子どもの頃、私にとって苔は、カビとそう大差ない存在だった。
触るには相当の勇気が要った。
接写するとナゾの生命体のようです。
先っちょの丸っこいのがパカッと割れて、
何かがワニャワニャ言いながら出てきそうです。
何とも奇妙な姿ですが、よく見るととても美しく、とても惹きつけられます。
ところが私、子どもの頃、カビ、藻、苔の類が大嫌いでした。
生まれた田舎は田んぼや畑が多く、実家は、東は家から15分程離れるだけで
清水があちこちに湧き出ている沢が広がり、西はそこそこ有名な名山を仰ぎ見る
ちょっとした高台にありました。
高台を下れば、雑木林や沼地など入り乱れて出現し、藻や苔も嫌というほど目に付くわけです。
山菜を摘んだり探検をしたり、日々自然と戯れ親しみ、時々好奇心の為せるがまま少々スリリングなことに興じてみたり、多少病弱でしたが親の心配をよそに
自由奔放に過ごしていました。
時に好奇心というものは嫌悪と背中合わせで、怖いもの見たさというのが
それとよく似ていますが、初めに書いた「カビ、藻、苔が大嫌い」の裏側は
まさにそれなのかなあと最近思います。
つまり、「カビ、藻、苔」に対する「嫌悪」と「怖いもの」という観念がどこかで
貼り付いたということです。
そう、思い起こせば、あるじゃないか、忘れかけていたトラウマが…。
子供の頃の経験なので、今思うと大したことじゃないのだけど。
思い出したら笑えてきた。
ま、それほど悲惨なことではないです、むしろ笑い話だなあと…。
そのうち書こうと思います。
一応タイトルをつけてみました。あくまで仮題ですが。
エピソード1 『グリンピースの炊き込みご飯』
エピソード2 『底なし沼の主』
エピソード3 『魔界の入り口?』
番外編 『真夜中のプレゼントには要チュー意!』
子供心にはタイトル通りですが、今思うと「な~んだ」という感じです。
適度な想像と期待でお待ち下さい。