高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

カメラばあちゃん

2006-04-17 09:04:01 | まゆみのつぶやき室
坂田御夫婦が15日やってきた。何処にも寄らず岐阜から真っ直ぐに来たのだと言ったので宿に送るには早い。家の周りの散策開始。坂田夫妻は採りきれないほど芽を出したふきのとうを積んだり、よもぎの新芽、のびろ、あさつきなど、今ある山菜を喜んでスーパーのナイロン袋一杯に入れた。

それから、温泉の露天に入り、民家の宿で一緒に飲んだ。民家の夫婦、大宮から来た御夫婦、皆笑顔が絶えない。坂田さん夫婦も大満足のようだった。

そして、16日、私は増山さんをしのぶ会に名古屋に出かけた。
長野からの中央線は3時間程かかるが、私はどうもこの振り子電車が苦手だ!
汽車に酔うというのは、これだけかもしれない。

会場に着いた。この会は増山さんに関わった同じ徳山村出身の人、マスコミにもたくさん登場した人なので、マスコミ関係の方々、市長さん、映画監督などさまざまな人のお別れの宴であった。ダムで地図から無くなる村をピッカリコニカ{猫でも取れるらしい}と言うカメラで故郷の宝を撮り続けたおばあちゃん。

会場には、増山屋と言う民宿をやっていたので、帳簿や写真、語りを吹き込んだCDなど、グッツがたくさん置かれていたが、司会の人が高橋さんメッセージを・・・
と呼ばれたとき、私は声が震え言葉にならなかった。
それは、肩越しに掛かっていた増山さんの洋服を見たからだ。最後にあったとき、まさにあのズボン、シャツにグレーのベスト、そして白い日よけが付いたボーシを深々とかぶり、飛ばないようにゴムが付いていたと思うがその姿が可愛くて、そこに増山さんが居る様であった。

一緒にホテルに泊まっても、朝食バイキングも食べず、昨日の残り物のコンビニおにぎりを上手そうに頬ばっていたおばあちゃん。今私の人形を欲しがってくれる人がたくさんいるのに、おばあちゃんのそっくり人形を「あげる」と言うのに「いらん!」と返したおばあちゃん。
そして、逢うたび「あんたなぁ~  えらいよ!いいなぁ~」と言って手を握ってくれたおばあちゃんがいた。
今ここで増山さんが居たなら私にどんな事を言ってくれるのだろう・・・

「あんたなぁ~  少し世間に知られてきてもうぬぼれるんじゃないよ!
いいもん創って、故郷の宝見せていっておくれ!」と言ってくれる気がする。

前日、15日は増山さんの誕生日。89歳になる。
おばあちゃんおめでとう。また逢えるよね・・・

今回このしのぶ会を立ち上げてくださった、中村さん、野部さん、ありがとう御座いました。
                      合掌