池上は北朝鮮と中国との関係が悪化しているため、
中国以外との政治的・経済的結びつきがほしく北朝鮮が対談を臨んだと述べる。
実際、そのような見解を述べる「識者」も「日本国には」多い。
では、実際のところはどうなのか。
------------------------------------------------------------
見えてきた、中国と北朝鮮の「本当の関係」
「原油輸出の実績がゼロだからといって、中朝関係が悪いと決めるのは早計」。
そんな声が、韓国政府から出てきた。
東洋経済もこれまで、中国の税関統計では
北朝鮮向けの原油輸出実績がゼロになっており、
このため中朝関係の状態をめぐって韓国で論争が起きていることを紹介してきた。
今回、韓国政府のこのような情報が流れ、
「中朝関係は悪化していない」という見方が大勢になっているようだ。
米国「Voice of America(VOA)」の韓国語放送は
8月28日、韓国政府当局者の発言として、
「商業取引とは別途に、中国は北朝鮮に原油を援助している」と伝えた。
さらにこの当局者は
「中国の統計に出ていないからといって、中朝関係の悪化を断言するには早すぎる」
と付け加えている。
~(中略)~
今年7、8月、平壌など北朝鮮を訪問した複数の在日コリアンは
東洋経済の取材に対し、「平壌市内のガソリンスタンドなどで
ガソリン価格が上がったとか、足りないという声は聞かなかった」と口をそろえる。
中国の対北直接投資は、「右肩上がり」
韓国の総合週刊誌『週刊東亜』は7月23日号で、
「中国による北朝鮮放棄論の虚実」とする記事を掲載。
この中で、中国が北朝鮮に投資した金額を示すデータを公開し、
その件数と金額が増加していることを示している。
『週刊東亜』が掲載したものは、
中国商務省や為替管理局が集計した北朝鮮向け海外直接投資に関する統計資料であり、
2003年から2014年6月までの海外投資件数・金額が詳細に示されているという。
~中略~
韓国の経済制裁で減った分を、中国が穴埋め
金額から見ても、2010年に3800万米ドルから11年に5500万ドル、12年に7900万ドルと増加。
特に2010年に韓国が現在も実施中の対北経済措置(「5.24措置」)を出したことで
韓国からの投資が期待できなくなったものの、北朝鮮からすれば
減った分を中国から引き出したということになる。
~中略~
韓国のある中国ウオッチャーは、「北京から聞こえてくる“北朝鮮いじめ”は、
実のところは平壌が暴走したら中国は言うべきことを言うというジェスチャーに近い」
と指摘する。
~中略~
中国は、2006年の北朝鮮初の核実験後、
国際的な北朝鮮への圧力姿勢を気にして対北朝鮮投資を減らしてきた。
だが、2009年に故・金正日総書記の健康悪化が伝えられた後、
北朝鮮体制の弱化を憂慮した中国は、かえって投資を増やしてきた。
その流れは、現在にも続いている。
最近になって日朝関係が好転の兆しを見えているが、
これは中国などとの関係が悪化したからという単純な見方ではなく、
中国のカネも必要だが日本のカネも必要だという北朝鮮側の慎重な計算が働いているのでは
と『週刊東亜』は見ている。
「経済強国」という大きな目標を掲げ、国民の生活向上を公約にしている金正恩第1書記は、
そのために必要な資金をいくら用意すればよいのかを冷静に計算しているのではないか。
そのためには、既存の中国からの資金だけでは足りず、
日本との関係を改善してでも資金を確保すべきという計算が働いたのかもしれない。
同時に、国内ではさまざまな市民向け施設や工場、企業所、協同農場などを視察し、
サービスを向上し、生産や効率性を上げよと叱咤激励する。
そうすることで、「経済強国」建設に向けた資金を、
あらゆる資源を動員してでも用意したいという金正恩政権の思惑が浮かんでくる。
http://toyokeizai.net/articles/-/46799
-------------------------------------------------------------
このように、
中国と北朝鮮の関係は悪化していない。
ダメ出しとして、次の記事も紹介しよう。
-----------------------------------------------------------
伝統的友好のさらなる発展を/2014年朝中友好旧正月合同公演
2014年の新年と旧正月に際して劉洪才駐朝中国大使が22日、
平壌の大同江外交団会館で親善集会を催した。
集会には、朝中親善協会副委員長である対文委の金進範副委員長、
リ・スンチョル文化次官、関係者、駐朝各国外交代表および国際機関代表が招かれたほか、
中国大使館員、中国吉林省歌舞団のメンバー、朝鮮に滞在している中国の賓客が参加した。
発言に続いて参加者は、両国の公演を鑑賞した。
参加者は、朝中外交関係設定65周年に当たる意義深い今年に、
