一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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住宅の断熱性と快適性を考える(7)

2018年04月17日 15時37分37秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲ 高い天井であっても天井扇を付けると違いがわかります


前回 住宅の断熱性と快適性を考える(6)の続きです。

前回は、輻射熱についてお話ししました。

これを遮熱するだけでなく利用することも大切、
そして蓄熱についてもお話ししました。

住宅の快適性は単純にUA値比較で決まるのではなく、
こういったことを考えて内装や外装を考えると良いでしょう。

今回は、対流についてのお話です。簡単にいえば、風ですね。
熱の移動は、熱伝導、輻射、対流の3つで起こると定義されています。

同じ温度と湿度であっても、全く空気が動かない場合と、微風、風が吹いている
という状態では、体感が異なります。

冷暖房を点けるほどではないけど、少し暑いという場合には
微風があるだけでしのげてしまいます。

また、冬でも少し対流があると上下の温度差が緩和されます。

これらを住宅で利用する具体的な方法は、

風の通りを考えることと天井扇などを使って、対流を起こすことです。



▲▼いずれも天井扇を付けています



窓の位置関係は、南北の風通しとか上下方向の風の抜けは、流れやすく有効です。

例えば、地下室のから階段を通って、1階、2階、そしてロフトのトップライトへと
抜ける風などは、上下差がたくさんありますので、外は無風でも風が通ります。

現在は、新築には24時間換気扇がありますので、その風の動きを考えることも有効ですが、
これは、どちらかというと汚れた空気や湿った空気、臭いを放出することを優先させます。

スタッフと驚いたことがあります。

木造2階建てで、都内23区にお住まいの方から
6年くらい経って、お聞きしたのですが

「清水先生に設計していただいた家は大事に使わせてもらって
住み心地も良く、大変気に入っています。

特に夏の断熱効果は抜群で、二人で過ごす分には冷房をつける必要が
一夏に数回ある程度です。メンテもほとんど手がかからず、」

とメールをいただいたからです。
毎年やり取りはしていましたが、これは初めて聞きました。

冬に僅かな暖房で温かいというのは、他の方からも何度もお聞きしていましたが

「毎年猛暑が続く夏の東京23区で、そんなことがあるのか?」とスタッフと驚きました。

これは、2階リビングということもありますし、風の通りが無ければ無理です。
もちろん、天井扇は付けています。

小さくても窓は上下方向に抜ける道を、
南北または東西と抜ける道をということも考えましょう。

次回に続きます。



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ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

注文住宅 横浜市

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