昨晩の土曜プレミアムは衝撃的だった。
池上彰緊急スペシャル!2014年何を狙う?北朝鮮
恐るべき政治犯収容所の実態・国連が認めた!飢え・拷問・処刑!
・・・だそうだ。何のことはない、これまで何度も繰り返し流布された
北朝鮮バッシングをもう一度、氏お得意の話術で再構成したものだった。
収容所に関しては、北朝鮮当局は証拠が不十分として国連に抗議している。
私自身は収容所自体は存在するが、国連が述べるほどの規模ではないと考えている。
理由は簡単で、収容所というのは、あくまで囚人を生かさなければならないので、
ただでさえ食糧問題が深刻なのに、数十万人の反乱分子を養うだろうか?
と思うからだ。
それこそキム・ジョンウンが独裁者にして冷血漢、悪の帝王であるならば
収容所近辺の僻地で労働させるよりとっとと処刑したほうが効率的ではないか。
ここで気になるのは、アムネスティの以下の記事だ。
---------------------------------------------------
第15号収容所(ヨドク収容所)を撮った最近の画像では、最後にアムネスティが
衛星画像を解析した2011年以来、39棟の居住棟が取り壊されたことがわかった。
その後建てられた新しい居住棟は6棟だけである。
居住棟の減少は収容所の人口がやや減った可能性を示唆している。
しかしアムネスティには
囚人人口や被拘束者の運命を
検証する手立てがない。
ヨドク収容所の面積は37平方キロメートルに及び、首都平壌から
約120キロと同国中心部に位置する。2011年には推定5万人が
この収容所に収監されていた。人口は渓谷部に集中している。
16号と同様、ヨドク収容所でも警備は厳しく、また相当の経済活動が見られる。
たとえば森林の伐採や、家具工場とみられる場所での原木の加工がはっきりと見
てとれる。
http://aikamakura.sakura.ne.jp/#camp
----------------------------------------------------
赤文字で強調したが、実は強制収容所に関する情報は
衛星写真と脱北者の証言だけで構成されており、
証拠というレベルには達していない。
アムネスティもそれを認めてか、検証する手だてはないと自ら書いている。
じゃあ、収容所はクリーンかと言うと、そんなことはない。
それは、証言者の話からも明白だろう。だが、証言者といっても
千差万別であり、その中から特にきつい体験を取捨選択した可能性は否めない。
いずれにせよ、確かな調査を行わないで断定しているわけである。
また、37平方キロというのは日本の茨城県東海村と同じ面積であり、
そこまで来ると、収容所というより一種の自治区となっており、
当然、そこの運営の資料があるはずなのだが、こういう文書をもって
アムネスティや国連が抗議しているわけでもない。
極めつけに、ウクライナ問題やリビア空爆における
国連の親米姿勢からも明白なように、国連はあくまで欧米主体のもので、
中東やアジア、アフリカなどの第3諸国の側に立った見解を示さない傾向がある。
そして悪の枢軸として北朝鮮がアメリカに敵視されている現状を
踏まえると、この件に関しては怪しい部分が大いにあり、
今後の更なる調査と、北朝鮮とアメリカとの関係改善が求められるだろう。
このように、この件に関しては、不確定要素が多いにも関わらず、
池上彰氏は、100%の事実として大衆に宣伝している。
ちなみに、彼はルーマニアの体操選手、コマネチが
チャウフスク大統領の息子の愛人にされかけて亡命したと説明したが、
この件に関してはコマネチ選手本人がハッキリと嘘だと答えている。
番組自体も柴田理恵氏などのタレントしか呼んでおらず、
池上氏の解説を聞いて「すげー!さすが池上さんだ!」と
べた褒めするバラエティ番組であり、討論の形式すらとっていない。
そして、日朝関係が改善されるかもしれないこのタイミングで、
拉致や遺骨問題などとは無関係の相手国の印象を貶めることを
わざわざやってのけるのである。そこに痺れず、あこがれない。
これだけの意気込みをガザ地区を訪問した際にも行ってほしかった。
現在もガザはイスラエルからの空爆に怯えている地区である。
だからこそ、そこの被害の実態と、イスラエルに対する現地の怒りを
お茶の間に届けるべきだったのに、肥満体が多いだの、日本のODAに
感謝して絵が飾られているだのといったどうでもいい内容しか伝えなかった。
まぁ、日朝会談と同時期に起きた集団的自衛権の容認について特集を組まず、
北朝鮮のバッシングを敢行したということは、理由はどうあれ、
北朝鮮のバッシングのほうが
集団的自衛権の検討よりも重要だと
訴えていることになる。
同自衛権の口実は、中国や北朝鮮の脅威である。
これでは、遠まわしに自衛権容認を支持しているようなものだ。
もちろん、保守派として意見を表明するならそれも結構だが、
それなら、仮にも中立的立場を取る義務がある民放テレビで
行うべきではない。チャンネル桜などで話せばよい。
いろいろ書いたが、池上氏の報道を聞くたびに思うのが、
権力に抗うための武器ではなく、権力に服従させるための情報を流している
ということだ。
原発にせよ、円安にせよ、彼はいつもそういうスタイルだ。
反対者もいます。でも~といった論調で、
中立を装いながら本質的な問題を避けて解説をする。
彼の言い分に従うならば、我々はニュースを知る必要はない。
すべて日本政府にお任せしていれば、万事解決するのだ。
池上氏は、ジャーナリストではなく、政府の覆面広報部員である。
せめて、今後はニュースタレントという肩書で活動してもらいたい。
ありえないことではあるが。
池上彰緊急スペシャル!2014年何を狙う?北朝鮮
恐るべき政治犯収容所の実態・国連が認めた!飢え・拷問・処刑!
