
その間に その他の3つのタイトルの防衛戦がありました
棋聖戦は 永瀬拓矢を3-1で
王位戦は 豊島将之を4-1で
そして先ごろは 竜王位を 広瀬章人の挑戦を 4-2で退けたばかりとなります
棋聖戦と王位戦は いずれも開幕戦を落としたのちの連勝での防衛となりましたが
やはり竜王戦も開幕局を落としたのち 3連勝して優位に立ち 5戦目は落とすのですが
6戦目で勝ち切ることになりました
相手の研究を真っ向から受けて立つのが藤井流の真骨頂ですが
対戦相手の研究もここ一番で用意したものになりますので 3タイトルとも初戦を落とすこととなりました
しかし そこからの反撃がこれまたエグイのが藤井聡太流となります
相手の研究を上回る研究と実践での深い読みと対応力がそれを凌駕することとなりました
先の竜王戦においては 挑戦者の広瀬章人の戦略家としての巧者ぶりが注目を浴びることとなりました
二日制のタイトル戦で 藤井聡太に2勝したのは広瀬が初めてとなりますが
2戦目3戦目でも広瀬の研究に藤井聡太は追い詰められAI の評価値は途中で広瀬に大きく傾きます
持ち時間も大きく離されるのですが そこで深い読みに裏打ちされた勝負手を放つのが藤井聡太
2戦目3戦目は 逆転での勝利となりましたが
そこのところのわずかな違いが藤井聡太と他の棋士との大きな違いとなります
勝敗を分けたのは思いもかけない手になりますが その手を指すには深い読みと精度が必要になり
それが出来るのが藤井聡太 ということになります
藤井聡太の将棋中継を見ていて一番楽しいのは
そういった瞬間を頻繁に見ることになるからに他なりません
羽生マジックという予想外の手を羽生善治さんも昔よく指したそうですが
それに匹敵するのが藤井聡太の将棋ということになります
こちらは竜王戦第6局の途中図ですが
1日目の封じ手の局面となります
後手番の広瀬の封じ手になりましたが
その広瀬の封じ手は AI の予想通り 3八銀となりました
しかしこの後たてに飛車を浮いた藤井の4六飛が 見ているものすべての予想を裏切りました
簡単に飛車を取られるからになります 当然AI の候補にも挙がってませんでした…
ですから広瀬もこの手を全く読んでいなくて驚いたようです
ここが勝負の分かれ目となりました
この手を境に深い読みに裏打ちされた藤井聡太の猛攻が始まることとなり
ほとんど間合いを見切られた藤井聡太の攻めと守りの見切りに広瀬は追い詰められます
頭を抱える広瀬になりますが すでにすべては決しており
その数分後には
投了
することとなりました
こうして藤井聡太の竜王戦の防衛が
決まったのですが
いつものようにインタビューに答えることとなる
藤井聡太になります
これで現在5つ保有してるタイトルの 4つの防衛が決まったことになりますが
残りの王将のタイトルは来年1月から始まり
そのタイトルの挑戦者は 100期目のタイトルを狙う羽生善治に決まっております
昔からの将棋ファンはこのカードを心待ちにしていてようやくそれが実現することとなりました
このタイトル戦が事実上の羽生善治から藤井聡太への将棋界の第一人者の引継ぎとなることになります
もう羽生さんはタイトルを持ってはいませんが秘術を尽くした戦いを期待します
この私はもう羽生さんの将棋を見たいわけではありませんし
羽生善治が負けるのを見たくもありませんがどのような戦いになるのかは気になるところです
藤井聡太の強さを一番認めているのは羽生善治なのですが
その若い頃の羽生よりもさらに進化しているのが藤井聡太であると思っているのも羽生であります
ですからこの私はこのカード あまり見たいとは思いませんね
もう羽生さんは52歳ですから…
今藤井聡太は タイトルを5冠保持していますが
