
津市神納町、納所橋の南詰めに建つ地蔵堂です。
「納所の延命地蔵(のうそのえんめいじぞう)」と呼ばれています。
安濃川南岸のこの地域では、
江戸時代末期に水害で度々子どもたちの命が失われたことから、
川上から流れてきた地蔵さんを川の傍に建てて、
延命地蔵として祀ったという伝承があります。
私が高校生の頃は、木製の祠だった記憶がありますが、
20年ほど前にコンクリート製の御堂に建て替えられたということです。

堂内には大きな石地蔵と小さな石地蔵の2体が祀られていました。
大きいほうが本尊だと思われますが、
石材や彫刻の状態から見ると、江戸時代後期以降の作のように思われます。
川上から流れてきた地蔵さん、というのはもっと小さなもので、
後に新しい地蔵さんを彫らせたのかもしれません。

神納町の町会では、毎年8月24日にこちらの地蔵堂で地蔵盆の祭礼を行っています。
前日に老人会が中心になって、祭礼の飾りつけを行っています。
地蔵盆が終わってから1ヶ月後くらいに、関係者の慰労も兼ねて、
町内会で日帰り旅行に行くのが慣例となっており、
この8月と9月の行事が、町内会の一大イベントとなっているそうです。
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