(延命地蔵の紙芝居/美里ボランティアガイド会)
津市美里町五百野、
下之郷集会所の前に、大小2つの祠があり、
大きいほうの祠に祀られているのが「延命地蔵」と呼ばれる地蔵さんです。
この地蔵さんは、
江戸時代に、五百野の外山(とやま)の人が江戸で発注し、
牛込(うしごめ)で作られました。
江戸から安濃津の港まで船で運ばれ、港からは外山(とやま)の人らが荷車で運びました。
ところが、荷車が吹上の坂に差しかかったところ、あまりの重さに荷車が壊れてしまいました。
そこで、外山の池村久八(いけむらひさはち)という人が、
地蔵さんを背負い、吹上の坂の上の山にお地蔵さんを運んだそうです。
それから毎年、外山の村で地蔵盆の祭礼を行っていましたが
祭礼に多額の費用が掛かるため、
地蔵さんに田んぼ(山ともいう)をつけて、下之郷の村に譲ることにしました。
地蔵さんは下之郷に移され、現在も下之郷の集落で祀られています。
この地蔵さんは、霊験(れいげん)あらたかと言われ、
第二次世界大戦中、下之郷から出征した若者は
一人も死なずに戦地から帰ってきたことから、
この地蔵さんのことを「延命地蔵」と呼ぶようになりました。
「延命地蔵」さんは、
ふくよかで慈悲深い顔をしておられます。
機会がありましたら、この地蔵さんをご覧になってください。
また、地蔵さんの台座には大きな傷があり、
運ぶ途中に荷車から落ちた時の傷だと言われています。
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