集団的自衛権の反対自体は大切だが、あわせて安保体制にもNoを唱えなければなるまい。
現在の日米同盟の最大の問題点は、アメリカとの間に対等関係が結ばれていない点にある。
集団的自衛権を容認させる動き自体が、湾岸戦争時に
日本が参戦しなかったことへのアメリカの不満が発端だったことを忘れてはなるまい。
集団的自衛権容認を阻止できたとしても、アメリカの正義=日本の正義とみなす
システム自体に変化がなければ、本質的な問題の解決にはなりはしない。
そういう本質的な問題に言及する論者は割りと少なくて、
私の知る限りでは浅井基文氏や白宗元氏ぐらいしか思い当たらない。
それどころか、「日本が北朝鮮(あるいは中国)になってもいいのか!」という
あんまりな意見も少なくない。視野が狭いと言うか何と言おうか……
そういう中で、私が最近、注目している方がスプートニクで
オピニオンを担当しているアンドレイ・イワノフ氏。
彼はモスクワ国際関係大学の上級研究員だが、
なかなかどうして、日本の論者にはない視点で物事をみつめている。
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29日、安倍首相は、参議院で安保関連法案を検討する特別委員会で発言し、
今回もまた、自衛隊の権限を拡大する法案が、憲法の平和主義の原則を変える事はない点を強調した。
安倍首相は、次のように述べているー
「日米同盟の絆をさらに強化することによって、戦争を未然に防ぐ抑止力はより強化され、
また、日本が国際社会とさらに連携し、地域や世界の平和のために協力することによって、
より世界は平和になっていくだろう。」
モスクワ国際関係大学のアンドレイ・イワノフ上級研究員は、
平和の強化に貢献したいとする安倍首相の意向は、尊敬に値するものとしながらも、
米国との軍事同盟を強化する事で、それができるとの首相の期待については、驚きを禁じ得ないでいる。
イワノフ上級研究員の見解を、皆さんに御紹介したい-
「多分、安倍首相は、米国のオバマ大統領を大変尊敬し、大変信用しているのだろう。
一方オバマ大統領は、米国のみが世界中で平和と自由、
そして民主主義を守るのだと演説するのが大好きなのだろう。
20世紀中盤、米国は確かに、まずソ連がナチス・ドイツを壊滅させるのを助け、
続いてソ連の支援を受けて軍国主義日本を壊滅させ、実際
世界の平和と自由、そして民主主義を守った。
戦後は長らく、米国は、ソ連を出所とする、共産主義の脅威と戦った。
その際、彼らは、2つの体制の平和共存や平和的競争を訴えるソ連の提案を無視した。
そして1991年末、ソ連邦及び社会主義陣営の崩壊と共に、
共産主義の脅威が消滅したが、米国の野望を押しとどめるものもなくなり、
米国人は、世界中に自分達の価値観を積極的に植えつけ始めた。
残念ながら、米国人達は、それを必ずしも平和的手段のみで行ったわけではなかった。
こじつけられた口実で、彼らは、ユーゴスラビア、イラク、アフガニスタンで戦争を始め、
リビアやウクライナを含む一連の国々では、カラー革命を起こすか、あるいはそれを支援した。
こうした米国の『自由と民主主義の輸出』による罪なき一般市民の犠牲者は、
何百万とは言えないまでも、すでに何十万にも達している。
そもそも米国は、ほんの200年と少しの歴史の間に、数多くの戦争を起こしてきた。
様々な時期に直接米国の侵略を受け犠牲となった国々として、
メキシコ、キューバ、ニカラグアなどがまず挙げられる。
しかし誰も一度も米国を国際法廷に引き出さなかった。
それゆえ今も米国人達は、武力を用いて、世界中に自分達の価値観を確立させ、
実際上は自分達の利益を守る権利があると主張し続けている。
そうした事を一人で行うのは難しいために、
米国は、欧州ではNATOに頼り、アジアでは、特に日本に頼ろうと欲している。
これまでのところ『自由と平和と民主主義』を米国人が守ろうとする時、
それには独立国家への侵略や一般人の大量殺戮を伴ってきた。
それなのに、安倍首相はなぜ、米国流に平和や自由を守る事が、
より平和的だなどと期待感を表明するのだろうか?
安倍氏は、それほどに素朴な人間なのだろうか?
そうした人物が、政治家としての権利をお持ちになり、軍事面を含めて、
日本のような大国のリーダーで、果たしてあるべきなのだろうか?
