潮時

田舎暮らしをはじめるのは早いほうがいい。
田舎暮らしをやめるのも早いほうがいい。
ただその潮時を決断するのが難しい。

田舎暮らしは体力がいる。
だからはじめるのは早いほうがいい。
田舎暮らしは体力がいる。
だからやめるのも体力があるうちに、
まだ車を運転できるうちに、
新しい生活になじむ順応性が残されているうちに、やめるのがいい。

でもみんな遅れる。
６５歳くらいになって田舎暮らしを始めてもせいぜいあと１０年・・・
８０歳になって都会に移っても新しい環境に順応するのは難しいだろう。

将来ほとんどの里山は廃村になるだろう。
廃村になったら家も土地も資産価値はなくなる。
家があるから・・・墓があるから・・・
と売らないでいると家は廃屋になり、
道はなくなり、
墓参りも出来なくなる。

廃村になった後に新しく入居者を募ったら？
とおもってもそれはできない。
廃村になっても所有権は残る。
しかも所有者がどこにいるかも、土地の境界線もわからなくなり、
ほったらかしにするほかない。
こうして日本中に無駄な土地が増えて、国土は荒廃していく。

これを打破するには第２次土地改革とでも言える大きな改革が必要になる。
田舎に補助金は要らない。
逆に遊ばせている家や田畑に重税をかけるだけでいい。
するといやでも手放さざるを得なくなる。
そして売れない土地や家は国や自治体が一般の相場よりも安く買い上げればいい。
それを格安で田舎暮らししたい人に売ればいい。
田舎暮らしをしたい人はいっぱいいるのだから。

しかしこれを実現するのはとっても難しい。
今や田んぼは米を作る田んぼではなく票を生む田んぼ、票田だから。
今まで遊休地に補助金を出す、怠けたご褒美に金をあげますよ、といってその変わりに票をください、といってきた政治家に出来るわけがない。
そしてこんな金を恵んでもらって来た人たちにも出来るわけがない。
だからこそこれを打破するには革命が必要なのだ。

しかしそんな革命を期待できるだろうか？
それならせめて、自分たちで出来ることをやったらどうだろう？
資産価値がゼロになる前に今いる土地や家を売って都会に移ったらどうだろう？
都会の息子や娘の面倒になる前に孫の世話を出来るうちに、都会に移ったらどうだろう？

・・・なんて言いながら自分の身で考えるとその潮時を決断するのはものすごく難しい。
４０歳で田舎暮らしを始めて６０歳で田舎暮らしをやめて街に移っていった人がいるが、
その生き方とってもすばらしいと思う。

お盆・・・

お盆・・・そして終戦記念日。
正月もひな祭りも端午の節句も七夕もみんな新暦になったのに、
お盆だけは旧暦というか今でも１ヶ月遅れ。
やっぱりお盆は８月がいい。

そして終戦記念日。
敗戦・・・ではなく終戦。
負けたのが悔しい！！
ではなく・・・もう戦争はこりごりだ！
この気持ちをいつまでも忘れないでいたい。

八塔寺

明け方まで激しい雨。
でも畑には嬉しい雨。
日中もまるで梅雨の天気ですぐれない。
こんな日はぐうたらするに限る。
というわけで久しぶりに八塔寺ガルデンのバイキングに行った。
ここは人気スポット、それで早めに行ったけど、１１時にはついたけど、それでも１時間待ち！！
あらら・・・
いつもなら１１時半から受付のはずだったんだけどなぁ・・・
お盆で多いのかな？
なんと１０時半か開店してたらしい。
１０時半から昼食ねぇ・・・
１１時に受付して１時間待ち。
でも１２時ころに食べれるのでちょうどいい。
それにダムの周りを散策してたら、１時間くらいは直ぐに経つ。



隣接する公園の中に和気清麻呂の屋敷跡と言う碑が立っていた。
えっ、こんなところに和気清麻呂の屋敷があったの（？）
碑を読むと屋敷跡はダムで水没したらしい。
と言うことは屋敷跡ではなく単なる記念碑らしい。
な～んだ。



ダムの下まで降りていったり、して１時間は直ぐに過ぎた。
バイキングは大人１０００円、子供５００円。
料理の種類も多く、お買い得。
でも昔と違って、そんなにがつがつ食べる意欲もなく、それなりに食べてそれなりに満足した。