あと3つタイトルはあります
名人戦は A級順位戦の結果次第で 来年挑戦権が得られることになりますが
いまは 4勝1敗で 豊島将之とともに首位を走っているところ
王座戦は来年度の戦いになり今年のものにはなりません
しかし今棋王戦が熱いです
この藤井聡太も挑戦権争いに絡んでおります
ベスト4まで進んだところで 敗者復活戦の権利を得たのがその理由です
実は準決勝で 佐藤天彦にらしくないミスで負けてしまったのですが
その後敗者復活戦に回り(棋王戦はベスト4以上は2敗するまで敗退が決まりません)
その1回戦で 同学年のライバルの伊藤匠に
見ている方がドキドキしっぱなしのとんでもない将棋で勝ちました
この二人 アベマトーナメントでチームを組んだ仲で
小学校3年生の時 JT杯子供大会でこの伊藤匠と藤井聡太は戦っております
その時は藤井が負け 悔しくて将棋盤を抱えたまま離さずずっと鳴いていたそうです(ビデオを見た)
その後プロになったのは藤井が14歳の時になりますが
伊藤匠はその4年後のこととなります
伊藤匠はプロデビューしてから頭角を現し 去年は藤井聡太を上回る勝率を上げました
どちらも8割越えの勝率になりますが 藤井は5年連続の8割越えとなりとんでもない記録です
タイトル戦を争いながらの8割越えは聞いたことがありません
それだけずぬけて強いということです
今年も8割を超えるのか気になるところです(現時点で 8.11割となっております)
その伊藤匠を棋王戦敗者復活戦の1回戦で破った後は
12/8に羽生善治と戦いました
冒頭の写真がそれになりますが
この将棋にも勝って次はいよいよ 佐藤天彦とのリベンジマッチとなります
その対局が明日(12/19)あるのですがこれは見なくてはなりませんね(アベマで放送があります)
しかし佐藤天彦には1勝のアドバンテージがありますので
この対局で佐藤が勝つと佐藤の挑戦が決まるのですが
藤井が勝ってもまだ決まりません
その場合は 12/27に第2局があってそれに勝った方が挑戦者となります
つまり藤井聡太は 敗者復活戦で4連勝しなくては挑戦者に成れないのですが
天彦は1勝すればよいことになります
今この敗者復活戦が熱くてたまらないですね
でも藤井聡太ならばそんなこと簡単にやってしまいそうに思えます
今年の藤井聡太の目標は 短時間の将棋 ということでしたが
実はすでにJT 杯をとっています
短時間の将棋とは
公式戦ならば
JT 杯 優勝
朝日杯 1/15から始まります
銀河戦 おそらく優勝収録なので…
NHK 杯 1/15佐藤天彦戦
があります
非公式では 新銀河戦というのが今年できたばかりですが超早指しのトーナメントになり
昨日藤井聡太はそれに優勝しています
今乗りに乗っている藤井聡太ですが
佐藤天彦との戦いに勝利すればとんでもない記録が生まれそうです
タイトル6冠 さらにはタイトル7冠
そしてこのまま勝ち進んでゆけば最高勝率もあるかもしれません
歴代最高勝率は中原誠の0.857で
新4段の 徳田拳士が今0.853くらいで1位なのですが
1敗でもすると勝率はぐっと下がります
藤井聡太は今0.811ですからまだ2位なのですが
このまま連勝が続き対局が増えてきますと あるいは勝率が高くなることも考えられます
それくらいの強さを感じる次第です
ワールドカップの決勝戦 フランス-アルゼンチン戦は今夜24:00より始まりますが
アルゼンチンのメッシと フランスの エムバペのパフォーマンスが楽しみです
そして明日は棋王戦の 藤井聡太-佐藤天彦戦がありますので
そちらも見逃せません
楽しみは尽きませんんね
前回の藤井聡太ウオッチャーは 今年の5月でした
その時は叡王戦の防衛線が終わったときになります
