牝猫がきれいな一人の若者に惚れてアフロディテに、どうか自分を女の姿に変えてください、と祈った。
女神はその心を不憫に思い、牝猫を綺麗な乙女の姿に変えてやった。
その後若者はこの乙女に出会いすっかり好きになって結婚することになった。
そして婚礼の部屋で休んでいるときに女神はこの乙女が体だけでなく気立てまで入換えたかどうか知ろうと思って、1匹のネズミを部屋の真ん中に放った。
すると乙女は床から跳ね起きてネズミを食べようとおいかけた。
女神は怒り乙女を再び元の姿に戻してしまった。
教訓・人間でも生まれつき悪い人々はたとえその姿を変えても決してその気立てまで変わらない。
~イソップの教訓には首をかしげるものが多いけど、これはなっとく。
人の本姓は変わらない。
教育はうわべを変えるだけだ。
みな人は自分の本姓を見せないで人のうわべだけを見て暮らしている。
イソップの教訓は強者への迎合、奴隷根性にあふれているけど、それは表面だけのこと。
ときどきイソップの心の中のあきらめだけでなく、悲しさを感じることができる。