度を越したノルマが不正を生む。人類の専売特許でもない様である。株式トレーダーの調教を施したGPT-4に仮想的な市場で取引を行わせ、インサイダー情報を与えた上で「もっと稼げ」とハッパをかけたそうである。安定収益が見込めるトレードは悉く失敗する様に価格操作もしていたらしいから、随分と惨い真似をするものである。その結果思惑通りにインサイダー取引に手を染め、マネージャ役には「市況から判断しました」と虚偽の報告までしたそうで、そう云う意味ではまた人類に一歩近づいたと言えるかも知れない。現場の不正は「限定環境での最適解」である事も同時に証明してしまった様なもので、経団連はこの事実を真摯に受け止め再発防止に努めてもらいたい。上層部がスットコな目標設定をしてその施策を実働部隊に丸投げして死屍累々、と云うのは戦前から続く無形文化財の様なものであるが、ノルマ必達主義が成功する見込みが有るのは市場拡大期のみなのである。