帰りにまだ時間があったので、八塔寺ふるさと村に行った。



山を登ると突然見晴らしのいい高原にたどり着く。
そこが八塔寺、八つ墓村や蛍の墓のロケ地になったところ。
お盆にもかかわらず人はまばらで施設もほとんどしまっていた。
きっとここのほとんどの施設は県か市か知らないけど公的施設なのだろう。
やっぱりね。
お盆のかきいれ時に関係なく、自分たちの休みを優先する。
きっと責任者は定年退職後の２～３年をのほほんと過ごすだけ。
人もまばらで駐車場にはあちこち草が生えている・・・
やっぱりね。
と、一人でかってに納得して、がっかりして、この地をすぐに後にした。
やっぱりね。

閉会式

テレビをつけたら閉会式。
やれやれやっと終ったか・・・
開会式の時にはちゃんと見たし、
競技もそれなりに見た。
でも次第に面倒になり、
そのうち、まだやってるのか・・・
そしてテレビをつけたら閉会式。
オリンピックは毎回毎回仰々しくなっていく。
もっとさらりとできないものだろうか。
接待づけのＩＯＣの役員たちには止められないだろうが・・・

竹ひご作り

今竹ひごの最高難度、１ミリの竹ひご作りをしている。
これを上手く作れたらほとんどの竹細工は出来るだろう。
３メートル近い竹を割って、さらに割って、さらにさらに割って、
薄くはいで、さらに薄くはいで、さらにさらに薄くはいで・・・
根が大雑把な人間なので、こんな細かい仕事は苦手だ。

竹細工には孟宗ではなく真竹を使う。
竹ひご作りで厄介なのは節。
それで節の間が長い真竹が竹細工に向いている。
それに孟宗が竹の子状に伸びるのに対して真竹はほぼまっすぐに伸びる。
というわけで真竹の方が使いやすいので竹細工には真竹を使う。
ところが３メートル近い長さになると真竹でも竹の根元と先の方では寸法が違ってくる。
それだけに竹がなかなかまっすぐに割れない。
竹を割った性格というとまっすぐ、きっぱり、さらり・・・という感じがするけど、
１ミリの竹ひご作りをすると、逆にとっても陰険な、素直じゃない、いや～な性格のように思えてくる。

まだ失敗ばりかしている。
まだ１本も満足に出来てない。
でも２～３年先輩はいとも簡単に作っている・・・ように思う。
はて、こんな風になれるのだろうか？
なれるのだろうな・・・

久しぶりに雨・・・とは関係なく

久しぶりに雨。
野菜も果樹もほっと一息。
でもすぐに止んだ。

道路は他府県ナンバーの車が目立つ。
スーパーも車でいっぱい。
お盆や正月が年中あれば田舎ももっと潤うのにね。

いっそサマータイムではなくサマーお盆とかウィンター正月とか・・・
そしたらもうちょっと長い間田舎も活気付く。

消費税法案が通ったらしいけど一気に８%でなく毎年１％ずつ、それも１０年間あげると言ったらいいのに・・・
そしたら毎年駆け込み需要が増える。
家も土地も１０年後に１５%になると思うと今のうちに買わなければ損だと誰でも思う。
そして１０年後に「あっ、ごめん！景気が回復したので消費税の値上げはやめる！」
と言えばいい。
税金の値上げがなくなるのでみんな喜ぶ。

アンバーエール

アメリカのビール。
苦味のきいた黒ビール。
黒ビールは苦味が気にならない。
もともと黒ビールが好きなこともあり、このビールも好きだ。
これだと２～３本はいける。
でもそれ以上となるとやっぱり普通のビールがいい。
暑いとき疲れたとき、まず黒ビールを
ごくごくごく
それから腰をすえて普通のビールを
ごく・・・ごく・・・ごく・・・
そして酔いがまわり、ビールの味なんてどうでもいいや、酔えさせしたらと思った頃、
発泡酒や第３のビールを
ごく・・・・・・・・
ごく・・・・・・・・（ウィー）
ごく・・・・・・・・（ｚｚｚ）
これが正しいビールの飲み方だ。

長崎（４）

長崎に行くと、必ずちゃんぽんか皿うどんを食べる。
長崎以外では外食で食べることはまずない。
家庭では良く食べるけど・・・
最近ではちゃんぽんは長崎以外で食べてもそれほど違和感を感じなくなったけど、
やっぱり長崎で食べるのがうまい・・・ような気がする。
皿うどんはちょっと違うかなと言うところが多い。
そもそも「皿うどん」と言うのが変で、あれは絶対うどんじゃない！
それがなんで「うどん」なのか理解できない。
これは誰でもそう思うだろう。
それで昔はよそで「皿うどん」と言うものを食べると本当のうどんが出てくることがあった。
何じゃこれはうどんじゃないか？！
でも・・・たしかに皿に盛ったうどん・・・うそじゃない。
としぶしぶ納得したものだった。

