以心伝心

書・旅・本などのメモ。

関戸本古今集19

2009年01月22日 | 関戸本古今集
 えぬことのうれしげもなし
 たがさとによがれをしてかほととぎす
 ただここにしもねたるこゑする
 うでひとはことのみぞよき月草のうつし
 心はあひおもはなくに
 いつはりのなきよなりせばいかばかり人
 のことのはうれしからまし
 いつはりとおもふものからいまさらにたが
 まことをか我はたのまむ
        そせい
 秋風に山のこのはのうつろへば人
 の心もいかがとぞおもふ
  寛平の御ときのきさいの宮のうたあ
  はせのうた
      とものり
 せみのこゑきけばかなしななつごろも
 うすくや人のならむとおもへば
  だいしらず   よみびとしらず
 うつせみのよの人ごとのしげければわす
 れぬもののかれぬべらなり
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関戸本古今集18

2009年01月18日 | 関戸本古今集
    あひしりてふみつかはせりけること
    ばにいままうでくあめのふりげ
    なるをなむらむみわづらひはべるとい
    へりけるをききてかのをんなにかは
    りてよめりける
       ありわらのなりひらのあそむ
  かずかずにおもひおもはずとひがたみみ
  をしるあまめはふるぞまされる
    をむなのなりひらのあそむをとこ
    ろさだめずありきすとてよみてつ
    かはせりける
       よみびとしらず
  おほにさのひくてあまたにとまらねば
  おもへどえこそたのまざりけれ
   かへし  なりひらのあそむ
  おほぬさとなにこそたてれながれても
  つひによるせはありてふものを
   だいしらず  よみ人不知
  すまのあまのしほやくけぶりかぜを
  いたみおもはぬかたにたなびきにけり
  たまかずらはふきのあまたみえぬればた
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関戸本古今集17

2009年01月16日 | 関戸本古今集
          ふかやふ
 こひしとはたがいひひそめしことならん
 しぬとぞただにいふべりける
          よみ人しらず
 みよしののおほかはのべのふじなみのなみ
 におもはばわれこひめやは
 かくおひむものとは我もおもひにき
 こころのうらぞまさしかりける
 あまのはらふみとどろかしなるかみの
 おもふなかをばさくるものかは
 おづさゆみひきののつづらすゑつ
 にわがおもふ人にことのしげけむ
    このうたは、或人あめの帝の近江采女
    にたまひけるとなむまうす
 なつびきのいとをくりかへ
 しことしげくともたえむと思うな
    このうたはかへしにたてまつる
    りける
 さと人のことのなつののしげくともかれ
 ゆゑきみにあはざらんやは
  ふじはらのとしゆきのあそむのな
  りひらのあそむのいなへなりけるをむなを
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関戸本古今集16

2009年01月09日 | 関戸本古今集
          又はうぢのはま
             ひめとも
 きみやこむ我やゆかむのいざよひにまき
 のいたどもささずねにぇり
          そせい法師
 いまこむといひしばかりにながつきのありあ
 けのつきをまちでつるかな
      よみびとしらず
 月夜よしよしよしと人につげやればこて
 ふにたたりまたりまたずしもあらじ
 きみこずばねやもいらじこむらさ
 きわがもとゆひにしもはおくとも
 みやぎののもとあらのこはぎつゆをおも
 みかぜをまつごときみをこそまて
 あなこいしいまもみてしがやまがつのか
 きほにおふる山となでしこ
 つのくひのなにはおもはずやましろの
 とはにあひみむことをのみこそ
      つらゆき
 しきしまの山とにはあらぬからころもころも
 へずしてあふよしもがな
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関戸本古今集15

2009年01月07日 | 関戸本古今集
かがり火にあらぬわがみのなぞも
かくなみだのかわにうきてもゆらむ
かがりびのかげとなるみののわぶしきは
ながれてしたにもゆるなりけり
はやきせにみるめおひせばわがそで
のなみだのかわにうゑてみまし

おちたぎつかわせにうかぶうた
かたもおもはざらめやこいしきことを
ごとに
 志もついづも寺に人のわざし
 ける日真静法師導師にてい
 へりけることばをうたによみ
 て小野小町がもとへつかわしける
    あべのきよゆきのあそむ
つつめどもそでにたまらぬ白玉は
ひとをみぬめのなみだなりけり
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関戸本古今集14

2009年01月06日 | 関戸本古今集
 おもふともこふともあわむものなれ
 やゆふてもたゆくとくるしたひも
 いでわれを人なとがめそおほふね
 のゆたにたゆたにものおもふころ
 を
 いせもうみにつりするあまのうけなれ
 やこころをひとつをさだめかねつる
 伊勢のうみのあまのつりなはうち
 はへてこひしとのみやおもひわたらむ
 つくらせるよひはねむかたもなし
 こひしねとするわざならしむばた
 まのよるはすがらにゆめにみえつ
 つ
 なみだがはまくらながるるうきね
 にはゆめもさだかにみえずぞあり
 ける
 こひすればわがみはかげとなりにけ
 りさりとてひとにそはぬものゆゑ
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関戸本古今集13

2009年01月05日 | 関戸本古今集
 かほをよみうちみばかりぞを
 みなへしわれはおちぬと
 ひとにかたるな
  僧昭がもとに、ならへまかり
  けるときに、をとこ山にてを
  みなへしを見てよめる
     ふるのいまみち
 をみなへしうしとみつつぞゆ
 きすぐるをとこ山にしたて
 なへしあきぎりにのみたち
 かくるらむ
     よみびとしらず
 ひとりのみながむるよりはをみ
 なへしわがすむやどにうえ
 てみましを
 をみなへしなきなやたちしし
 らつゆをぬれぎぬにのみきて
 わたるらん
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関戸本古今集12

2009年01月02日 | 関戸本古今集
         このうたはある人、ならの
          みかどの御歌となむ
         まうす
 をりて見ばおちぞしぬべき
 あきはぎのえだもとを に
 おけるしらつゆ
 はぎが花ちるらむをののつゆ
 じもにふれてをゆかむさ
 よはふくとも
  これさだのみこのいへのうたあ
  はせによめる
    ふやのあさやす
 あきののにおくしらつゆは
 たまなれやつらぬきかくる
 くものいとすぢ
  だいしらず   
        僧正遍照

☆書初めもつもりで昨年に続き関戸本古今集を書きました。
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関戸本古今集11

2008年12月26日 | 関戸本古今集
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関戸本古今集10

2008年12月25日 | 関戸本古今集
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