日本の皆さんに、今まだ安保関連法案の討議が終わっていないうちに、
この問いに是非答えて頂きたいものだ。後では、残念ながら、もう遅すぎるからである。」
続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150729/657148.html#ixzz3hfoR2SbN
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戦後70年を記念して、様々な企画が練られているが、
総じて太平洋戦争のことばかり取り上げられていて、
戦争が終わった後に日本やアメリカが何をしてきたのかを
反省しようとする動きは全く無い。
今、求められているのは、まさしくそれだと言うのに。
残念至極である。
現在の日米同盟の最大の問題点は、アメリカとの間に対等関係が結ばれていない点にある。
集団的自衛権を容認させる動き自体が、湾岸戦争時に
日本が参戦しなかったことへのアメリカの不満が発端だったことを忘れてはなるまい。
集団的自衛権容認を阻止できたとしても、アメリカの正義=日本の正義とみなす
システム自体に変化がなければ、本質的な問題の解決にはなりはしない。
そういう本質的な問題に言及する論者は割りと少なくて、
私の知る限りでは浅井基文氏や白宗元氏ぐらいしか思い当たらない。
それどころか、「日本が北朝鮮(あるいは中国)になってもいいのか!」という
あんまりな意見も少なくない。視野が狭いと言うか何と言おうか……
そういう中で、私が最近、注目している方がスプートニクで
オピニオンを担当しているアンドレイ・イワノフ氏。
彼はモスクワ国際関係大学の上級研究員だが、
なかなかどうして、日本の論者にはない視点で物事をみつめている。
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29日、安倍首相は、参議院で安保関連法案を検討する特別委員会で発言し、
今回もまた、自衛隊の権限を拡大する法案が、憲法の平和主義の原則を変える事はない点を強調した。
安倍首相は、次のように述べているー
「日米同盟の絆をさらに強化することによって、戦争を未然に防ぐ抑止力はより強化され、
また、日本が国際社会とさらに連携し、地域や世界の平和のために協力することによって、
より世界は平和になっていくだろう。」
モスクワ国際関係大学のアンドレイ・イワノフ上級研究員は、
平和の強化に貢献したいとする安倍首相の意向は、尊敬に値するものとしながらも、
米国との軍事同盟を強化する事で、それができるとの首相の期待については、驚きを禁じ得ないでいる。
イワノフ上級研究員の見解を、皆さんに御紹介したい-
「多分、安倍首相は、米国のオバマ大統領を大変尊敬し、大変信用しているのだろう。
一方オバマ大統領は、米国のみが世界中で平和と自由、
そして民主主義を守るのだと演説するのが大好きなのだろう。
20世紀中盤、米国は確かに、まずソ連がナチス・ドイツを壊滅させるのを助け、
続いてソ連の支援を受けて軍国主義日本を壊滅させ、実際
世界の平和と自由、そして民主主義を守った。
戦後は長らく、米国は、ソ連を出所とする、共産主義の脅威と戦った。
その際、彼らは、2つの体制の平和共存や平和的競争を訴えるソ連の提案を無視した。
そして1991年末、ソ連邦及び社会主義陣営の崩壊と共に、
共産主義の脅威が消滅したが、米国の野望を押しとどめるものもなくなり、
米国人は、世界中に自分達の価値観を積極的に植えつけ始めた。
残念ながら、米国人達は、それを必ずしも平和的手段のみで行ったわけではなかった。
こじつけられた口実で、彼らは、ユーゴスラビア、イラク、アフガニスタンで戦争を始め、
リビアやウクライナを含む一連の国々では、カラー革命を起こすか、あるいはそれを支援した。
こうした米国の『自由と民主主義の輸出』による罪なき一般市民の犠牲者は、
何百万とは言えないまでも、すでに何十万にも達している。
そもそも米国は、ほんの200年と少しの歴史の間に、数多くの戦争を起こしてきた。
様々な時期に直接米国の侵略を受け犠牲となった国々として、
メキシコ、キューバ、ニカラグアなどがまず挙げられる。
しかし誰も一度も米国を国際法廷に引き出さなかった。
それゆえ今も米国人達は、武力を用いて、世界中に自分達の価値観を確立させ、
実際上は自分達の利益を守る権利があると主張し続けている。
そうした事を一人で行うのは難しいために、
米国は、欧州ではNATOに頼り、アジアでは、特に日本に頼ろうと欲している。
これまでのところ『自由と平和と民主主義』を米国人が守ろうとする時、
それには独立国家への侵略や一般人の大量殺戮を伴ってきた。
それなのに、安倍首相はなぜ、米国流に平和や自由を守る事が、
より平和的だなどと期待感を表明するのだろうか?
安倍氏は、それほどに素朴な人間なのだろうか?
そうした人物が、政治家としての権利をお持ちになり、軍事面を含めて、
日本のような大国のリーダーで、果たしてあるべきなのだろうか?
日本の皆さんに、今まだ安保関連法案の討議が終わっていないうちに、
この問いに是非答えて頂きたいものだ。後では、残念ながら、もう遅すぎるからである。」
続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150729/657148.html#ixzz3hfoR2SbN
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戦後70年を記念して、様々な企画が練られているが、
総じて太平洋戦争のことばかり取り上げられていて、
戦争が終わった後に日本やアメリカが何をしてきたのかを
反省しようとする動きは全く無い。
今、求められているのは、まさしくそれだと言うのに。
残念至極である。