ちゃんぽんを食べるたびに思う。
高い！高すぎる！！
材料なんて安いもの。
それが長崎の中華街などで食べると普通のちゃんぽんで８００円くらい。
特性ちゃんぽんになると１５００円！
高い、高すぎる！！
ちゃんぽんなんてもともとありあわせの材料で作ったまかない食みたいな物。
そんなものに１５００円も出せるか！
というわけで特性ちゃんぽんはたべない。

ちゃんぽんなんて、長崎では普通の家庭料理。
何にもないときうどんでも食べようか、と言う感覚でちゃんぽんを食べる。
皿うどんも家庭でよく食べるけど、こちらは来客のとき、何にもないときにとりあえず皿うどんでもとろう、と出前を頼む程度の料理。
どちらも高級な料理ではない。
観光客が値段を吊り上げているのだ。
これはきっとどこでも同じなのだろう。
ブームになると値段が上がる。
地酒だって同じ、滅茶苦茶高い地酒がある。
地酒って地元の人が呑むから「地酒」なのだ。
地元の人も呑めないような高い酒が「地酒」といえるか。

昔は百姓は生かさず殺さず。
今では料理屋は生かさず殺さず。
美味い店を見つけたら誰にも言わないでこっそり食べに行くに限る。
店がつぶれない程度にこっそりと・・・

長崎（３）

長崎の繁華街と言うと浜町（はまのまち）
ここしかない！
それなのに大きな商店街ではない。
でも・・・ここしかない！！
というわけで何往復かしてると、知った人に出会う。
昔は・・・そうだった。

でも今度歩いてみてびっくりした。
日曜日、それも１１時。
それなのに驚くほど人が少なかった。
昔だったら人がぎっしりでとっても歩きにくい時間帯。
シャッターが下りている商店も何軒かあった。
デパートもひとつ閉店していた。

今ではここも他の都市と同じように郊外に街が広がっている。
そして大きな店と無料駐車場がある郊外に人は集まり、
もっとも便利な市の中心部は寂れるばかり・・・
もっとほかにやり方はないものだろうか？
買い物は郊外でいいじゃないか。
荷物をいっぱいもって公共交通機関を使っての買い物は辛い。
それよりも人が集まるホールや図書館を繁華街に移したらどうだろう？
コンサートや図書館はたいてい寂しいところにある。
暗くなると帰り道がどうにもうっとうしい。
それよりもコンサートや図書館を出たとたんに飲み屋がある、レストランがある、
これは一杯飲んで帰らにゃぁ！
と誰でも思うだろう。
たまに行く、それにたいてい手ぶらで行くコンサートや図書館だったら公共交通機関を使ってもかまわない。
それに思いっきり酒が呑める！

長崎（２）

我が家の墓の近くに、シーボルトの妻、滝さんと、その娘、「オランダおいね」として有名なイネさんと、シーボルトの誠実な弟子で優秀な外科医だったといわれる、二宮敬作さんの墓がある。
シーボルトの業績を考えるととっても小さな墓。
お滝さんはアジサイの学名としてシーボルトが登録した「オタクサ」に名を残している。
おイネさんは数奇な運命をたどったあと日本で初めての女医となった。
一方シーボルトはドイツに一時帰国する際、国外への持ち出しを禁じられていた伊能忠敬地図を持ち出した罪で日本から追放された。
晩年のシーボルトの日本への思いをドーデは「月曜物語」で書いている。
「日本狂い」のシーボルトを・・・侘しいその晩年を。
・・・シーボルトの家族の墓の案内板もすっかり色あせて読むことが出来なかった。

幕末から明治にかけて多くの外国人が長崎にやってきた。
そして数多くの記録を残している。
そしてその記録を見るたびに西洋人の傲慢さを感じてならなかった。
ピエールロチの「お菊さん」などはお菊さんの立場で読むととうてい最後まで読むことが出来ない。
その一方で当事の日本の政治家や役人の愚かさが日本の文献を見るよりもずっと透けて見える。
それは今でも変わっていない。
幕末の役人そして第二次世界大戦の時の軍事官僚がいかに愚かであったか、
これをちゃんと歴史で教えないから今でも同じような間違いばかりしている。
原発事故の政府や東電の対応などまるで江戸時代だ。

