みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
構造的に垂直に荷重を受ける柱が重要なのは、みなさんおわかりになっていると
思います。
木造では、間柱というのは、柱よりもっと細い部材で構造的には
荷重を支えていません。
在来工法では、壁の下地などがペコペコしないように存在していると思って下さい。
ですが、2×4工法などのように、筋交いの代わりに構造用面材を採用している
場合は、間柱も地震力に対して重要な働きをしてくれるのです。
2×4工法では、間柱は38ミリの厚さがあり奥行きは89ミリです。
通常の在来木造軸組み工法では、間柱は27ミリ~30ミリです。
関東では27ミリが一般的です。奥行きは105ミリです。
私は、構造用合板のつなぎ目を受ける間柱については45ミリで指定しています。
奥行きは120ミリです。
上の写真では、わかりにくいかもしれませんが、柱の左右で間柱の太さが違うのは
そのためです。つなぎ目は45ミリ指定、その他は27ミリでも30ミリでも
45ミリでも良いよ。としています。
何のためにするのか、全く意味がわからない?
では、少しはわかるように、別の写真で説明しましょう。
▲この写真は以前に私が、一般者向けの有名住宅月刊誌で公開して大反響となった
写真のうちの1枚です。
構造用合板が地震に抵抗してくれるのは、2×4工法も木造軸組み工法も
これを留める釘のせん断力で地震の水平力に抵抗してくれるのです。
わかりやすく言えば、「釘が命!!」です。
その釘を留めているのが、裏にある柱や間柱なのです。
上記のような釘の留め方で、これらの釘は地震に抵抗してくれると思いますか?
一方、裏側を観てみましょう!
▲釘で打ったはずが、間柱からたくさん外れていますね。
これは、よくあるのですが、指摘する人は第三者の検査員でもいない。
細い間柱に機械で打ちますから、外から打つと連続してはずれてしまう
ことも多いのです。
また、釘が外れていなくても、ギリギリでは力を充分には発揮できません。
少しくらいなら強度にあまり関係ないでしょうが、多くなるとどうでしょう?
また少しでも少ない方が良いですよね。
こういう現状を知っていますから、ミタス一級建築士事務所では、
構造用合板の継ぎ目部分の間柱は、45ミリの厚さとしているのです。
また、以前の上棟写真でお見せしたように
ミタス一級建築士事務所の設計で、柱が多い理由は、
上からの荷重をスムーズに基礎に伝えるためはもちろん、
大地震時に柱と梁の接合部分が破断するのを守るためです。
(いずれ、説明するときがくるでしょう)
この2つ以外にも、構造用合板をしっかり留めて、大地震に抵抗してもらうためなのです。
30ミリや38ミリでは、釘がしっかり止まっていないことが多いです。
最低45ミリとします。120ミリの柱の方がもっとしっかりしていますね。
重要な部分には、そのためだけに柱を配置するのです。
こういったことを考えて、通常は間柱で良い部分を柱に変更しているので
柱がかなり多くなっているのです。
同じ坪数や大きさでも当然価格は高くなりますが、
うわべではない、本当に高品質な住宅を目指しています。
こういう目に見えない部分の考え方に、
造る側の考え方と全く異なる部分が生じた設計になっていることが、
ミタス一級建築士事務所では多いのです。
設計事務所に頼んで、どんなに見映えの良い設計をしてくれても、
監理にも力を入れないと、また、こういったことを知っていない監理者では、
本当に高品質な住宅は完成しないと考えています。
他の設計事務所との一番の違いは、こういった考え方でしょう。
新築や住宅リフォームを考える前に観る
ALL contentsCopyright R 2008 mitasu