時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

国内植民地と化すドンバス ―ウクライナ内戦と石炭産業について

2015-05-05 00:48:42 | ロシア・ウクライナ
ウクライナの内戦は、ドンバスの石炭を巡る戦いでもある。
キエフ政権はEUやIMFから融資を受けるため、ドンバスの炭鉱を閉山させようとした。

東ウクライナの内戦は、現地の産業を守るか否かを巡る地方と中央との戦いなのだ。
ロシア・トゥデイの記事を一部、翻訳しよう。


数千の炭鉱夫が東ウクライナから首都キエフの街路に集まり、
炭鉱の閉山に抗議し、未払い給金の支払いを要求した。
抗議者は、首相との対談を望んだが、アルセニー・ヤツニクは呼びかけを無視した。

水曜の朝、国会議事堂と大統領府の前に列が出来始め、炭鉱夫の集団が審議を邪魔しようとした。

しかし、当局の代表との対談は成果が無く、抗議者は官公庁へと移動し、
中央フレシチャーティク通りを閉鎖した。


炭鉱夫の組合は5000人が抗議に参加していると述べた(タス通信が伝えた)。
炭鉱夫は自分たちのヘルメットを歩道にガンガン叩きつけながら、
「恥を知れ」とか「俺たちの金はどこだ?」といった言葉を繰り返し叫んだ。


彼らはまた、石炭産業大臣であるウラジーミル・デムチシンに対して辞職を要求した。
(彼は儲けがない3つの炭鉱を閉山する計画を最近発表していた)


「私たちはドンバス(東ウクライナ)の小さな炭鉱の町から来ました。
 そこには炭鉱を除いて、他に仕事がありません。もし閉山したら町は死に絶えるでしょう。」
と炭鉱夫の妻は不平を言った。

http://rt.com/news/252113-kiev-miners-protest-ukraine/


要するに、典型的な新自由主義政策がウクライナで実行されようとしている。
東ウクライナの国内植民地化。これがキエフの目論んでいることである。


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ウクライナのデムチシン・エネルギー相は、
ロシアがドンバスに供給している電力の支払いを停止したと発表した。


ドンバスはウクライナの東部地域で、同地域の住民たちは昨年春、
キエフの軍事クーデターを支持せず、初めは連邦化を求めただけだったが、独立に賛成票を投じた。


軍事力を行使してドンバスに対するコントロールを取り戻すという
ポロシェンコ大統領率いるウクライナ新政権の2回の試みは、ウクライナ軍の壊滅に終わった。


その時キエフ政権は、「従わない地域」での銀行業務や地元住民への
年金ならびに給与の支払いを停止し、輸送封鎖を行い、鉄道の運行を遮断した。



モスクワ国際関係大学国際関係研究所のアンドレイ・イワノフ主任研究員は、
ポロシェンコ大統領はドンバスを放棄したという印象を受けると述べ、次のように語っている。


「ロシアがドンバス向けに供給してる電力の支払いを停止するという
 ウクライナのデムチシン・エネルギー相の発言は、
 ポロシェンコ大統領がドンバスを放棄したという印象を強めるだけだ。

ロシアは人道支援を行い、さらにドンバスに向けてほぼ無料で電力を供給した。
もしこれらがなかったとしたら、同地域ではずいぶん前に人道的大惨事が起こっていただろう。
キエフ政権はそれを求めているようだ。しかしキエフ政権が同地域を手放す気がないのは明らかだ。

独立を宣言したドネツクおよびルガンスク両人民共和国政府の情報によると、
キエフ政権は前回の2回と同じように今回の停戦を、
反抗する地域を軍事力で管理下に取り戻すための準備に使っている
ように思われる。

一瞬でもチャンスがあると思えば、ドンバスの破壊はゾッとするようなものになるだろう。
ウクライナ経済は復興費用をまかなうことはできない。西側は資金を出さない。

そのためキエフ政権は、思慮深く2月にドンバス経済を含む
ウクライナ経済への投資に関する協定を日本と締結したのだ。


米国・カナダ研究所の主任研究員で元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、
日本政府の決定はあまり賢明なものではなかったとの見解を示し、次のように語っている。