・・・だそうだ。何のことはない、これまで何度も繰り返し流布された
北朝鮮バッシングをもう一度、氏お得意の話術で再構成したものだった。
収容所に関しては、北朝鮮当局は証拠が不十分として国連に抗議している。
私自身は収容所自体は存在するが、国連が述べるほどの規模ではないと考えている。
理由は簡単で、収容所というのは、あくまで囚人を生かさなければならないので、
ただでさえ食糧問題が深刻なのに、数十万人の反乱分子を養うだろうか?
と思うからだ。
それこそキム・ジョンウンが独裁者にして冷血漢、悪の帝王であるならば
収容所近辺の僻地で労働させるよりとっとと処刑したほうが効率的ではないか。
ここで気になるのは、アムネスティの以下の記事だ。
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第15号収容所(ヨドク収容所)を撮った最近の画像では、最後にアムネスティが
衛星画像を解析した2011年以来、39棟の居住棟が取り壊されたことがわかった。
その後建てられた新しい居住棟は6棟だけである。
居住棟の減少は収容所の人口がやや減った可能性を示唆している。
しかしアムネスティには
囚人人口や被拘束者の運命を
検証する手立てがない。
ヨドク収容所の面積は37平方キロメートルに及び、首都平壌から
約120キロと同国中心部に位置する。2011年には推定5万人が
この収容所に収監されていた。人口は渓谷部に集中している。
16号と同様、ヨドク収容所でも警備は厳しく、また相当の経済活動が見られる。
たとえば森林の伐採や、家具工場とみられる場所での原木の加工がはっきりと見
てとれる。
http://aikamakura.sakura.ne.jp/#camp
----------------------------------------------------
赤文字で強調したが、実は強制収容所に関する情報は
衛星写真と脱北者の証言だけで構成されており、
証拠というレベルには達していない。
アムネスティもそれを認めてか、検証する手だてはないと自ら書いている。
じゃあ、収容所はクリーンかと言うと、そんなことはない。
それは、証言者の話からも明白だろう。だが、証言者といっても
千差万別であり、その中から特にきつい体験を取捨選択した可能性は否めない。
いずれにせよ、確かな調査を行わないで断定しているわけである。
また、37平方キロというのは日本の茨城県東海村と同じ面積であり、
そこまで来ると、収容所というより一種の自治区となっており、
当然、そこの運営の資料があるはずなのだが、こういう文書をもって
アムネスティや国連が抗議しているわけでもない。
極めつけに、ウクライナ問題やリビア空爆における
国連の親米姿勢からも明白なように、国連はあくまで欧米主体のもので、
中東やアジア、アフリカなどの第3諸国の側に立った見解を示さない傾向がある。
そして悪の枢軸として北朝鮮がアメリカに敵視されている現状を
踏まえると、この件に関しては怪しい部分が大いにあり、
今後の更なる調査と、北朝鮮とアメリカとの関係改善が求められるだろう。
このように、この件に関しては、不確定要素が多いにも関わらず、
池上彰氏は、100%の事実として大衆に宣伝している。
ちなみに、彼はルーマニアの体操選手、コマネチが
チャウフスク大統領の息子の愛人にされかけて亡命したと説明したが、
この件に関してはコマネチ選手本人がハッキリと嘘だと答えている。
番組自体も柴田理恵氏などのタレントしか呼んでおらず、
池上氏の解説を聞いて「すげー!さすが池上さんだ!」と
べた褒めするバラエティ番組であり、討論の形式すらとっていない。
そして、日朝関係が改善されるかもしれないこのタイミングで、
拉致や遺骨問題などとは無関係の相手国の印象を貶めることを
わざわざやってのけるのである。そこに痺れず、あこがれない。
これだけの意気込みをガザ地区を訪問した際にも行ってほしかった。
現在もガザはイスラエルからの空爆に怯えている地区である。
だからこそ、そこの被害の実態と、イスラエルに対する現地の怒りを
お茶の間に届けるべきだったのに、肥満体が多いだの、日本のODAに
感謝して絵が飾られているだのといったどうでもいい内容しか伝えなかった。
まぁ、日朝会談と同時期に起きた集団的自衛権の容認について特集を組まず、
北朝鮮のバッシングを敢行したということは、理由はどうあれ、
北朝鮮のバッシングのほうが
集団的自衛権の検討よりも重要だと
訴えていることになる。
同自衛権の口実は、中国や北朝鮮の脅威である。
これでは、遠まわしに自衛権容認を支持しているようなものだ。
もちろん、保守派として意見を表明するならそれも結構だが、
それなら、仮にも中立的立場を取る義務がある民放テレビで
行うべきではない。チャンネル桜などで話せばよい。
いろいろ書いたが、池上氏の報道を聞くたびに思うのが、
権力に抗うための武器ではなく、権力に服従させるための情報を流している
ということだ。
原発にせよ、円安にせよ、彼はいつもそういうスタイルだ。
反対者もいます。でも~といった論調で、
中立を装いながら本質的な問題を避けて解説をする。
彼の言い分に従うならば、我々はニュースを知る必要はない。
すべて日本政府にお任せしていれば、万事解決するのだ。
池上氏は、ジャーナリストではなく、政府の覆面広報部員である。
せめて、今後はニュースタレントという肩書で活動してもらいたい。
ありえないことではあるが。