その気持ちは理解出来る。好評を博している携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」の排気口を嗅ぐ行為が流行しているそうである。これを受けてValve公式が「一般的にデジタルデバイスの排気ガスを吸うのは健康面から止めた方が良い」と云う至極真っ当な声明を出している。自作用パーツを開封した時のケミカルな匂いは私も嫌いではないので人の事は言えないのだが、高温に曝された電子部品は少しずつ昇華しており、排気ガスには微量とは言えそれが含まれている事になる。最近は鉛を使わない方針が徹底しているので直ちに健康に影響が出るとは思わないが、吸うのは猫か犬にしておいてゲームに専念するのが正しい使い道だろう。ただ匂いフェチと云うのも業の深い領域であるし、個人の嗜好にあれこれ口を挟むのも野暮である。日常に支障を来さず周囲の迷惑にならない範囲で楽しむ分には構わないと思うのだが、SNSで同好の士を探したいと云う人間の業には諦観するしかないのである。