両国をはじめ各国との絆をさらに深めることについて語り合い、友好を深めた。
一方、2014年朝中友好旧正月交歓会が23日、朝鮮対外文化連絡委員会、
朝中友好宅庵協同農場と中国文化部、駐朝中国大使館の共同名義で、
平壌市順安区域にある朝中友好宅庵協同農場で行われた。
交歓会では農場芸術サークルと中国吉林省歌舞団による公演が行われた。
また、参加者は中国の手工芸家が創作した作品を見て回ったほか、
朝中両国の民族料理を味わった。
この日、中国大使館の名義で支援証書が農場に伝達された。
http://chosonsinbo.com/jp/2014/01/20140124riyo02/
-----------------------------------------------------------
朝中国交64周年、朝鮮各紙が報道
絶え間ない関係の発展
朝鮮と中国の国交樹立64周年に際して労働新聞、
民主朝鮮をはじめとした国内各紙が6日、その意義を強調する記事を掲載した。
労働新聞は、1949年10月6日、建国間もない中国との外交関係設定は
「抗日の戦場」で根を下ろした両国の友好関係を新たな高い段階に発展させた
「画期的な出来事」であったとしながら、その後60年以上もの間、両国は政治、
軍事、経済、文化などすべての分野にわたり互いに緊密に支持、協力し、
友好の絆を絶え間なく強固にし、発展させてきたと指摘した。
また、中国の影響力と対外的地位が高まっているとしながら、
朝中友好の強化、発展は両国人民の志向と利益に全的に合致し、
アジアと世界の平和と安全保障に有益であると強調した。
一方、民主朝鮮は、朝鮮は中国との伝統的な友好関係をさらに強固にし、
発展させるために誠意ある努力を尽くすと指摘した。
http://chosonsinbo.com/jp/2013/10/20131017mh-04/
------------------------------------------------------------------------
2014/10/24
不断に深まる朝中貿易
朝鮮との国境に面した中国・遼寧省丹東市などで
西側メディアが朝鮮族の人々を買収し、朝鮮人民軍の軍服などを着せて
インタビュー映像をねつ造していると、現地メディアが暴露した。
正体不明な「北朝鮮情報筋」が誕生する一つの実例だ
▼一部メディアの謀略記事とは逆に、朝中国境地帯の発展は有望だ。
16~21日にかけて丹東で第3回朝中経済貿易文化観光博覧会が開催された。
主催者発表では、今年は600以上の企業が出展した。
朝鮮からは過去最多100数社が参加。
中国など海外企業と約13億ドル規模の貿易·投資意向書を締結した
▼東海岸では観光が盛んだ。朝鮮・羅先では国境地帯の立地を活かし、
バス、自家用車、バイク、自転車によるツアーが組まれた。
海に面していない中国東北地方の観光客向けに海釣り大会も企画された。
観光の活性化は新たな産業を起こし、大きな経済効果を生む。
▼鴨緑江にかかる朝中国境の橋は完工間近。流通増加で経済交流はさらに深まる。
中国・延辺大学と羅先経済貿易地帯管理委は、人材育成・派遣、科学技術交流、
法律サービスなどで協力することで合意した。
人々の往来が経済発展の突破口とみなされている
▼中国国際貿易学会の副会長はある会合で、周辺国との協力が緊密になり、
政治的に信頼感が増し、経済貿易と往来が不断に深まったことで、
経済貿易協力関係が一層アップグレードされたと評価した。
メディアが伝えるべき生の声だ。
http://chosonsinbo.com/jp/2014/10/il-395/
--------------------------------------------------------------------
確か池上彰はTVでも中国と北朝鮮の関係は悪いと強調していたが、
実際は、役人同士の親善交流が活発に行われており、
また、経済面でも結びつきを強めつつあるわけだ。
いかに池上が国内の右翼・反共左翼の言い分を鵜呑みにして
現実を無視し、日本の敵視政策を絶賛、支援しているのかがよくわかる。
一方、池上は北朝鮮の中国依存が増加し、
そのことについて同国が危機感を抱いており、日本の金を当てにし出したと評する。
確かに、北朝鮮は近年、経済成長のためにどの国とも友好関係を結ぼうと努力している。
(核などを巡っての国際社会の孤立から脱却したいとの思いもある)
だが、それは日本だけに限定されたものではなく、
ヨーロッパやロシア、アフリカなど外交の幅は広く展開されている。
よって、日朝対談は、この北朝鮮の多極外交の一環であると捉えたほうがしっくりくる。
そういえば、本の中ではピョンヤンでは現地の人間が
中国人観光客の悪口を言っていたと語り、
「中国人の中でもとびきり性質の悪い人間が来るようだ」と
佐藤と二人で盛り上がっているのだが、
池上は、わざわざピョンヤンまで出かけて
観光客への愚痴だけ聞いて帰ってきたのだろうか?
