「自分は死刑判決を受けた事件の他に、誰にも話してない3つの殺人に関わっています。そのすべての
首謀者は、自分が"先生"と呼んでいた男です。そいつが娑婆でのうのうと生きているのが許せない。
この話を記事にしてもらい、先生を追い詰めたい」
拘置所の死刑囚から出版社に届いた告発の手紙。
雑誌記者の藤井は死刑囚・須藤と面会を重ね、取材を続けるうちに闇に埋もれた驚くべき事件の真相に迫っていき・・・。
上司の反対も無視し真相を暴こうとのめり込んでいく藤井・・・。
とにかく凄い映画でした。怖かった。これが実話だっていうのがさらに吃驚でした。
冒頭から穏やかでないシーンが。。ピエールさん怖いです。
でも藤井と面会する須藤はとても穏やかな物腰。死刑宣告されて、少しは改心したのかなと思いきや、
藤井が記事に出来ないと言った途端、もの凄いキレよう。
須藤は悪人だけど、人情に熱い部分も持ってるんだ。だから裏切られるとカ~っとなっちゃう人で。
人が良いのか単純なのか、よく裏切られてましたね。
初めはあまり乗り気じゃなかった藤井も、真相がひとつひとつひも解かれていくうちに、これは埋もれさせてはいけない事件だという
正義感が生まれ、どんどんのめり込んでいきます
なんか憑りつかれたみたいな雰囲気です。
家には認知症の母親がいて、妻はお世話に限界を感じ、家庭は崩壊しつつあるというのに。
面会中、ある須藤の話で藤井が突っ込みを入れ笑うシーンがあるんです。
とても笑える内容ではないんですが、なぜがクスっとなってしまいます。
恐ろしいのに何故かクスっとなる場面が多く思えます。
真相が再現される中盤は、おぞましいとしか言いようがありません。
先生と呼ばれてる首謀者の不動産ブローカーのリリーさん登場。
暴力的な須藤と違って、一見穏やかな雰囲気。口調も優しいです。
でも人が痛めつけられ苦しむ表情を見て快楽を感じるような恐ろしい人。
須藤と一緒に焼却炉で死体処理するシーンは、あまりの普通さにゾ~っとしました。
死体をゴミに変えたら、普通におっさん2人がゴミ処分に困ってるような会話だったよね。
ちょっと笑ってしまうんだ~。笑えない場面なのに。笑ってる人もいたけど。
殺人依頼を受けたじいちゃんに酒を飲ませて殺すシーンでも、リリーさんは子供が楽しんでるような感じです。
「そして父になる」とは全く違うって言われてますが、設定が違うだけであのままのような気がする。
だから余計に恐ろしい。
でも殺す方も悪いけど、依頼する家族もね~。どうしようもないと言っても。
凶悪とは程遠いと思われる人間にも、悪の心は潜んでるってことやね。
須藤にも、須藤の妻にも。
キリスト教に入信し生きる実感を感じるようになったと、穏やかな表情で話す須藤に「おまえなんかが
なんで~」と思ってしまう心にも。
正義を貫こうとする藤井と須藤の表情が対照的。
そしてラストの面会室でのリリーさんの言葉。
見てる私たちも同じこと思ってたよね。あえて言葉を言わないのは・・・・。
楽しくないけど、なかなかの映画だったと思います。
ちょっと眠れなくなりそうだけどね。
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事実で多少の脚色があるにしろ、
そしてつい昨日今日も惨い事件が日めくりのように
起きている事実を、これがただの映画で
済ましてしまうことはできないですね・・・。
世の中ここまで荒んでるのかと思わずにいられなかったです。
小説みたいな事件多すぎ。
自分には関係ないと思っていても、何かに巻き込まれた時、誰もが凶悪になりうるのかも。
見終わったあと、いろいろ考えさせられました。
楽しめる映画じゃないけど、見て欲しいですよね。