恐らくこの決定は、
 ウクライナへの経済支援を発動しようとしている米国の圧力の下で承認されたのだろう。

 日本は連帯を表明しているが、恐らくこれが無駄な資金になることを理解している。
 なぜならウクライナでは市場も経済も崩壊しているからだ。」

もちろん日本政府は米国を喜ばすためだけに動いているわけではないと仮定することもできる。

しかし2014年2月にウクライナで民主主義革命が勝利したとする
ある種の「ロマンチックなイメージ」は、民主党(アメリカの政党)
の同志たちにとっては必要であり、もちろん助けとなる。

しかしイワノフ主任研究員は、日本政府の人々があまりにも純真であると考えた場合にのみ、
このような仮定ができると述べ、次のように語っている。


「日本政府が、野党やメディアの活動を禁止し、
 反対派や新たな『民主的』ウクライナ政府の単なる批判者たちを大量逮捕し、
 政敵を殺害したウクライナの『民主主義』の現状について何も知らなかったと考えるのは難しい。

 最近1ヶ月で、追放された大統領ヤヌコヴィチ政権の役人たちが謎の死を遂げている。
 最近ではウクライナのジャーナリストと作家のオレシ・ブジナ氏が自宅の近くで射殺された。
 ブジナ氏は分離主義者ではなかった。しかし特にドンバスの住民など、
 ウクライナ国民に対して犯罪を行ったとしてウクライナ政府を激しく批判した。」

そして今、キエフ政権はドンバス向けの電力の支払いを拒否した。
どうやら盗まれたり、兵器の購入に使ってしまい、資金は全く残っていないようだ。

しかし、大丈夫だろう。気前のいい日本が、またくれるだろうから。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150422/228777.html#ixzz3ZBjoRrJd

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炭鉱夫たちのデモが、キエフ政府によるドンバス地域への制裁に起因するものであることがわかる。


イワノフ研究員が述べているように、東だけでなく西ウクライナにおいてでさえ、
反対派の政治家やジャーナリストが逮捕されたり射殺されている。

もちろん、政府ではなく、ネオナチが個人的に粛清したのかもしれないが、
いずれにせよ、キエフ政権が自由と平等を求めた正義の政府ではないことは確かだ。



ところで、さる親キエフ・反ロシア派は、これら抗議を次のように説明している。


「ウクライナの炭鉱業は主に東部の現在粉争地区となっているドンバス地区に多く、
 戦争で製品輸送用の鉄道網が分離派によって爆破され、産業に深刻な影響が起こっています。

 この東部の炭鉱労働者らが総勢4000人、政府に抗議、陳情のために集結し、
 未払い賃金支給を要求し、エネルギー省大臣更迭を求め、政府予算が
 国内炭鉱業の促進援助に当てられることを要求しています」
(http://plaza.rakuten.co.jp/mamakuncafe/diary/201504230000/)


驚くべきことに、キエフ政府がドンバスのいくつかの炭鉱を閉山しようとしていること、
それに対する抗議として工夫たちが終結したことが一言も書かれていない。
(キエフ政府による輸送閉鎖も一切、言及なし)

この説明文だけを読めば、東ウクライナ政府に責任があるかのようだ。
この御仁に限ったことではなく、日本の報道では肝心な事実が伏せられている。

イワノフ研究員はウクライナの現状を日本政府が知らないわけがないと言っているが、
少なくとも、私たち日本人のほとんどは全くといっていいほど、無知だと言えよう。

捕虜を十字架に架け、火あぶりで処刑するドンバスのネオナチ

2015-05-02 00:34:49 | ロシア・ウクライナ
安倍政権が就任してからしばらくの間、
「プーチンと仲の良い(!)安倍首相なら領土問題を解決できる!」と期待する報道があった。


こんな提灯記事を書いて恥ずかしくないのかと憤ったものだが、
どうやら、ここ最近の安倍政権の動きを見ると、自ら問題を深刻にさせている印象を受ける。


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安倍首相はプーチン大統領にモスクワの記念行事への不参加理由を説明した。

安倍首相はプーチン大統領に親書を送り、
その中で5月9日の大祖国戦争勝利記念70周年行事に参加できない理由を綴った。


菅官房長官は親書の内容について、
作業日程との絡みで行事へは不参加であることが記載されたと語っている。


一方のロシアでは、安倍首相の不参加は
オバマ米大統領がそれを禁じたからだと多くの人が思っている。

だが有名なロシア人東洋学者のヴィクトル・パヴレテンコ氏は、これとは違う見解を表した。


「オバマ氏が安倍氏にモスクワに行くなという必要などなかったのではないかと思う。
 これは日本側の決定であり、安倍氏個人がロシアとG7、ロシアと
 日本の相互関係にある状況に照らし合わせて採った決定だ。
 また国際社会における日本の立場からも、その軍事政治的役割の強化に照らした決定でもあるだろう。