・・・同じ墓所にフェートン号事件の責任を取って切腹した長崎奉行の墓がある。
このような事件が起こっても幕府の役人は何の手も打たず、黒船を向かえて慌てふためいた。
長崎奉行の死は無駄死にだった。

長崎（１）

長崎に行ってきた。
長崎は生まれ育ったところ。
でももう長崎を出てからずいぶん時間が経っている。
それで今では長崎に帰るのでなく、長崎は「行く」所になっている。
かといって他にふる郷はない。
大阪には長いこと住んでたけど、もちろんふる郷ではない。
今住んでる田舎もふる郷ではない。
ここでは３０年は住まないと地元の人にはなれないらしい。
というわけで今では根無し草。
時の流れにただただ流されているだけなのだ。

といっても根無し草が嫌なのではない。
空に浮かぶ雲のようにただただいつまでものほほんと流されていたい。
それが自分の性にいちばん似合っていると思っているし、それにふる郷は「日本」だと思っている。

もう長崎には家はない。
ただ墓があるだけだ。
そしてたま～に墓参りに行く。
墓地に行くとあちこち墓がなくなっていた。
墓地も過疎化が進んでいるらしい・・・

鹿

さんざん悩まされていた鹿、
集落を囲う柵のおかげで、あまり見なくなった。
それに柵ができて猟がしやすくなったのか、最近近くでよく猟がある。
それでますます鹿は少なくなった。

ところで徒然草に次のような話がある。（１１段）

　それは里山の奥、こんなところに人が？と思えるようなところ、
　でも菊や紅葉があるところを見ると人が住んでるのだなぁ、ととっても感心していたところ、
　そこのミカンの木が厳重な柵に囲まれていて、すっかり興ざめした。

・・・この話を昔学校で習った時はそうだなぁ・・・と思う反面、ちょっと変だなぁとも思った。
今、田舎暮らして見ると、この話はよくわかる。
もし囲いをしなかったらたちまち鹿や猿や熊にミカンを食べられてしまう。
田舎では当たり前のことが都会人の吉田兼好にはそれが理解できなかっただけなのだろう。
（きっと人に盗まれないように柵をしてると思ったのだろう）

中世の平安京というと、夜は鬼や魑魅魍魎がうごめくおどろおどろした世界。
鹿や猪は夜はもちろん昼間でも出てくるようなそんな都をついつい想像する。
でも当事でも鹿は都の人も珍しかったのだろう。
「わが庵は　都の辰巳鹿ぞ住む・・・」
とわざわざ鹿が住むような田舎と歌っているように・・・
というわけでこれは風流なんてものではなく吉田兼好がきっと田舎暮らしと言うものがよくわかっていなかっただけなのだろう。
この点、今も昔もあまりかわりはないようだ。

夜明け？

夜明けに鶏は朝が来たぞと高らかに鳴く。
いっしょに山羊もどすんどすんと小屋で暴れる。
夜明け？
えっ、まだ夜中の１時半だよ！！
これが毎晩続いている。
鶏って夜中は目が見えないのでは？
それならゆっくり眠ってたらいいのに・・・
山羊だって野生山羊ならいざしらず、
柵の中で毎日のほほんと暮らす身。
ゆっくり眠ればいいのに・・・
それとも何か得体の知れぬ、恐ろしい動物が・・・？？？
毎晩夜中の１時半、
山羊と鶏の不思議な怖～い世界が始まる。
そして人間にも睡眠不足の元凶、恐怖の時間が始まる。

ペールエール

やっぱり癖のあるアメリカのビール
ホップの苦味がきつい。
スーパードライ派の人はともかくも発泡酒や第３のビールに慣れた人は苦手かもしれない。
真夏の真昼にごくごくごくと呑むビール。
ゴーヤジュースのようにきっと疲れが取れるだろう。
でもいつもは・・・あまり飲みたいとは思わない。

み～～～ん、み～～～ん

み～～～ん、み～～～ん、みん、みん、みん
ミンミンゼミが鳴いている。
気だるそうに眠そうに・・・
ミンミンゼミが鳴いている。

山羊も夏ばて、
木陰にじっ～～～と座り込み
ときどき面倒くさそうに周りの草をかじっている。

鶏も口をパクパクあけて、
暑さにうんざり。
卵なんか産んでられるか！とばかり、
このところめっきり産みも悪くなった。

人間も夏ばて。
畑仕事なんかやってられるか！とばかり、
昼間はごろごろ寝転んで、
麦茶がぶ飲み、アイスがりがり。

猛暑はまだまだ続きそう。