津市白山町八対野、市立八ツ山小学校の西の道路沿いにあります
「庚申塚」です。
背後の山は、八ツ山神社の森で、
道路から階段を設け、斜面に庚申さんを祀っています。
石で造られた祠に、三面六手の石像が祀られています。
庚申信仰は、道教の影響を受けた民間信仰で、
人間の体内にいるという三尸(さんし)という虫が、
その人が寝ている間に天帝に悪事を報告しに行くのを防ぐため、
庚申の日に夜通し眠らないで、勤行をしたり宴会をしたりする風習です。
夜通し眠らないために、大勢が集まって宴会をするのですが、
それに集まる仲間を「庚申講」と呼びます。
「庚申塚(あるいは庚申塔)」はこの「庚申講」の仲間により
集落内に建立されたものが多いのですが、
明治時代になって、庚申信仰が「邪教」として禁止されたため、慣習が途絶え、
石像だけが残っている例が各地にあります。
こちの庚申さんは、今でも大事に祀られているようです。
津市内では、画像のような阿修羅像を刻んだものが多く見られ、
石に「庚申」と文字を彫っただけの庚申塚も見受けられます。
(八ツ山神社)
踏切を見守る地蔵さん(白山町二本木)
南家城本町の常夜灯(白山町南家城)