 だが日本人としては、自分たちとしては来たかったが、状況がこうなり、
 安倍氏の日程がモスクワ行きを許さなくなったとみんなに説明しなければ、格好がつかないのだ。
 国際政治ではこうした言い訳は形の上では行なわれえるが、いやな印象は残る。

 安倍氏が日本の国益の観点から照らして最後まで抜け目なく立ち回るだろうことは、
 私たちにはわかる。
 そしてこの国益を決定するのに安倍氏は次のような手をとった。

 まず、戦勝70周年を祝うためにはモスクワに行かない。
 そして次に米国との間に軍事政治協力の新たな基本路線を結ぶ。
 その次に、太平洋パートナーシップ交渉の最後の取り組みを活発化させる
 と約束する。


その結果、米国側からは憲法の新解釈、
日本の国際舞台における軍事政治的役割の活発化、
自国の同盟国の安全確保のための自衛隊の海外派遣
を承認してもらうことになる。

そしてこれらすべてを安倍氏はモスクワに行かないことで受け取るのだ。」



Q:このアプローチ、また安倍氏が選んだ行動ラインは
 露日関係にとっては何を意味することになるだろうか?

A: ロシアの対日関係路線の決定を採るのは大統領であり、
 日本のロシアに対する領土要求の決定を採るのはロシア国民だ。
 露日関係の発展の将来性は、私は制裁解除後、抑制された、ほどほどのものになるだろうと思う。
 
 国内的にはこの安倍氏の行動は大統領のみならず、
 ロシア国民に対する侮辱と受け止められるだろう。


 この印象はこの先も残り、将来の露日関係に否定的影響を及ぼして行くものと思われる。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150430/275259.html#ixzz3YtygZpEc

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ウクライナのネオナチ・アメリカ傀儡政権を日本が支持し、
援助金を支出したことは、ロシアに日本へ対する多大な不信感を植え付けた。




ここしばらくのスプートニクの記事は、日本に対する批判的な記事が多い。
もともと、このスプートニクは日本に対しては結構、好意的な記事が多かった。


日本がロシアに経済制裁を執行しても、それなりにそこそこの友好関係はあった。
ところが、戦後70周年の戦勝式典への出席の拒否やキエフへの経済支援により、
すっかり、様変わりした。我々日本人は日々の洗脳により、瑣末なことと感じているが、
実際には、安倍の慰安婦否定、ネオナチ支援、日米軍事同盟の強化と改憲の動きは、
かつてのナチスの同盟国に日本が回帰するのではないかという不安を抱かせている。




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日本政府が支援のウクライナ、 生きた人間を焼き殺し


日本人は、キエフ政権に支援金を拠出している日本政府が
一体全体誰に対して資金を渡しているのか、知らねばならない。



インターネット上に現れた新たな映像は、
キエフ当局側にたってドンバスで戦う民族主義の「アゾフ」大隊の新たな蛮行を証拠付けた。

キエフ当局に反対するハッカー集団「サイバー=ベルクト」は、
この映像はウクライナの治安維持部隊から電子メールで受信されたものと確証した。


映像はおそらくシロキノ居住区近郊で撮影。軍服をきた4人が膝まづく男性の傍らに立っている。
男性は口にくつわを嵌められ、縛られている。


「我々は『アゾフ』大隊所属だ。
 憎きモスクワの性悪どもと戦っている。
 分離主義に共謀するものはみんなこうしてやる。」


武装戦闘員の一人がこういうと、
戦闘員らは捕虜を地面に大の字に寝かせ、
手をガムテープで桁に結わえ付けた。


その後、今度は手に釘を打ちつけ始めたため、
捕虜は痛みに身をよじり、うめき始めた。
捕虜の十字架は今度は垂直に立てられ、
最後は火をつけられた。



この事件はウクライナ政府が民主主義を構築していると公言している最中に起きている。
日本政府はこのウクライナに何十億ドルもの支援金を支払っているのだ。


動画は倫理上の問題で掲載できませんが、
YouTubeをはじめとする動画掲載サイトにロシア語で
"Неонацисты из батальона Азов
сжигают человека на кресте"
(アゾフ大隊のネオナチが十字架にかけた人間を火あぶり)と入力することで動画の閲覧が可能です。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/life/20150430/268584.html#ixzz3Yu2ConTH

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問題の映像はここから見ることが可能だ。

正直、これはイスラム国の首切りと同じ右翼へ向けたパフォーマンスの一種で、
宗教的な意味合いをこめた処刑を行い、映像を流すことで同志を募っている。



こういう過激派を日本が支援しているわけだ。
スプートニクの解説員であるアンドレイ・イワノフ氏は
ここ最近の日本の対米従属パフォーマンスについて、かなり辛口の解説をしている。



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日本、米国の起こす戦争に 巻き込まれずに済むだろうか?