普通は、現地の人間とアポを取って取材するのがジャーナリストだろう。
実際、週刊東洋経済の副編集長である福田恵介氏は
対外経済省国家経済開発総局投資処の金正植課長に取材し、
北朝鮮の経済が成長しつつあることを明らかにしている。
~北朝鮮に消費ブームがやって来た
副業で外貨稼ぎ、乗馬から自動車購入まで~
http://toyokeizai.net/articles/-/51829
「金詰まり」と佐藤たちは北朝鮮の経済状況を表現するのだが、
実際はその逆で、今、北朝鮮の経済は最も調子が良いのである。
経済的利益も計算した上での外交だろうと
週刊東亜も述べているのだが、それは貧窮に喘いでとか、
中国との関係が悪化したとか、中国依存を解消したいといった的外れの主張ではない。
池上のように観光客への文句だけ聞いて、
「中国と北朝鮮の関係は悪い。中国依存から脱するために
日本の金をふんだくろうとしている。」という凄い考えに至るわけではない。
池上は一応、ジャーナリストだったはずだが、
もしかして単に海外で遊んでいるだけじゃないのかと怪しんでしまう。
中国以外との政治的・経済的結びつきがほしく北朝鮮が対談を臨んだと述べる。
実際、そのような見解を述べる「識者」も「日本国には」多い。
では、実際のところはどうなのか。
------------------------------------------------------------
見えてきた、中国と北朝鮮の「本当の関係」
「原油輸出の実績がゼロだからといって、中朝関係が悪いと決めるのは早計」。
そんな声が、韓国政府から出てきた。
東洋経済もこれまで、中国の税関統計では
北朝鮮向けの原油輸出実績がゼロになっており、
このため中朝関係の状態をめぐって韓国で論争が起きていることを紹介してきた。
今回、韓国政府のこのような情報が流れ、
「中朝関係は悪化していない」という見方が大勢になっているようだ。
米国「Voice of America(VOA)」の韓国語放送は
8月28日、韓国政府当局者の発言として、
「商業取引とは別途に、中国は北朝鮮に原油を援助している」と伝えた。
さらにこの当局者は
「中国の統計に出ていないからといって、中朝関係の悪化を断言するには早すぎる」
と付け加えている。
~(中略)~
今年7、8月、平壌など北朝鮮を訪問した複数の在日コリアンは
東洋経済の取材に対し、「平壌市内のガソリンスタンドなどで
ガソリン価格が上がったとか、足りないという声は聞かなかった」と口をそろえる。
中国の対北直接投資は、「右肩上がり」
韓国の総合週刊誌『週刊東亜』は7月23日号で、
「中国による北朝鮮放棄論の虚実」とする記事を掲載。
この中で、中国が北朝鮮に投資した金額を示すデータを公開し、
その件数と金額が増加していることを示している。
『週刊東亜』が掲載したものは、
中国商務省や為替管理局が集計した北朝鮮向け海外直接投資に関する統計資料であり、
2003年から2014年6月までの海外投資件数・金額が詳細に示されているという。
~中略~
韓国の経済制裁で減った分を、中国が穴埋め
金額から見ても、2010年に3800万米ドルから11年に5500万ドル、12年に7900万ドルと増加。
特に2010年に韓国が現在も実施中の対北経済措置(「5.24措置」)を出したことで
韓国からの投資が期待できなくなったものの、北朝鮮からすれば
減った分を中国から引き出したということになる。
~中略~
韓国のある中国ウオッチャーは、「北京から聞こえてくる“北朝鮮いじめ”は、
実のところは平壌が暴走したら中国は言うべきことを言うというジェスチャーに近い」
と指摘する。
~中略~
中国は、2006年の北朝鮮初の核実験後、
国際的な北朝鮮への圧力姿勢を気にして対北朝鮮投資を減らしてきた。
だが、2009年に故・金正日総書記の健康悪化が伝えられた後、
北朝鮮体制の弱化を憂慮した中国は、かえって投資を増やしてきた。
その流れは、現在にも続いている。
最近になって日朝関係が好転の兆しを見えているが、
