素敵な作品をありがとう【中山美穂 Love Letter】

年末WOWOWで急遽彼女の代表作であるLove Letterが放送されました。


この映画はとっても好きで、今回で多分７，８回目くらいの鑑賞だと思う。
何度見ても色褪せることない珠玉の名作だと思います。

内容については今更触れませんが、改めてこの作品を2024年の年末、10年ぶりくらいに見て改めて感じたことがあります。
月日が流れば流れるほどに、この作品の骨子の部分が陳腐なファンタジーになってしまうということ。
中山美穂さんの逝去によってこの作品に触れ、初めて見た若い世代には、おそらくこの作品の本当の良さが伝わらない気がしてならないのです。
ネット社会が当たり前の現代において、1995年当時を知らない若い世代には、安っぽいファンタジー程度にしか映らないのかもしれません。

届く宛のない住所に手紙を書く、という、ストーリーのきっかけともなる部分が現代では破綻している。
（実際に今の20代の大半は個人の住所が卒業アルバムに載っていたということを知らない）

亡くなった婚約者の中学の卒業アルバムから彼の中学時代の住所を知る・・・などという展開は、個人情報保護法の現代にありえないし、万が一、何らかの方法で旧住所を知り得たとしても、手紙を書くという発想に行き着かない。
主人公が「あの人に届くかもしれない」と、ふと思い立つ・・などという、この映画の根幹の部分が受け入れられないだろう。
そうなるともう、全てが「は？てかなんで？」であり、「同じ名前に届くぅ？？はぁあ？当時の郵便ってそんな雑なん？」となり、「あぁーーなにこれ。ただのファンタジーじゃん」
的なね。

LoveLetterという作品は、1995年当時でしか作れなかった唯一無二の珠玉の名作なのだと改めて感じました。
そしてこの作品の中の中山美穂さんは美しい。
謹んで御冥福をお祈りいたします。