日本は米国の聞き分けのよい臣下になりつつある。
安倍首相の訪米を総括して行われたオバマ大統領、安倍首相の共同記者会見を受け、
モスクワ国際関係大学の上級専門家アンドレイ・イヴァノフ氏は
こうした印象を受けたとして、次のように語っている。



「オバマ大統領は、日米はウクライナにおけるロシアの侵略に共同で対立していると発言した。
手柔らかに言っても、この発言は現実に矛盾している。率直に言えば、米大統領は単に嘘をついている。

ロシア軍が実際ウクライナ領に侵略したのであれば、
米軍事関連の専門家らの評価では、ウクライナ軍は2週間もたたぬうちに大破され、
キエフには親米ではなく、親ロシアの新政権が誕生しているはずだからだ。」


ロシアがウクライナ領で自国軍を用いていないのは単に国際法への敬意からだとイヴァノフ氏は語る。

ところが悲しいことにキエフ当局はこれを相手の弱点と解釈し、
非合法的な政権転覆を支持しなかったドンバスの住民に対して軍事懲罰作戦を開始したのだ。

日本をはじめとする西側はウクライナ新政権のこの行動を支持し、
ウクライナ軍がドンバス市町村で一般市民を銃殺している事実や
キエフ側で戦う民族主義者らの蛮行からは目をそらした。



記者会見に集まったジャーナリストらの大きな関心を買ったのは
安倍、オバマ両者の日米国防協力の強化に関する声明だった。


ある日本人記者が、日本が米国の戦争に引き込まれる恐れはないかとたずねた問いに対し、
安倍首相はこうした危険性はすでに55年間にわたって存在しているものの、
歴史がその根拠を確証付けたことはついぞなかったと答えた。


しかし根拠にかけるのは、安倍首相の楽観主義のほうだ。
イヴァノフ氏は、刷新した日米同盟が全世界の平和の強化に貢献すると信じきっているとの見方を示し、
次のように語っている。


「米ソ対立の時代には、米国が日本を自分の危険な行為に引き込むことは、
それが日本の国益に反していた場合は非常に難しかった。米国がどんなに圧力をかけても、
日本は米国の圧力にも講じず、ソ連に対し、米国の制裁対象に挙げられていた製品を供給していた。
そんななかには大型の直径のパイプもあった。1980年、西側はモスクワ五輪をボイコットしたが、
日本企業は開催に参加し、マスコミもその模様を積極的に伝えた。

だが日本は対露制裁におとなしく従った。この制裁は証拠もないまま
マレーシアのボーイング機撃墜、ウクライナへの侵略を理由に発動されたものだ。
日本は制裁を支持したが、これが自国の国益に害をもたらすとは考えていなかった。


ところが今、日米はその軍事同盟のフォーマットを刷新、拡大しており、
日本の国会は自衛隊の海外派遣の制限を解こうとしている。
このことで日本が、米国の軍事上のアバンチュールに本当に引き込まれる恐れが出てきているのだ。」


こうした危険な橋を渡りたがる連中が
平和と民主主義の擁護という名目で行う行為を信用してはならない。


米軍のユーゴスラビア、イラク、アフガン介入後、
またリビアでの軍事作戦後、現地では民主主義度が高まることはなく、
その代わりに破壊と流血が進み、カオスが蔓延した。

これと全く同じ構図がウクライナでも見受けられる。
日本がこうした無秩序に責任をとる必要はあるのだろうか?

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150429/267861.html#ixzz3Yu7I36wx
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今のところ、ロシアにとって最も唾棄すべき国家はアメリカである。
だが、このまま親米路線を邁進していけば、遅かれ早かれ、日露関係は悪化するだろう。
領土問題の解決は絶望的だし、下手をすればロシアが反日国家(笑)になるかもしれない。