一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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無垢材と床暖の注意点

2012年01月24日 09時45分24秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲この同じような床材 3つの違いは?


先日の建築条件付の注意点 を読まれて
床材と床暖について、質問がありました。


無垢の床材を選んで、床暖を使用するのであれば
問題は少なくなります。

そのときの注意点は、2つあります。

1. 床暖対応の無垢の床材を使わないと反りや隙、床鳴りが大きくなる

2. 工事方法を間違えるとシックハウス面で、意味がなくなる

ということです。



一番上の最初の写真を観て下さい。

いずれも節のある3センチの厚みの無垢材です。

右端は、いくつかの自然塗装を私が試しに塗ったもので
左端と同じ赤松の無垢材です。

真ん中が、見た目は変わりませんが、パイン材です。


ミタス一級建築士事務所では、赤松の材料を指定の木材屋さんに
頼んで、運搬費を払って仕入れてもらっています。

真ん中のパイン材は、それでは高くなるので
もっと安いものということで代替品として
業者からサンプル提案があったものです。

私は、すぐにノーと言いました。


短い長さですが、テーブルの上に置くと
指定の両端の木は、反りが無いため、動かないのですが

真ん中のパイン材は、この短さでもカタカタするのです。(^^)ゞ


ミタス一級建築士事務所が、指定している無垢材は
含水率を10%以下まで下げてから、製品の加工をしてる商品なので
反りが、非常に少ないのです。


一方、見た目と厚さは同じでも、
真ん中のパイン材は、そういう乾燥をさせてから加工していないので

加工後の乾燥につれて、材が変形してきます。

こういう無垢材を、間違った工事方法で工事すると
床鳴りが、さらに激しくなりますし、
正しく張っても問題は解消しにくいです。

その結果、多くのハウスメーカー始め工務店はどうするかというと
さらに悪い方向へと手を打ってしまいます。


 

▲上の木材が、ミタス一級建築士事務所が指定した木材で樹齢300年程度です。
下の木材が、似たような一般品です。写真では、わかりにくいでしょうが、
年輪の緻密さの違いは、わかりますかね?



▲木材サンプルは、棚に入りきらないほど、事務所にありますが、
無垢材で床暖の場合、床暖対応品を選んだ方が、反りや隙、床鳴りは少なくなります。
節無しや色も豊富にあります。





写真の3枚目にコメントしたように、
できれば床暖対応の無垢材を選びましょう。

選択肢の中には、節のない無垢材もたくさんありますし、
濃い色が最初から着いた木材もあります。

問題は、床暖対応品は、価格が高くなります。



2つ目の注意点ですが、現在の床材の一般的な工事方法は、
接着剤で床材を固定してしまいます。

合板の床材でもそうです。これは、建て主から床鳴りの
クレームを受けたくないから、接着剤で固めてしまうのです。

多くのハウスメーカーや工務店がそうだと思ってください。


無垢材にしても同じです。
そうすると、床暖を使用すると

その接着剤から、揮発性物質が出てきます。
合板ですと、それに加えて合板フローリングからも出ます。

無垢材でも、接着剤から出てくるのです。


接着剤は、

「Fのフォースターを使っているから大丈夫です。」
「ノンホルマリンです。」

という話が出てくると思いますが、

床材を留める接着剤には、様々な揮発性物質が含まれています。

ホルマリンやトルエン、キシレンといった代表的なもの以外に
揮発性物質というのは、少なくとも数百種以上あるとのことです。
数千種類という人もいますが、ここではどちらでも同じでしょう。


現実に、そういう新築の家は、揮発性物質の臭いが、プンプンします。

ミタス一級建築士事務所の仕様の家は、床材の塗料である植物油の臭いがしますが
揮発性物質の臭いは、システムキッチンなどメーカー品以外のものからは
しません。



そこで、大切な工事方法ですが、誤解を恐れずひとことで言えば
接着剤を使わずに釘だけで工事をしてもらいます。

この工事方法には、もっと細かい注意事項がありますが、
以前、ブログでも何度か写真を付けて簡単に紹介していますので、
省略します。


どこだったか、見つけたら、このページに
リンクを張るようにしますね。



……………………………………………………………………………

ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

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