津市白山町垣内、集落の入口付近に大きな木があり、
木の下に「山の神」が祀られています。
中央の石の祠に入った石、左の自然石2個には、
「山神」と刻まれていました。
右の自然石の文字は判読できませんでした。
中央の祠の前には、榊(サカキ)が備えられています。
これだけならば、
この地方でよく見られる「山の神さん」だと説明できるところですが、
この横にもう1基、珍しい石がありました。
「奥山大権現」と刻まれた石碑です。
他の「山の神」の石に比べ、新しい年代のもののようです。
奥山権現、正しくは奥山愛宕神社と呼ばれる神社は、
江戸時代初期、藤堂高虎公に従って伊予から移ってきた家臣が、
青山高原の山麓に権現様を祀ったのが始まりとされ、
現在も伊賀市青山町に神社があります。
しかし「山の神」と「権現様」は全く別のものなので、
これが並んでいるのは不思議なことです。
(垣内川)
おそらく冒頭の画像の、現在は道路になっている場所は、
昔は神社の境内地だったのでしょうね。
青山の奥山権現を勧請して、この地でも権現様を信仰していたと。
で、この大木は御神木のひとつであったので、
神社が無くなってしまった後も、
集落の人々が山神の石をここへ移してきて、信仰している、
ということだと思います。
初瀬街道垣内宿~清流と常夜灯のある風景(白山町垣内)
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