ウクライナの内戦は、ドンバスの石炭を巡る戦いでもある。
キエフ政権はEUやIMFから融資を受けるため、ドンバスの炭鉱を閉山させようとした。
東ウクライナの内戦は、現地の産業を守るか否かを巡る地方と中央との戦いなのだ。
ロシア・トゥデイの記事を一部、翻訳しよう。
数千の炭鉱夫が東ウクライナから首都キエフの街路に集まり、
炭鉱の閉山に抗議し、未払い給金の支払いを要求した。
抗議者は、首相との対談を望んだが、アルセニー・ヤツニクは呼びかけを無視した。
水曜の朝、国会議事堂と大統領府の前に列が出来始め、炭鉱夫の集団が審議を邪魔しようとした。
しかし、当局の代表との対談は成果が無く、抗議者は官公庁へと移動し、
中央フレシチャーティク通りを閉鎖した。
炭鉱夫の組合は5000人が抗議に参加していると述べた(タス通信が伝えた)。
炭鉱夫は自分たちのヘルメットを歩道にガンガン叩きつけながら、
「恥を知れ」とか「俺たちの金はどこだ?」といった言葉を繰り返し叫んだ。
彼らはまた、石炭産業大臣であるウラジーミル・デムチシンに対して辞職を要求した。
(彼は儲けがない3つの炭鉱を閉山する計画を最近発表していた)
「私たちはドンバス(東ウクライナ)の小さな炭鉱の町から来ました。
そこには炭鉱を除いて、他に仕事がありません。もし閉山したら町は死に絶えるでしょう。」
と炭鉱夫の妻は不平を言った。
http://rt.com/news/252113-kiev-miners-protest-ukraine/
要するに、典型的な新自由主義政策がウクライナで実行されようとしている。
東ウクライナの国内植民地化。これがキエフの目論んでいることである。
----------------------------------------------------
ウクライナのデムチシン・エネルギー相は、
ロシアがドンバスに供給している電力の支払いを停止したと発表した。
ドンバスはウクライナの東部地域で、同地域の住民たちは昨年春、
キエフの軍事クーデターを支持せず、初めは連邦化を求めただけだったが、独立に賛成票を投じた。
軍事力を行使してドンバスに対するコントロールを取り戻すという
ポロシェンコ大統領率いるウクライナ新政権の2回の試みは、ウクライナ軍の壊滅に終わった。
その時キエフ政権は、「従わない地域」での銀行業務や地元住民への
年金ならびに給与の支払いを停止し、輸送封鎖を行い、鉄道の運行を遮断した。
モスクワ国際関係大学国際関係研究所のアンドレイ・イワノフ主任研究員は、
ポロシェンコ大統領はドンバスを放棄したという印象を受けると述べ、次のように語っている。
「ロシアがドンバス向けに供給してる電力の支払いを停止するという
ウクライナのデムチシン・エネルギー相の発言は、
ポロシェンコ大統領がドンバスを放棄したという印象を強めるだけだ。
ロシアは人道支援を行い、さらにドンバスに向けてほぼ無料で電力を供給した。
もしこれらがなかったとしたら、同地域ではずいぶん前に人道的大惨事が起こっていただろう。
キエフ政権はそれを求めているようだ。しかしキエフ政権が同地域を手放す気がないのは明らかだ。
独立を宣言したドネツクおよびルガンスク両人民共和国政府の情報によると、
キエフ政権は前回の2回と同じように今回の停戦を、
反抗する地域を軍事力で管理下に取り戻すための準備に使っているように思われる。
一瞬でもチャンスがあると思えば、ドンバスの破壊はゾッとするようなものになるだろう。
ウクライナ経済は復興費用をまかなうことはできない。西側は資金を出さない。
そのためキエフ政権は、思慮深く2月にドンバス経済を含む
ウクライナ経済への投資に関する協定を日本と締結したのだ。」
米国・カナダ研究所の主任研究員で元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、
日本政府の決定はあまり賢明なものではなかったとの見解を示し、次のように語っている。
「恐らくこの決定は、
ウクライナへの経済支援を発動しようとしている米国の圧力の下で承認されたのだろう。
日本は連帯を表明しているが、恐らくこれが無駄な資金になることを理解している。
なぜならウクライナでは市場も経済も崩壊しているからだ。」
もちろん日本政府は米国を喜ばすためだけに動いているわけではないと仮定することもできる。
しかし2014年2月にウクライナで民主主義革命が勝利したとする
ある種の「ロマンチックなイメージ」は、民主党(アメリカの政党)
の同志たちにとっては必要であり、もちろん助けとなる。
しかしイワノフ主任研究員は、日本政府の人々があまりにも純真であると考えた場合にのみ、
このような仮定ができると述べ、次のように語っている。
「日本政府が、野党やメディアの活動を禁止し、
反対派や新たな『民主的』ウクライナ政府の単なる批判者たちを大量逮捕し、
政敵を殺害したウクライナの『民主主義』の現状について何も知らなかったと考えるのは難しい。
最近1ヶ月で、追放された大統領ヤヌコヴィチ政権の役人たちが謎の死を遂げている。
