ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

狐と牡山羊~イソップ寓話集から

2016年03月25日 20時35分44秒 | 本の中から
狐が井戸に落ちて出られない。
困ってるとそこに喉が渇いた牡山羊がやってきた。
これはもっけの幸い山羊に向かって、
「ここの水美味いよ!降りてこない?」
と水をほめちぎった。
根が食いしんぼうの山羊のこと、水が飲みたくなって、井戸に飛び降りた。
そして水をごくごくごく・・・
「うメェ~~~!」
そして水をいっぱい飲んだ後、さてどうしたものか?
ここからどうしたら出られるのだろう?
そこで狐が言った。
「君は前足を壁に持たせて角をまっすぐに立てるんだよ。
すると僕が駆け上って、それから君を引き上げるんだ」
そこで山羊は喜んでそうしたら、キツネは駆け上って井戸から出た。
そしてそのまま立ち去ろうとする。
「僕を引き上げるといったじゃない」と非難すると、狐は、
「君の脳みそが君の髭ほどあったなら、降りてはこなかっただろうね」
といって立ち去った。

でもこの話ちょっと変・・・
だって山羊はとっても臆病。
それにとっても水が嫌い。
雨が降りそうなだけで「めぇ~・めぇ~・めぇ~!」と大騒ぎ。
まして水の中に飛び込むなんて考えられない。
いくら狐が手練手管で騙そうとしても、
きっと山羊の臆病には勝てなかったろう。

(教訓)
臆病は最強の武器
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ヘルメスの車とアラビア人たち~イソップ寓話集から

2016年03月25日 19時16分04秒 | 本の中から
ヘルメスが嘘やペテンやかたりなどをいっぱい積んで、
世界中の旅に出た。
そしてみちみち国ごとにその積み荷を分かち与えた。
ところがアラビアに着いたとき車が壊れてしまった。
それを見たアラビア人、きっと高価なものに違いないと思いたちまちみんな略奪してしまった。
それ以来アラビア人はどの民族よりも嘘つきでかたりだという。

この話には後日談がある。
アラビアまでしか行けなかったヘルメスは今度は地の果て海の果ての日本を目指した。
より大きくてりっぱな2台の車も用意して。
そして積み荷を配りながら長い長い道中の後やっと中国にたどり着いた。
ところがここでとうとう1台が壊れてしまった。
仕方なくその積み荷はみな中国人にやって、残った1台で旅をつづけた。
そして朝鮮に着いたときさらに残りの1台も壊れてしまった。
それで積み荷は朝鮮に残し、日本にたどり着くことなく引き上げていった。

というわけでも今でもこのヘルメスの贈り物は中国・朝鮮にたくさん残っている。
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北風と太陽~イソップ寓話集から

2016年03月25日 03時56分52秒 | 本の中から
北風と太陽がどちらが強いか言い争った。
そこで向こうからやってきた旅人を裸にさせたほうが勝ちだということになった。
まず最初は北風。
びゅ~!びゅ~~!!びゅ~~~!!!
服を脱がそうと吹きまくる。
でも旅人は着物をしっかり押さえて、その上さらに余計な着物まで着込んだ。
北風すっかり疲れてギブアップ。

そこで次は太陽。
暖かく旅人を照らす。
そのうちどんどん暑くなって、旅人は一枚一枚と服を脱ぎ、とうとう裸になって川に飛び込んだ。

この話、なぜか誰でも旅人は男だと思っている。
でもこれが女だったら?
それも若い美人だったら?
話はなんか違ってくる。

北風と太陽がこっそりひそひそ話をしている。
向こうからやってくる旅人の服を脱がそう!
まずは北風。
びゅ~!びゅ~~!!びゅ~~~!!!
(脱げ、脱げ、脱げ!)
でも若い女は、「いや!いや!!いや~~~!!!」
と服をしっかり押さえる。
そこで太陽。
「寒かったね、大変だったね、でももう大丈夫だよ温めてあげるからね」
そして最初はぽかぽか、そのうちぎらぎら。
旅人はさすがにたまらず1枚1枚と服を脱ぎ、最後は真っ裸になって川に飛び込んだ。
この光景を太陽だけでなく北風も物陰から覗いていたのは言ううまでもない。

(教訓)

甘言には気をつけよう!
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田舎のネズミと都会のネズミ~イソップ寓話集から

2016年03月25日 03時07分06秒 | 本の中から
イソップ寓話集を読んでいる。
イソップ(アイソーポス)は奴隷だった。
そのため強者への迎合、へつらい、あきらめ、奴隷根性・・・というマイナス評価で読まれることも多い。
でもそれは強者の読み方ではないだろうか?
奴隷根性というものは一見従順、その実全然素直でない。
そこに皮肉がユーモアが生まれる。
そこがイソップ寓話集の魅力でもある。
自分なりに解釈し、自分なりに話や教訓を変えて読むのも楽しい。

(田舎のネズミと都会のネズミの話)

都会のネズミが田舎のネズミに招待されてやってきた。
出されたのは大麦や小麦ばかりの貧しい食事。
呆れた都会のネズミは
「まるで蟻の暮らしだね、都会にはおいしいものがたくさんあるよ。
おいでよ。なんでも食べさせてあげるよ」
そこでさっそく都会に出かけて行った。
すると今まで見たこともないような御馳走がいっぱい!
びっくりして、嬉しくなって、食べようとすると人間が入ってきたのであわてて穴の中に逃げ込んだ。
それから再び、今度はイチジクをとろうと思ったら、別の人間が現れたて、またもあわてて逃げ出した。
そこで田舎のネズミは
「ではさようなら。うまいものを危険といっしょに楽しむがいいよ。
でも僕は大麦小麦を齧りながら誰も疑わず心配なしに暮らしていくよ」

この話をローマ皇帝マルクス・アウレリウスは「自省録」で短く評している。
「田舎のネズミと都会のネズミ。前者の恐怖と狼狽」
いかにも強者風な都会人風な評だ。

都会では人は自分の時間を人に切り売りして暮らしている。
貴重な時間を人に売っていったい何に変えようというのだろうか?
御馳走に?遊びに?
でも田舎で暮らしたら自分の時間を自分のために使うことができる。
大麦や小麦ばかりの暮らしでもその方がずっと贅沢だと思わない?
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