miss pandora

ONE KIND OF LOVE

愛にはいろいろ種類があるの
全部集めて地球になるの

奥野ビルのことなど

2019-12-11 07:49:42 | A●●-PUNKs
四半世紀前くらいに、茅場町の古いビルで吉岡まさみプロデュース(美術家・Steps Gallery オーナー)のアートカクテル展に誘って頂いた。そこで出会った美術家の何人かは、巷房(奥野ビル3階のギャラリー)で個展をしていて、遊びにいくと美味しい葡萄酒をご馳走になったり、オーナーの東崎さんお勧めの銀座の中国料理店で紹興酒を飲んだりしていた。アワビと鶏の胸肉とアボガドのあえ物の前菜を前にして、グラスにきっちりと球体に削られた氷に注がれた紹興酒は、ぴったりだった。
その頃は、小樽の大畠祐さんが日本橋の椿近代画廊で毎年個展をしていて、2週間で400万円くらい売上ていた。椿原さんご夫妻には、すっかりご無沙汰しているが、遊びにいくと奥さまがわざわざ私のために、Macシェイクを買いに行ってくれて、次に行く巷房までの電車乗換の地図をプリントアウトして持たせてくれた。
今回の巷房へは、宇野さんの個展目的で行ったのだけれど、ここでしか表せない得ない素晴らしい展覧会だった。
銀座の奥野ビルは、界隈がいい。向かいにはよく滞在していたモントレー・ラ・スール銀座がある。このホテルの部屋は、北海道の自分の家に似ていて寛げる。義父が亡くなった時にもここにいて、帰らなければいけなくなった時のキャンセル料を無くしてくれた。そしてその先には、いつか泊まってみたい西洋ホテルがあるんだ。

奥野ビル1階のアンティークショップもいい。何がいいかというと、ショップの人の電話の盗み聞きが面白い。前に行った時にはパリへ仕入れに行くのにレンタカーの予約と仕入れの打合せを日本語でしていた。このビルは6階まであって、一昔前の青山同潤会アパートのように思い入れ溢れたギャラリーやお店が静々と入っている。
2階には純画廊という小さなギャラリーがあって、そこの内藤純子さんとは、小樽の話で盛り上る。ここは文学色が強い画廊だ。昨日もそうだった。工藤菊畝さんの詩画の個展をやっていて/、フォーリオ仕立ての英語の詩画集が素敵だった。工藤さんの日本語の詩を彼のお父様が英訳してから、日本語が解らないイギリス人が韻をふんで意訳したそうで、軽快で奥深く思った。工藤さんが日本語も英訳のほうも読み聞かせて下さって恐縮したけれど、ささやきがきちんと聴こえる声とその発音の良さに感動した。

観ることに関してアクティブじゃない私にとって、何年ぶりのボッチ(独り)の銀座は、奥野ビル3階から地下で終わった。よい一日だった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初冬蒼鷺 12月1日 | トップ | 船員さんのためのニット帽のこと »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

A●●-PUNKs」カテゴリの最新記事