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Piege ピエージュ ある罠の物語 第14話 知子
知子はいつから沢村に執着しだしたのだろう?
沢村はとてももうすぐ80になんて見えなかった。
沢村が金持ちって結婚してしばらくして納得した。
ムチが始まって、いろんなセックスをして・・・・
それなのになんだか解放されたような気がした。
これまでの性経験はいつも中途半端だった。
そう、沢村とはすごく満たされた。
それがムチのおかげなんて思えなかったけど
終わってしまえば傷の痛みさえなければ
あまり考えていなかったような気もするのだ。
何度も沢村にムチは嫌とうったえたけど
沢村はムチのあと、すごく元気になって
知子の出会った誰よりもよかった。
知子は誰にも相談できなかったけれど
セックスの渇きに苦しんでいた。
とは言え、そのために誰とでもいいからと
ホテルに行ったりするのは嫌だった。
夜のバイトは親には内緒だった。
親に言えば、なんでそんなに金がいるのときかれるに決まっていた。
知子の夜のバイトの目的は出会いだった。
知子に贅沢をさせてくれて、知子の恋人になれるような人。
沢村に会ったとき、沢村がそういう人になるなって考えてもみなかった。
沢村の家に行き、アッと言うまに結婚してしまって
沢村の妻になった。
初めての経験をいくつもした。
ムチされて、沢村の指示で他の男たちに抱かれ、
私はどうなっちゃうのと不安に思った日もあった。
でもやさしい時の沢村は信じられないほど注意深く
知子をわかってくれた。
そういう時は沢村のためならなんでもする気持ちになった。
沢村がムチするのが好きなら耐えようとも思った。
沢村には若い男・同年代の男にはできなかった甘えることができた。
知子は脱がされても沢村のひざの上にいるのが好きだった。
脱がされるのは、実はそんなに嫌ではなかった。
もしかしたら、知子は自分の体に自信があった?
沢村は知子をよく触ってくれた。
知子は触られるのが好きとじきにわかった。
知子は沢村が病気だと知っていたけど
沢村は治療しているし、元気だし
それほど心配していなかった。
沢村の気にしている沢村の死後?
知子は何も考えていなかった。
沢村が死ぬなんて考えていなかった。
年の差、どう考えても沢村が先に逝くのが自然の摂理なんだけど、
沢村が死ぬなんて考えもしなかった。
だから沢村が機嫌よさそうなときは
ノリちゃーんと沢村に甘え放題だった。
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