これは中国などとの関係が悪化したからという単純な見方ではなく、
中国のカネも必要だが日本のカネも必要だという北朝鮮側の慎重な計算が働いているのでは
と『週刊東亜』は見ている。
「経済強国」という大きな目標を掲げ、国民の生活向上を公約にしている金正恩第1書記は、
そのために必要な資金をいくら用意すればよいのかを冷静に計算しているのではないか。
そのためには、既存の中国からの資金だけでは足りず、
日本との関係を改善してでも資金を確保すべきという計算が働いたのかもしれない。
同時に、国内ではさまざまな市民向け施設や工場、企業所、協同農場などを視察し、
サービスを向上し、生産や効率性を上げよと叱咤激励する。
そうすることで、「経済強国」建設に向けた資金を、
あらゆる資源を動員してでも用意したいという金正恩政権の思惑が浮かんでくる。
http://toyokeizai.net/articles/-/46799
-------------------------------------------------------------
このように、
中国と北朝鮮の関係は悪化していない。
ダメ出しとして、次の記事も紹介しよう。
-----------------------------------------------------------
伝統的友好のさらなる発展を/2014年朝中友好旧正月合同公演
2014年の新年と旧正月に際して劉洪才駐朝中国大使が22日、
平壌の大同江外交団会館で親善集会を催した。
集会には、朝中親善協会副委員長である対文委の金進範副委員長、
リ・スンチョル文化次官、関係者、駐朝各国外交代表および国際機関代表が招かれたほか、
中国大使館員、中国吉林省歌舞団のメンバー、朝鮮に滞在している中国の賓客が参加した。
発言に続いて参加者は、両国の公演を鑑賞した。
参加者は、朝中外交関係設定65周年に当たる意義深い今年に、
両国をはじめ各国との絆をさらに深めることについて語り合い、友好を深めた。
一方、2014年朝中友好旧正月交歓会が23日、朝鮮対外文化連絡委員会、
朝中友好宅庵協同農場と中国文化部、駐朝中国大使館の共同名義で、
平壌市順安区域にある朝中友好宅庵協同農場で行われた。
交歓会では農場芸術サークルと中国吉林省歌舞団による公演が行われた。
また、参加者は中国の手工芸家が創作した作品を見て回ったほか、
朝中両国の民族料理を味わった。
この日、中国大使館の名義で支援証書が農場に伝達された。
http://chosonsinbo.com/jp/2014/01/20140124riyo02/
-----------------------------------------------------------
朝中国交64周年、朝鮮各紙が報道
絶え間ない関係の発展
朝鮮と中国の国交樹立64周年に際して労働新聞、
民主朝鮮をはじめとした国内各紙が6日、その意義を強調する記事を掲載した。
労働新聞は、1949年10月6日、建国間もない中国との外交関係設定は
「抗日の戦場」で根を下ろした両国の友好関係を新たな高い段階に発展させた
「画期的な出来事」であったとしながら、その後60年以上もの間、両国は政治、
軍事、経済、文化などすべての分野にわたり互いに緊密に支持、協力し、
友好の絆を絶え間なく強固にし、発展させてきたと指摘した。
また、中国の影響力と対外的地位が高まっているとしながら、
朝中友好の強化、発展は両国人民の志向と利益に全的に合致し、
アジアと世界の平和と安全保障に有益であると強調した。
一方、民主朝鮮は、朝鮮は中国との伝統的な友好関係をさらに強固にし、
発展させるために誠意ある努力を尽くすと指摘した。
http://chosonsinbo.com/jp/2013/10/20131017mh-04/
------------------------------------------------------------------------
2014/10/24
