時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

植民地と化したリビア

2014-04-03 21:52:09 | リビア・ウクライナ・南米・中東
最近のアフガンやリビアは、まるで満州国のようです。


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リビア・トリポリ(CNN)

リビア最高指導者だった故カダフィ大佐の息子
サアディ・カダフィ容疑者が、囚人服姿で国民に謝罪する
映像がリビア国営テレビで放送された。

映像ではサアディ容疑者が青い囚人服姿でカメラに向かい、
「私がリビアで引き起こした混乱や騒乱について国民に謝罪する。
私は犯してはならない過ちを犯した」と語った。

さらに「武器を持つすべての人々に対し、
武器を捨てるよう呼びかける。武器は国家のみが持つべきものだ」
と呼びかけ、リビア政府や議会に許しを乞うている。


サアディ容疑者はカダフィ大佐の7人の息子の1人で、
2011年のカダフィ政権崩壊後、国境を越えてニジェールに逃走。
今月に入って隣国ニジェールから身柄を引き渡され、リビアで勾留されている。


同容疑者に対する罪状などは発表されておらず、公判も始まっていない。
しかし同国政府は、リビア南部で最近起きた事件に
サアディ容疑者が関与していることを裏付ける証拠があるとしている。



サアディ容疑者の姿が放映された経緯は不明だが、
国営テレビは、同氏が勾留中に暴行を受けたとの報道に反論するため、
検察の許可を得て放送したと説明している。

この放送の前日、リビアのゼイダン前首相は英紙に対し、
サアディ容疑者が勾留中に暴行を受けていると聞いたと語っていた。

これに対して同容疑者は、自分が骨折したといううわさは
真実ではないと話し、両腕を動かして笑って見せた。

同容疑者に直接面会して処遇について確認することは誰もできていない。

http://www.cnn.co.jp/world/35045875.html
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現在のリビア(仮)は、内乱状態から回復しておらず、
各部族が武器を所持し、戦闘を行っています。


この状態から回復するために、カダフィの息子を捕縛し、
命の保証と引き換えに停戦を呼びかけさせたといったところでしょう。

CNNは保守的なメディアではありますが、それでもなお、
サアディ氏が一体なんの罪で捕らえられたのかを
確かにすることが出来ませんでした。

そもそも、罪人であるかどうかも政府が証拠を握っていると
話すだけで、非常に疑わしい。冤罪の可能性が濃厚です。

これほど醜悪な見せしめもないと思います。

アメリカや、それに支援を受けた武装勢力が打ち立てた現政権。
「我々に逆らえば、こうなるんだぞ」というわけです。


間違ってほしくないのが、この政権が生まれる際に、
カダフィが裁判もなしに武装勢力によって惨殺されたということ。
その息子も拘束され、政府に逆らえない状態です。


イメージしやすいように例えると、
安倍首相がアメリカによって訓練された武装組織に惨殺され、
そいつらが政権を握り、逆らう人間を撃ち殺し、
安倍の息子を不確かな理由で捕らえ、囚人服を着せ、
「パパや僕が悪かった!みんな言うことを聞いて」と言わせる。

これが今のリビア政府が行っていることです。



征服された国家とはかくも無残なものなのかと唖然としました。

アフガニスタン 治安悪化の中、大統領選

2014-04-03 21:24:55 | リビア・ウクライナ・南米・中東
しんぶん赤旗より

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アフガニスタン大統領選挙の投票が5日に行われます。
憲法の3選禁止規定でカルザイ大統領が退任するのに伴う
今回の選挙では、米軍の駐留を定める安全保障協定や、
反政府武装勢力タリバンとの対話などで重要な判断を下す次期大統領を選出します。

反政府勢力タリバンによるテロが後を絶たず、
選挙の正統性を脅かしかねない情勢不安のなかで、
有権者は治安改善の強い願いを一票に託します。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-03/2014040307_01_1.html
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「反政府勢力」も何も、もともと統治していたのはタリバンで、
それを銃と爆撃によって物理的に排除してできたのが今の政権
です。

向こうにとってみれば、カルザイ政権こそ
アメリカの傀儡政権に見えると思うのですが……



タリバンは確かに極端なイスラム原理主義者の集団ではありましたが、
彼らが民衆に支持され台頭したのは、暴力や強姦が日常茶飯事だった
ソ連軍撤退後の社会から地方軍閥を一掃し、治安を維持してきたからです。

翻ってアフガン戦争後の現在のカルザイ政権では、
日常的にテロが発生し、それへの弾圧や空爆が行われています。


特に、タリバンが潜伏しているとみなして隣国パキスタンにも
無人戦闘機を飛ばして民間人を殺している事態は看過することはできません。


アメリカは治外法権を得た上で作戦を行っています。

つまり、アメリカ軍が向こうで犯罪を犯しても、
裁くのはアメリカ本国であってアフガニスタンではない。
やりたい放題というわけです。これにはカルザイ大統領も非難しています。

私としては、タリバンを合法の政党として迎え入れ、
連立を組むなり総選挙をするなりするしかないように思えるのですが、
タリバンを絶対悪として排除しようとするのが現政権であり、
アメリカ軍であるので、この線はまず実現不可能でしょう。

アメリカは12年(もうすぐ13年)にかけて他国で暴力を働いているのですが、
普段は中東やアフリカ、アジアといった第3世界で起きている「人権侵害」に
ヒステリックになって騒いでいる国連や国際規模の人権団体も、
ことアフガンに関しては声が小さい。これは何故なのでしょうか?