最近ではウクライナのジャーナリストと作家のオレシ・ブジナ氏が自宅の近くで射殺された。
ブジナ氏は分離主義者ではなかった。しかし特にドンバスの住民など、
ウクライナ国民に対して犯罪を行ったとしてウクライナ政府を激しく批判した。」
そして今、キエフ政権はドンバス向けの電力の支払いを拒否した。
どうやら盗まれたり、兵器の購入に使ってしまい、資金は全く残っていないようだ。
しかし、大丈夫だろう。気前のいい日本が、またくれるだろうから。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150422/228777.html#ixzz3ZBjoRrJd
----------------------------------------------------
炭鉱夫たちのデモが、キエフ政府によるドンバス地域への制裁に起因するものであることがわかる。
イワノフ研究員が述べているように、東だけでなく西ウクライナにおいてでさえ、
反対派の政治家やジャーナリストが逮捕されたり射殺されている。
もちろん、政府ではなく、ネオナチが個人的に粛清したのかもしれないが、
いずれにせよ、キエフ政権が自由と平等を求めた正義の政府ではないことは確かだ。
ところで、さる親キエフ・反ロシア派は、これら抗議を次のように説明している。
「ウクライナの炭鉱業は主に東部の現在粉争地区となっているドンバス地区に多く、
戦争で製品輸送用の鉄道網が分離派によって爆破され、産業に深刻な影響が起こっています。
この東部の炭鉱労働者らが総勢4000人、政府に抗議、陳情のために集結し、
未払い賃金支給を要求し、エネルギー省大臣更迭を求め、政府予算が
国内炭鉱業の促進援助に当てられることを要求しています」
(http://plaza.rakuten.co.jp/mamakuncafe/diary/201504230000/)
驚くべきことに、キエフ政府がドンバスのいくつかの炭鉱を閉山しようとしていること、
それに対する抗議として工夫たちが終結したことが一言も書かれていない。
(キエフ政府による輸送閉鎖も一切、言及なし)
この説明文だけを読めば、東ウクライナ政府に責任があるかのようだ。
この御仁に限ったことではなく、日本の報道では肝心な事実が伏せられている。
イワノフ研究員はウクライナの現状を日本政府が知らないわけがないと言っているが、
少なくとも、私たち日本人のほとんどは全くといっていいほど、無知だと言えよう。
キエフ政権はEUやIMFから融資を受けるため、ドンバスの炭鉱を閉山させようとした。
東ウクライナの内戦は、現地の産業を守るか否かを巡る地方と中央との戦いなのだ。
ロシア・トゥデイの記事を一部、翻訳しよう。
数千の炭鉱夫が東ウクライナから首都キエフの街路に集まり、
炭鉱の閉山に抗議し、未払い給金の支払いを要求した。
抗議者は、首相との対談を望んだが、アルセニー・ヤツニクは呼びかけを無視した。
水曜の朝、国会議事堂と大統領府の前に列が出来始め、炭鉱夫の集団が審議を邪魔しようとした。
しかし、当局の代表との対談は成果が無く、抗議者は官公庁へと移動し、
中央フレシチャーティク通りを閉鎖した。
炭鉱夫の組合は5000人が抗議に参加していると述べた(タス通信が伝えた)。
炭鉱夫は自分たちのヘルメットを歩道にガンガン叩きつけながら、
「恥を知れ」とか「俺たちの金はどこだ?」といった言葉を繰り返し叫んだ。
彼らはまた、石炭産業大臣であるウラジーミル・デムチシンに対して辞職を要求した。
(彼は儲けがない3つの炭鉱を閉山する計画を最近発表していた)
「私たちはドンバス(東ウクライナ)の小さな炭鉱の町から来ました。
そこには炭鉱を除いて、他に仕事がありません。もし閉山したら町は死に絶えるでしょう。」
と炭鉱夫の妻は不平を言った。
http://rt.com/news/252113-kiev-miners-protest-ukraine/
要するに、典型的な新自由主義政策がウクライナで実行されようとしている。
東ウクライナの国内植民地化。これがキエフの目論んでいることである。
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ウクライナのデムチシン・エネルギー相は、
ロシアがドンバスに供給している電力の支払いを停止したと発表した。
ドンバスはウクライナの東部地域で、同地域の住民たちは昨年春、
キエフの軍事クーデターを支持せず、初めは連邦化を求めただけだったが、独立に賛成票を投じた。
軍事力を行使してドンバスに対するコントロールを取り戻すという
ポロシェンコ大統領率いるウクライナ新政権の2回の試みは、ウクライナ軍の壊滅に終わった。
その時キエフ政権は、「従わない地域」での銀行業務や地元住民への
年金ならびに給与の支払いを停止し、輸送封鎖を行い、鉄道の運行を遮断した。
モスクワ国際関係大学国際関係研究所のアンドレイ・イワノフ主任研究員は、
