『花粉症』今では万人の知る言葉。
でも、私が子どもの頃はまだそんな病名は一般的に浸透していませんでした。
と言うより、世の中の流行や文明がとてものんびりした速度で伝わってくる、良くも悪くも私が育まれていた所はそんな田舎でした。当然、そこで暮らす人達も、自分が関わっている分野以外には鈍感で、世の情報と言うものが速やかに入り込めない生活環境が当たり前のように存在していました。
その頃私は、空気の澄んだ美しい田園に囲まれた、文明から隔離されたような土地に住みながら、なんと喘息とアトピー性皮膚炎なるものを患っていました。
今でこそ『アトピー』と言う言葉は誰でも耳慣れしていますが、当時(あの地域で)はアレルギー性蕁麻疹と呼ばれ、そのアレルギーの特定も簡単ではなかったと思います。(ある種、原因不明の病)神頼みで治そうとするのさえ当たり前の行動でしたから。(このタイミングで霊感商法の被害に遭われた方々も結構いたと思います。)
それ故、逆に珍しがられて、贅沢病だの都会病だの上品で潔癖な生活をしている人しか罹らないなんていうイメージがあって、日々土にまみれて働く人間には縁の無い病気と、自分側を卑下しながら相手側を皮肉って差別している…、病気の私を抱えた母と、近所の野次馬化した奥さん達の大人同士の会話には、今思うとそんな裏の本音が隠れていたような気がします。
数年経って例の蕁麻疹はアトピーと呼ばれるようになり、このカタカナの洒落た響きがまた、この病気と縁の無い無知な人達におかしなイメージを植え付けました。
『アトピー=食の好き嫌いが多い都会人が罹る病気』
あの時代のああいう地域の大人には、『食べ物を摂ると症状が出る病気』なんて考えられなかったのです。苦しんでいる本人や現在重度の疾患で辛い生活を強いられている患者や家族からしてみたら、とても心無いとんでもない認識です。
そして、今又このような『アレルギー疾患の世界』がさらに勢力を広げました。『花粉症』です。これだって、現在の数に患者が増えるまでは「花粉症?何それ。」だったわけです。
そもそも花粉症しかり、アレルギー疾患はアレルゲン(アレルギーの原因)となるものを体内に摂り込むことによって抗体が出来、その抗体が徐々に体内に貯蓄され、人それぞれが持っている許容範囲(その大きさは千差万別)を超えた時に、様々な不快な症状を発症するのです。(かなり簡単にまとめちゃったよ。)
と、長々とこんな話を書きましたが、ここまでお付き合い頂いた方は、当然私が花粉症だとお思いでしょう。
それが違うんです。小さい頃から体内外にアレルギーを抱え、見渡す限り杉山と言っても過言ではない地域に住みながら、未だ花粉症じゃない。何故?私の許容範囲ってどんだけ?一番不思議に思っているのは本人です。
つまり、世間の皆さんが憎らしくて仕方ない花粉なるものが、私にとってはまだあのような可愛らしいイメージなのです。でも、喜べず、いつ発症するかと戦々恐々です。
もし、発症したら再び花粉を描こうと思います。その時は、あの可愛らしいやつが、目を吊り上げた真っ黒なカビ悪魔のように変貌してるかもしれません。
最近知ったこと。
私が子どもの頃に普通だと思っていた生活は、15歳くらい上の人たちのライフスタイルだったらしい。
プラス、決してお金持ちでもないし、いろんな生き物がわんさかいる一般的な兼業農家でした。(由緒正しい家系図も無いし、開拓移民のようなものです。)
◆私のオリジナルソングを公開しています。(ヘッドホンorイヤホン推奨)◆世界に於ける日本の役割は原発技術を広めることではなく、自然エネルギーの活用技術を広め世界を牽引することじゃないのかと思う。◆イジメとジサツと…イジメがなければその子がジサツしない可能性は?限りなく100%に近いと思う。