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IT業界17年。60代になっても現役で頑張るおばちゃんがアレコレ綴ってるブログです。

これ読んでみた

2016-08-30 12:01:39 | Diary
先週からWOWOWで始まった山田詠美原作、中山美穂主演のドラマ『賢者の愛』。
WOWOWドラマって始まる1ヶ月前くらいからすごい勢いで宣伝するんですが、予告を見た段階で
「これは見なければ!」
と思ってたんだよね。


初回放送を見て期待以上に良かったので原作を読んでみたくなり早速Amazonで購入。


第2回放送前に届き、1日で一気に読んでしまったわけですが・・・・
うーーーーーーーん・・・・
ドラマのが良いな

山田詠美さんって方の作品を今回初めて読んだんですが、もっとこう、人間の奥底にあるドロドロしたものを深くえぐるように鋭く書く人だと思ってたんですよ。
深くえぐるように鋭く書く っていうのは、文章で具体的に表すということではなく、たとえば簡素に端的に書かれていたとしても、その行間にはそういったおどろおどろしい物がふんだんに埋め込まれていて、読み手の技量次第でいくらでも膨らませることができる・・・みたいな、そんなイメージっていうのかな?

しかしながら読んでみての感想は
「あら・・・結構さっぱりしてるんだね」

さささーーっと一気に最後まで読めるほど、行間にどろどろしたものがありませんでした。
(あくまでも私の感想です)
一言で言うならば、自分がもっと若い頃に出会うべき作家さんだったなと、そんな気がします。
この感じの作品をおそらくいっぱい書いてきていらっしゃると思いますが、彼女とほぼ同じ世代の自分が、20代の頃に彼女の作品と出会い、彼女の成長とともに過ごしたとしたら、私の恋愛観や思想は今とは異なっていたか、あるいは、私の心の成長の速度を早めていたのかもしれません。

いやぁー もぉねぇー山田詠美を読むには精神年齢が追い越しすぎました。

ちょっと作品の内容に触れますが、これ、簡単に説明すると、谷崎潤一郎の『痴人の愛』のオマージュなんですよ。
思春期の頃、父の書斎にあった谷崎の『痴人の愛』を読み影響を受けた主人公の真由子は、最愛の父や最愛の男性を奪った親友のユリに永い永い復讐をする。
そう、痴人の愛の主人公が若くて綺麗な娘『ナオミ』を自分仕様に調教したように、最愛の人とユリとの間にできた息子『直己』を自分仕様に密かに調教するのだ。
永い永い時間をかけて。それが真由子の復讐。


ドラマはねぇすっごくよく出来てると思います。
ユリ役の高岡早紀がめっちゃ嵌り役だと思うし、父親役の榎木孝明とか、直己役の竜星涼って男子もなかなかいい感じだし。
ドラマではなかなか表現しきれなかったであろう細かなディテールを読みたくて原作を購入したんですが、読まなくても良かったかも(笑)

逆に、もう一度谷崎潤一郎が読みたくなったなぁ。
このドラマのように、痴人の愛 は私も13~14歳の頃読んでいて、その時の衝撃たるや凄まじかったのですが(そりゃそうやって、中学生で読む本じゃないと思うんだよね(笑))
50を過ぎた今の私でも谷崎であれば精神年齢が追い越す・・・なんてことはないのかもしれんな。


痴人の愛 (新潮文庫)
買おうかなぁこれ

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