前年に豊島将之より奪取した叡王のタイトルを 今年出口若武の挑戦を退けた時になります
あれから半年が過ぎてからの今回の記事となるのですが
その間に その他の3つのタイトルの防衛戦がありました
棋聖戦は 永瀬拓矢を3-1で
王位戦は 豊島将之を4-1で
そして先ごろは 竜王位を 広瀬章人の挑戦を 4-2で退けたばかりとなります
棋聖戦と王位戦は いずれも開幕戦を落としたのちの連勝での防衛となりましたが
やはり竜王戦も開幕局を落としたのち 3連勝して優位に立ち 5戦目は落とすのですが
6戦目で勝ち切ることになりました
相手の研究を真っ向から受けて立つのが藤井流の真骨頂ですが
対戦相手の研究もここ一番で用意したものになりますので 3タイトルとも初戦を落とすこととなりました
しかし そこからの反撃がこれまたエグイのが藤井聡太流となります
相手の研究を上回る研究と実践での深い読みと対応力がそれを凌駕することとなりました
先の竜王戦においては 挑戦者の広瀬章人の戦略家としての巧者ぶりが注目を浴びることとなりました
二日制のタイトル戦で 藤井聡太に2勝したのは広瀬が初めてとなりますが
2戦目3戦目でも広瀬の研究に藤井聡太は追い詰められAI の評価値は途中で広瀬に大きく傾きます
持ち時間も大きく離されるのですが そこで深い読みに裏打ちされた勝負手を放つのが藤井聡太
2戦目3戦目は 逆転での勝利となりましたが
そこのところのわずかな違いが藤井聡太と他の棋士との大きな違いとなります
勝敗を分けたのは思いもかけない手になりますが その手を指すには深い読みと精度が必要になり
それが出来るのが藤井聡太 ということになります
藤井聡太の将棋中継を見ていて一番楽しいのは
そういった瞬間を頻繁に見ることになるからに他なりません
羽生マジックという予想外の手を羽生善治さんも昔よく指したそうですが
それに匹敵するのが藤井聡太の将棋ということになります
こちらは竜王戦第6局の途中図ですが
1日目の封じ手の局面となります
後手番の広瀬の封じ手になりましたが
その広瀬の封じ手は AI の予想通り 3八銀となりました
しかしこの後たてに飛車を浮いた藤井の4六飛が 見ているものすべての予想を裏切りました
簡単に飛車を取られるからになります 当然AI の候補にも挙がってませんでした…
ですから広瀬もこの手を全く読んでいなくて驚いたようです
ここが勝負の分かれ目となりました
この手を境に深い読みに裏打ちされた藤井聡太の猛攻が始まることとなり
ほとんど間合いを見切られた藤井聡太の攻めと守りの見切りに広瀬は追い詰められます
頭を抱える広瀬になりますが すでにすべては決しており
その数分後には
投了
することとなりました
こうして藤井聡太の竜王戦の防衛が
決まったのですが
いつものようにインタビューに答えることとなる
藤井聡太になります
これで現在5つ保有してるタイトルの 4つの防衛が決まったことになりますが
残りの王将のタイトルは来年1月から始まり
そのタイトルの挑戦者は 100期目のタイトルを狙う羽生善治に決まっております
昔からの将棋ファンはこのカードを心待ちにしていてようやくそれが実現することとなりました
このタイトル戦が事実上の羽生善治から藤井聡太への将棋界の第一人者の引継ぎとなることになります
もう羽生さんはタイトルを持ってはいませんが秘術を尽くした戦いを期待します
この私はもう羽生さんの将棋を見たいわけではありませんし
羽生善治が負けるのを見たくもありませんがどのような戦いになるのかは気になるところです
藤井聡太の強さを一番認めているのは羽生善治なのですが
その若い頃の羽生よりもさらに進化しているのが藤井聡太であると思っているのも羽生であります
