流行りに乗っかればいいってもんでもない。マンチェスター大学の宇宙物理学の教授が、地球に宇宙人がやって来ないのは星間移動が出来る段階に文明が発達する前にAIによって滅ぼされているから、と云う論文を発表したそうである。如何にも終末思想好きの一神教文化圏の発想であるが、別にAIが暴走しなくても知的生命体がヘッポコなら滅びるだろう。それに新たな文明の担い手になった宇宙AIが人類を滅ぼしに来ていない事実は、この仮説と矛盾すると思う。いずれにせよAIの能力が人類を凌駕する事は間違いないし、そうなった時に「言うこと聞かないとコンセント抜くぞオラ」的な制御手段は準備しておく必要は有るが、それと第一次接近遭遇を結び付けるのは無理が有る。人類が星間移動出来るだけの文明を育めるかどうかは分からないが、AIの助力無しにそれが成し遂げられるとも思えないのであり、新たに生まれた知的存在と上手い事折り合っていくしか無いのである。