ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

「日本と世界の死刑問題」

2017年03月07日 19時07分48秒 | 本の中から
「日本と世界の死刑問題」(菊田 幸一・著)を読んだ。
とっても納得できる内容だった。
死刑擁護派は感情的に、情緒的に考え、
死刑反対派は論理的に考える。
それで両者の議論は成り立たない。
論理が感情に勝つとは限らない、
というよりも世の中はしばしば感情で動く。
いくら冤罪のことを言っても無駄だ。
自分がもしかしたら冤罪で死刑になるかもしれない・・・という想像力にかけているのだ。

死刑の主たる根拠は復讐だ。
リンチにかわって国が犯人を殺す。これが正しいことかどうか?
「被害者のことを、被害者の家族のことを考えろ!」
では被害者の家族の意志で死刑かどうか決まるのか、
もし家族が死刑にしないでといったら死刑にならないで済むのか。
「人を殺したからその報いに殺されるのは当然だ」
殺人者の99%は死刑になっていない。
死刑と無期懲役の間は明確に区別できるものではない。
わずかな違いである人は死刑になりある人は無期懲役になる。
そしてその違いはあまりに大きい。

国が被害者とその家族に代わって犯人を処刑する。
そこには国が認めた「殺し屋」がいる。
裁判官と死刑執行人。
死刑擁護者は彼らの心の痛みを想像できないのだろうか?
そして日頃死刑擁護を言ってる人間が重大な事件の裁判員裁判に選ばれたらたちまちびびって辞退する。
こんな人間を軽蔑する。

古代ギリシャのアテネでは死刑も市民の投票で死刑執行も抽選で選ばれた市民の手で行なわれた。
ソクラテスも抽選で選ばれた一般の市民に処刑された。
それが民主主義の原点ではないか。

もし裁判員裁判に選ばれたら、そして現行の法では死刑相当だと思ったら間違いなく心情的には死刑反対でも「死刑」選ぶだろう。
もし古代ギリシャのアテネにいたら、そして死刑執行人に抽選で選ばれたら間違いなく執行するだろう。
もし法務大臣だったら間違いなく死刑確定後の死刑囚に6か月以内に死刑の署名をするだろう。
それくらいの覚悟で死刑反対を言っている。

最後に池田小学校のあの悲惨な殺人事件。
自殺する勇気がないために理不尽な殺人をしたあの事件。
たくさんの税金を使って本人の希望通りに死刑にしてやったあの事件。
その後類似事件がたくさんでて理不尽に多くの人が殺されていった。
こんな事件を防止するためにはどうしたらいいか?
死刑が殺人の抑止になるどころか逆に殺人を助長している。
このことをどう考えているのか。
むざむざ死んでいった子供たちの命をどう考えているのか?
こんな理不尽な殺人をどうやったら防ぐことができるのか。
これを真剣に考えてほしい。

数か月前、珍しい死刑擁護論の本を読んだ。
確か岩波新書だったかな?
池田小の事件をどいう書いてるのか興味があったから。
すると「こんな人間は死刑にするほかない」・・・だって!!
これが死刑擁護派の論理か?
すっかり呆れてしまった。

自分自身はこう思っている。
死刑廃止。
その代り仮釈放なしの終身刑を設ける。
そして強制労働をさせて、その報酬の半分を遺族に渡す。
死刑になって終わり、ではなく一生かけて償え!と。
もちろんこれは冤罪の人には過酷だけど、
生きている限り、たとえわずかでも冤罪を晴らすチャンスがあるのだ。
それまで頑張ってほしい。
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ソーラー

2017年03月07日 12時38分00秒 | 田舎暮らし
また近くでソーラーの工事が始まった。
旧出雲街道が今ではすっかりソーラー街道だ。

ソーラー工事をやってる人たちは、エコだと。
環境にやさしい仕事をしていると、きっと思っているのだろうな。
でも田畑を破壊しているとしか思えない。

ソーラーは補助金なしではやっていけない。
他の電気よりも高く買い上げてもらって初めて成り立つ。
これは将来的にはとっても危うい。
新しい技術はどんどん開発されていく。
ソーラーよりももっと効率のいい技術が開発されたとき、
ソーラーは廃墟になる。
業者がうまく新しい技術の成果に乗り換えられたらいいけど、
そうでなかったら倒産することだってあるだろう。
ソーラーを撤去することなく倒産したら、その後始末は誰がするのか。
もう田畑に戻すことはできないだろう。

わずかの金のために田畑を貸し、そして廃墟となって戻ってくる。
そうなったら・・・どうなんだろうね
とついつい想像する。
もっともたいていの人は、金ではなく、草刈りなど、田んぼの維持ができなくなって、
やむなく貸している、あるいは売ったのだろうけど・・・
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