ですからこの私はこのカード あまり見たいとは思いませんね
もう羽生さんは52歳ですから…
今藤井聡太は タイトルを5冠保持していますが
あと3つタイトルはあります
名人戦は A級順位戦の結果次第で 来年挑戦権が得られることになりますが
いまは 4勝1敗で 豊島将之とともに首位を走っているところ
王座戦は来年度の戦いになり今年のものにはなりません
しかし今棋王戦が熱いです
この藤井聡太も挑戦権争いに絡んでおります
ベスト4まで進んだところで 敗者復活戦の権利を得たのがその理由です
実は準決勝で 佐藤天彦にらしくないミスで負けてしまったのですが
その後敗者復活戦に回り(棋王戦はベスト4以上は2敗するまで敗退が決まりません)
その1回戦で 同学年のライバルの伊藤匠に
見ている方がドキドキしっぱなしのとんでもない将棋で勝ちました
この二人 アベマトーナメントでチームを組んだ仲で
小学校3年生の時 JT杯子供大会でこの伊藤匠と藤井聡太は戦っております
その時は藤井が負け 悔しくて将棋盤を抱えたまま離さずずっと鳴いていたそうです(ビデオを見た)
その後プロになったのは藤井が14歳の時になりますが
伊藤匠はその4年後のこととなります
伊藤匠はプロデビューしてから頭角を現し 去年は藤井聡太を上回る勝率を上げました
どちらも8割越えの勝率になりますが 藤井は5年連続の8割越えとなりとんでもない記録です
タイトル戦を争いながらの8割越えは聞いたことがありません
それだけずぬけて強いということです
今年も8割を超えるのか気になるところです(現時点で 8.11割となっております)
その伊藤匠を棋王戦敗者復活戦の1回戦で破った後は
12/8に羽生善治と戦いました
冒頭の写真がそれになりますが
この将棋にも勝って次はいよいよ 佐藤天彦とのリベンジマッチとなります
その対局が明日(12/19)あるのですがこれは見なくてはなりませんね(アベマで放送があります)
しかし佐藤天彦には1勝のアドバンテージがありますので
この対局で佐藤が勝つと佐藤の挑戦が決まるのですが
藤井が勝ってもまだ決まりません
その場合は 12/27に第2局があってそれに勝った方が挑戦者となります
つまり藤井聡太は 敗者復活戦で4連勝しなくては挑戦者に成れないのですが
天彦は1勝すればよいことになります
今この敗者復活戦が熱くてたまらないですね
でも藤井聡太ならばそんなこと簡単にやってしまいそうに思えます
今年の藤井聡太の目標は 短時間の将棋 ということでしたが
実はすでにJT 杯をとっています
短時間の将棋とは
公式戦ならば
JT 杯 優勝
朝日杯 1/15から始まります
銀河戦 おそらく優勝収録なので…
NHK 杯 1/15佐藤天彦戦
があります
非公式では 新銀河戦というのが今年できたばかりですが超早指しのトーナメントになり
昨日藤井聡太はそれに優勝しています
今乗りに乗っている藤井聡太ですが
佐藤天彦との戦いに勝利すればとんでもない記録が生まれそうです
タイトル6冠 さらにはタイトル7冠
そしてこのまま勝ち進んでゆけば最高勝率もあるかもしれません
歴代最高勝率は中原誠の0.857で
新4段の 徳田拳士が今0.853くらいで1位なのですが
1敗でもすると勝率はぐっと下がります
藤井聡太は今0.811ですからまだ2位なのですが
このまま連勝が続き対局が増えてきますと あるいは勝率が高くなることも考えられます
それくらいの強さを感じる次第です
ワールドカップの決勝戦 フランス-アルゼンチン戦は今夜24:00より始まりますが
アルゼンチンのメッシと フランスの エムバペのパフォーマンスが楽しみです
そして明日は棋王戦の 藤井聡太-佐藤天彦戦がありますので
そちらも見逃せません
楽しみは尽きませんんね