不断に深まる朝中貿易
朝鮮との国境に面した中国・遼寧省丹東市などで
西側メディアが朝鮮族の人々を買収し、朝鮮人民軍の軍服などを着せて
インタビュー映像をねつ造していると、現地メディアが暴露した。
正体不明な「北朝鮮情報筋」が誕生する一つの実例だ
▼一部メディアの謀略記事とは逆に、朝中国境地帯の発展は有望だ。
16~21日にかけて丹東で第3回朝中経済貿易文化観光博覧会が開催された。
主催者発表では、今年は600以上の企業が出展した。
朝鮮からは過去最多100数社が参加。
中国など海外企業と約13億ドル規模の貿易·投資意向書を締結した
▼東海岸では観光が盛んだ。朝鮮・羅先では国境地帯の立地を活かし、
バス、自家用車、バイク、自転車によるツアーが組まれた。
海に面していない中国東北地方の観光客向けに海釣り大会も企画された。
観光の活性化は新たな産業を起こし、大きな経済効果を生む。
▼鴨緑江にかかる朝中国境の橋は完工間近。流通増加で経済交流はさらに深まる。
中国・延辺大学と羅先経済貿易地帯管理委は、人材育成・派遣、科学技術交流、
法律サービスなどで協力することで合意した。
人々の往来が経済発展の突破口とみなされている
▼中国国際貿易学会の副会長はある会合で、周辺国との協力が緊密になり、
政治的に信頼感が増し、経済貿易と往来が不断に深まったことで、
経済貿易協力関係が一層アップグレードされたと評価した。
メディアが伝えるべき生の声だ。
http://chosonsinbo.com/jp/2014/10/il-395/
--------------------------------------------------------------------
確か池上彰はTVでも中国と北朝鮮の関係は悪いと強調していたが、
実際は、役人同士の親善交流が活発に行われており、
また、経済面でも結びつきを強めつつあるわけだ。
いかに池上が国内の右翼・反共左翼の言い分を鵜呑みにして
現実を無視し、日本の敵視政策を絶賛、支援しているのかがよくわかる。
一方、池上は北朝鮮の中国依存が増加し、
そのことについて同国が危機感を抱いており、日本の金を当てにし出したと評する。
確かに、北朝鮮は近年、経済成長のためにどの国とも友好関係を結ぼうと努力している。
(核などを巡っての国際社会の孤立から脱却したいとの思いもある)
だが、それは日本だけに限定されたものではなく、
ヨーロッパやロシア、アフリカなど外交の幅は広く展開されている。
よって、日朝対談は、この北朝鮮の多極外交の一環であると捉えたほうがしっくりくる。
そういえば、本の中ではピョンヤンでは現地の人間が
中国人観光客の悪口を言っていたと語り、
「中国人の中でもとびきり性質の悪い人間が来るようだ」と
佐藤と二人で盛り上がっているのだが、
池上は、わざわざピョンヤンまで出かけて
観光客への愚痴だけ聞いて帰ってきたのだろうか?
普通は、現地の人間とアポを取って取材するのがジャーナリストだろう。
実際、週刊東洋経済の副編集長である福田恵介氏は
対外経済省国家経済開発総局投資処の金正植課長に取材し、
北朝鮮の経済が成長しつつあることを明らかにしている。
~北朝鮮に消費ブームがやって来た
副業で外貨稼ぎ、乗馬から自動車購入まで~
http://toyokeizai.net/articles/-/51829
「金詰まり」と佐藤たちは北朝鮮の経済状況を表現するのだが、
実際はその逆で、今、北朝鮮の経済は最も調子が良いのである。
経済的利益も計算した上での外交だろうと
週刊東亜も述べているのだが、それは貧窮に喘いでとか、
中国との関係が悪化したとか、中国依存を解消したいといった的外れの主張ではない。
池上のように観光客への文句だけ聞いて、
「中国と北朝鮮の関係は悪い。中国依存から脱するために
日本の金をふんだくろうとしている。」という凄い考えに至るわけではない。
池上は一応、ジャーナリストだったはずだが、
もしかして単に海外で遊んでいるだけじゃないのかと怪しんでしまう。