ポロシェンコ大統領はドンバスを放棄したという印象を受けると述べ、次のように語っている。
「ロシアがドンバス向けに供給してる電力の支払いを停止するという
ウクライナのデムチシン・エネルギー相の発言は、
ポロシェンコ大統領がドンバスを放棄したという印象を強めるだけだ。
ロシアは人道支援を行い、さらにドンバスに向けてほぼ無料で電力を供給した。
もしこれらがなかったとしたら、同地域ではずいぶん前に人道的大惨事が起こっていただろう。
キエフ政権はそれを求めているようだ。しかしキエフ政権が同地域を手放す気がないのは明らかだ。
独立を宣言したドネツクおよびルガンスク両人民共和国政府の情報によると、
キエフ政権は前回の2回と同じように今回の停戦を、
反抗する地域を軍事力で管理下に取り戻すための準備に使っているように思われる。
一瞬でもチャンスがあると思えば、ドンバスの破壊はゾッとするようなものになるだろう。
ウクライナ経済は復興費用をまかなうことはできない。西側は資金を出さない。
そのためキエフ政権は、思慮深く2月にドンバス経済を含む
ウクライナ経済への投資に関する協定を日本と締結したのだ。」
米国・カナダ研究所の主任研究員で元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、
日本政府の決定はあまり賢明なものではなかったとの見解を示し、次のように語っている。
「恐らくこの決定は、
ウクライナへの経済支援を発動しようとしている米国の圧力の下で承認されたのだろう。
日本は連帯を表明しているが、恐らくこれが無駄な資金になることを理解している。
なぜならウクライナでは市場も経済も崩壊しているからだ。」
もちろん日本政府は米国を喜ばすためだけに動いているわけではないと仮定することもできる。
しかし2014年2月にウクライナで民主主義革命が勝利したとする
ある種の「ロマンチックなイメージ」は、民主党(アメリカの政党)
の同志たちにとっては必要であり、もちろん助けとなる。
しかしイワノフ主任研究員は、日本政府の人々があまりにも純真であると考えた場合にのみ、
このような仮定ができると述べ、次のように語っている。
「日本政府が、野党やメディアの活動を禁止し、
反対派や新たな『民主的』ウクライナ政府の単なる批判者たちを大量逮捕し、
政敵を殺害したウクライナの『民主主義』の現状について何も知らなかったと考えるのは難しい。
最近1ヶ月で、追放された大統領ヤヌコヴィチ政権の役人たちが謎の死を遂げている。
最近ではウクライナのジャーナリストと作家のオレシ・ブジナ氏が自宅の近くで射殺された。
ブジナ氏は分離主義者ではなかった。しかし特にドンバスの住民など、
ウクライナ国民に対して犯罪を行ったとしてウクライナ政府を激しく批判した。」
そして今、キエフ政権はドンバス向けの電力の支払いを拒否した。
どうやら盗まれたり、兵器の購入に使ってしまい、資金は全く残っていないようだ。
しかし、大丈夫だろう。気前のいい日本が、またくれるだろうから。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150422/228777.html#ixzz3ZBjoRrJd
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炭鉱夫たちのデモが、キエフ政府によるドンバス地域への制裁に起因するものであることがわかる。
イワノフ研究員が述べているように、東だけでなく西ウクライナにおいてでさえ、
反対派の政治家やジャーナリストが逮捕されたり射殺されている。
もちろん、政府ではなく、ネオナチが個人的に粛清したのかもしれないが、
いずれにせよ、キエフ政権が自由と平等を求めた正義の政府ではないことは確かだ。
ところで、さる親キエフ・反ロシア派は、これら抗議を次のように説明している。
「ウクライナの炭鉱業は主に東部の現在粉争地区となっているドンバス地区に多く、
戦争で製品輸送用の鉄道網が分離派によって爆破され、産業に深刻な影響が起こっています。
この東部の炭鉱労働者らが総勢4000人、政府に抗議、陳情のために集結し、
未払い賃金支給を要求し、エネルギー省大臣更迭を求め、政府予算が
国内炭鉱業の促進援助に当てられることを要求しています」
(http://plaza.rakuten.co.jp/mamakuncafe/diary/201504230000/)
驚くべきことに、キエフ政府がドンバスのいくつかの炭鉱を閉山しようとしていること、
それに対する抗議として工夫たちが終結したことが一言も書かれていない。
(キエフ政府による輸送閉鎖も一切、言及なし)
この説明文だけを読めば、東ウクライナ政府に責任があるかのようだ。
この御仁に限ったことではなく、日本の報道では肝心な事実が伏せられている。
イワノフ研究員はウクライナの現状を日本政府が知らないわけがないと言っているが、
少なくとも、私たち日本人のほとんどは全くといっていいほど、無知だと言えよう。