一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

明日、参拝予定…

2009年01月10日 17時51分53秒 | 建築家の日記
▲数百年前の建物をそのままホテルに改装…
フィレンツエでは、古い昔の建物を改装して使用するホテルばかりでした。


▲最初の写真は、ストロボを使用したので明るいのですが、
実際はこの写真よりもっと暗く、ゆっくりとしか歩けないくらいでした。
西洋人は、東洋人と眼光が違って光に敏感なのでしょうね。




みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

年末年始の休暇の後、世の中は3連休ですね。
明日の1月11日は、私も正月に諦めた箱根神社に午前中は参拝に行ってくるつもりです。

チェーンは無いので、路面凍結が心配ですが…。

先日、公共の建物で集成材をメインに使った建物が15年で解体しなければならない
状態になったため、それを設計した設計事務所が訴えられたという内容が業界雑誌に
掲載されていました。

構造用集成材を使えば確かに見栄えも良いですが、結露や漏水など
水に弱い集成材を大丈夫だと誰かに言われたのでしょうか、

これを使って、それらの対策を考えずに設計してしまったことに
設計者として問題や責任があると指摘されれば、全くその通りです。

知識や経験が無いのにデザインを優先してしまう考え方はあらためるべきでしょう。


こういう公共の建物であれば、集成材メーカーや工事業者も助言をしてあげれば
良かったのに…と残念に思います。

集成材を過信することの危険性に早く気付くべきです。

設計を行う建築士は、メーカーのいうことを完全に信用してはいけません。
自身の経験と知識で、疑問があれば解消するまで設計に採用すべきではありません。

従来であれば、工事を行った業者が訴えられるのが一般的でしたが、
姉歯さんの事件以来、建築士や設計事務所への風当たりが強くなっています。

設計者の責任を明確にするということで、ある面は良いことでありますが、

欧米のように設計に対する権威や権利、報酬が全く伴っていないまま
義務と責任ばかりがどんどん押し付けられている日本の現状に、

建築士や建築家を目指す若者がいなくなって
いくのではないかという不安を感じます。

また、低報酬のまま理不尽な文句を言われながら、
ハウスメーカーや工務店、建売業者の下請けを続けないと生きていけない
多くの建築士や設計事務所の現状を悲しく思います。


視察したカナダでは、設計者と工事業者は、
それぞれ専任の独立した組織でなければならず、

100%義務付けられた工事中の検査も、日本の第三者検査とは比べものに
ならないくらい厳しく権限をもっていました。

欧米では建築家に対する権限は責任とセットになっていますし、
設計に対する報酬も正当に評価されています。


日本では、建築確認制度を発足させ、その種類や申請をさせるために建築士制度を
設けたのが、スタートです。

講習会を受ければ、当時は大工さんでも建築士の資格を簡単に取得できました。

高度成長でどんどん家を建てないといけませんから、その書類を作成する建築士の
人数が工事業者側にたくさん必要だったのです。


その流れで、建築士は工事業者のために建築確認申請を作成するのが
重要な仕事という業界内での位置付けができ、

一般の方からみた一級建築士のイメージと現実は異なって、

工事業者から仕事をもらって生活している下請け一級建築士事務所と
実情は工事業者と一体となった一級建築士事務所が、

日本には、たくさん存在して大勢を占めているのが現状です。


住まい手や建て主から直接、
設計の仕事をもらって生計を立てている設計事務所でも、
見栄えを最優先で狙って意匠面だけに走って設計してしまい、

冒頭のような、問題のある建物を設計してしまうことは
有名建築家や設計事務所でも珍しいとはいえません。


住まい手や建て主のために、

構造も快適性も耐久性も同時に兼ね備えた建物の前提の中で意匠を追求していく、


そういう設計事務所が日本でも正当に評価され、

建築家に憧れたり、建築家を目指す子供達が増えること、

ミタス一級建築士事務所の施主が心から喜んで頂ける住宅の

設計と監理を行って完成させることができることを願って、

明日は箱根神社に参拝してこようと思います。




横浜市 住宅 一級建築士事務所  

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コメント (1)
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