一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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高気密高断熱についてのご質問

2014年06月04日 11時05分30秒 | 住宅ノウハウ・実例

▲断熱材を隙間なく吹き付けたあと、
防湿工事を行いチェックします 



メールで質問がきました。
返信しましたが、なぜか到着していないようなのと

重要な考え方なのでブログでも公開いたします。


  <ご質問> 

このたび、条件の良い土地を購入し、住宅の建設を計画しています。
御社のホームページを拝見させて頂きコンセプト共感致しました。

詳しくお話をさせて頂きたいと考えているのですが、まずは私どもの考えと、
御社のこだわりが一致しているのかを伺いたく、問い合わせいたしました。

窓を開けて気持ちが良い家。木のぬくもりが感じられる家。
これが基本テーマなのですが、窓を閉めた時の冷暖房効率が良さも気になります。

流行りの高気密高断熱でVOC一杯な家は避けたいものの、自然素材だけの断熱
にも効果に不安を感じています。(極端な新建材への拒否感はありません)

璧内・屋根に通気層を作り断熱の補助とした上で、自然素材で断熱するような仕様
も見受けられますが、気密性はいかがなものなのでしょう。隙間風など入って
こないのでしょうか。

気密・断熱に対する御社の考え方をお聞かせ願えないでしょうか。



  <回答> 

高断熱は、意図して行っています。
快適な住宅には高い断熱性能は必要だと思っております。

気密に関してですが、ミタス一級建築士事務所の造りかたですと
自然に、いわゆる高気密になってしまいます。

断熱性をあげればあげるほど、壁体内結露の問題が生じます。

それをふさぐために、外壁と屋根の通気だけでなく、
防湿工事を行います。この防湿工事を正しく行うと高気密に
ならざるを得ません。

日本ではなく、カナダや北欧住宅の
断熱性能をあげた場合の対応や考えたかを学んで、良しとしています。

なぜ高気密になるかというと、水蒸気は空気の分子よりも
はるかに小さいのです。

その侵入をふさぐために防湿工事をさせるので
自然に高気密になります。

但し、それを誇りつもりはありませんので、一時的な気密の数字を
あげるために、隙をシーリング材工事で埋めて数値をあげるつもりはありません。

あくまで長期にわたって性能を確保するための気密工事を行います。

24時間換気は作動していますが、それ以外からの隙間風は、
当然入りません。

費用と手間が掛かるので普段測定はしていませんが、
C値で1.0以下は、私も職人も当然だと思っています。


ミタス一級建築士事務所の標準的な工事では
仕上げ材と構造材には、自然材料を使いますが、

下地には強度を考えて合板も使いますし

断熱材も発泡系で自然材料ではありません。
コストや性能面を考えて、通常はその仕様です。

普段お使い頂いている、無垢材の厚い床板に自然塗料のものでは
夏や梅雨時に素足で歩いても気持ちが良いですし、
床暖は無くても大丈夫という方が多いです。


設計時の断熱性能を数値であらわすQ値は、
住宅の断熱性能を正しく表していませんので
以前から、意味がないと私は言っています。


同じ数値化するなら、最近使われだしたUA値の方が、
より正しくあわわしているので、それで計算すると
0.6くらいになっています。

設計で数値をあげるのは設計するだけで良いので簡単ですが、

机上の計算だけでなく、実際の建物の性能をあげるには
正しく、細かい部分まで注意をして工事させることが必要です。

一流のハウスメーカーでもそれができていない現場が
ほとんどなので、ミタス一級建築士事務所が、手間暇掛けて
現場の監理に力を入れてこだわっている理由がそこにあります。

本当に高品質な住宅を実現するには
設計だけでなく、監理に現状の何十倍も手間を掛けないと
日本では、実際には実現しません。

サッシをさらに高性能にして、もっと断熱性能値をあげることは
もちろん可能ですが、予算と意匠との兼ね合いと、ご希望によります。

数値からいたしますと、いわゆる高気密断熱ですが
ハウスメーカーや建売のような新築時の息苦しさや、
変なにおいは、もちろんありません。

お時間のございますときに
事務所にお越し下されば、工事中の写真や
高気密になってしまう防湿工事、

こだわって監理しなければ実現できない理由も
写真でお見せできます。


もし、土地をまだ契約していないのであれば
土地の事前確認や契約時のアドバイスもさせて頂いております。

お気軽にお問い合わせ下さい。





断熱工事を隙間なく行ったあと、
防湿フィルムで、正しく工事を行います。

重ね、破れなども確認して補修が必要な場合は
それを指摘し、完了を確認します。












防湿工事は空気よりはるかに小さい分子の水蒸気を
想定しています。

コーキングでごまかすのではなく、
防湿フィルムでしっかりと防湿工事を行うので
自然に、長期に渡って高気密を維持することになってしまいます。


……………………………………………………………………………

ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

注文住宅の実例紹介

横浜市 一級建築士事務所



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