MOBU'S MUSIC MAZE

音楽のこと好きなことなどよしなにほどほどに・・・

2時間で振り返る、ショパン国際ピアノコンクール NHK BS

2022-01-23 21:30:53 | 音楽夜話(クラシック)
2時間で振り返る、ショパン国際ピアノコンクール NHK BS



CAST
海老彰子(ピアニスト) 平野啓一郎(作家) 高坂はる香(音楽ライター)
吉田真人アナ 林田理沙アナ






平野啓一郎押しの演奏:ブルース・リウ(第1位) 


①練習曲イ短調 25-4
解像度の上がったデジタル的演奏。
ポリーニのエチュードから半世紀、進歩した演奏。


平野氏はポリーニ・ツィメルマン・アルゲリッチ世代。今の感性とは
少し違うかもしれないけど、なかなかいいとこついていると思う。


②練習曲嬰ト短調 作品25-6 聴き比べ


脱力して弾けるか指の動き手首の使い方がカギ。
ピアニストの場合、自分で弾けない曲は書かないと思うが、
チャレンジでの、曲は書くのかもしれない。ショパンは
そのような曲を書いているのかもしれないけれど。


・キム・スヨン(韓国)
・JJジュン・リ・ブィ(カナダ)
練習の成果とはいうものの、きっとハードなんだろうな。




③練習曲ハ長調 作品10-1 聴き比べ
長いアルペジオをどのように弾きこなすか。
親指の使い方、右腕の脱力左手の使い方が肝。
確かに華やかで、弾きぶりのいい曲で選んでいる
コンテスタントも多かったようだ。上手く弾けたら
かっこいいよな。なかなかそうもいかないところが
ショパンなのだろうけれど。




・シモン・ネーリング(ポーランド)
・今井理子(日本)
・京増 修史(日本)
・ウー・ユチョン(中国)


吉田 真人アナ押しの演奏 
④練習曲イ短調 作品25-11「こがらし」
エヴァ・ゲヴォルギアン(ロシア・アルメニア)(ファイナリスト) 
見せつけのテクでない演奏。これからどんな
演奏家になっていくのか・・・。


10代のロシアのピアニスト。ロシアンピアにズムなのかも
しれないけど、どういう練習をしたら、このようなピアニストが
出来上がっていくのだろうか。わかりしれぬ世界だな。


◆2次予選 ポロネーズ。


ポーランド自体を音楽で表現する。


⑤ポロネーズ編イ長調作品53「英雄」 冒頭部分聴き比べ


・角野 隼斗 (日本)
・マルティン・ガルシア・ガルシア第3位(スペイン)
・レオノーラ・アルメリーニ第5位(イタリア)
・シュエホン・チェン(中国)


高坂はる香の押しの演奏
・ニコライ・ホジャイノフ(ロシア)自筆譜研究音量について気づく。


中間部、連打のところ
・ニコライ・ホジャイノフ(ロシア)
・アンジェイ・ヴィルチンスキー(ポーランド)
・マルティン・ガルシア・ガルシア(スペイン)
・角野 隼人(日本)


ショパン自身は、大きい音で演奏することに疑問が
あったようだが、楽曲ののポテンシャルに
合わせた現代のピアノ演奏もあるのではないか。
という意見。解釈の多様性。
説得力のある演奏であればいいのではないか。という意見。


選択者の多かった曲。
⑥アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ
・JJジュン・リ・ブイ(カナダ)第6位
聴きごたえある曲だけど、華やかでいい曲だと思う。




◆選定楽器 ヤマハ カワイ スタインウェイ2台 ファツィオリ
弾きやすさ キャラクターが近いもの 遠いもの。
パートナーとして選ぶ。15分で選ぶ。なかなかパートナー選びは
難しい。癖もありそうだし。スタインウェイはいろいろなホールに
常設しているし、ファットで包み込むような聞き覚えのあるサウンド。
ヤマハはビールでいえば、スーパー・ドライみたいなすっきりくっきり
したような音像。ホールで直接聞いたらどういう音なのかな。
kawaiも独特な感じでカワイサウンドを表出している。
ファツィオリも固い感じの音だけれど、ヤマハやカワイとはまた違う
感じで、甲乙つけがたい。スタインウェイとは方向性もちがうけれど、
立派な音を出してくる。
カワイやファツィオリは弾く人を選ぶかも。
ピアノは弾いてるうちに音も変わるとか。

ファツィオリ。ファイナルに進出。楽器の影響はあるのか。
深みのある明るいイメージ。深みのある楽器。とか、海老さんは
申している。実際会場で生音聴くと違うのだろうな。


ファツィオリとマルティン・ガルシア・ガルシア(イタリア)第3位
⑦華麗なる円舞曲作品 変イ長調作品34-1


◆日本人のショパンコンクール。


1955年第10位 田中希代子 マズルカ作品17-4
1965年第 4位 中村紘子  ピアノ協奏曲第一番ホ短調
1970年第 2位 内田光子  練習曲イ短調 作品10-2
1980年第 5位 海老 彰子 練習曲嬰ト短調 作品25-6




林田理沙アナ押しの演奏
⑧進藤実優 (セミファイナリスト) バラード 第一番
曲に入れ込んでいるところがいいと思う。自分なりのショパンを
演出している。これはこれでありなのではないかと思っていたが、
コンクールだと結果がちがうのだな。


⑨古海行子 (セミファイナリスト)舟歌 嬰ヘ長調 作品60
この舟歌も好きだった。


⑩角野隼斗 (セミファイナリスト)マズルカ風ロンド 作品5
角野さんはなぜこのコンクールに出ようと思ったのか、ちょっと
理解できなかったところがある。


◆珍しい曲を選曲したコンテスタント。


⑪ニコライ・ホジャイノフ (セミファイナリスト)フーガイ短調
 遺作(ロシア)
 
⑫反田 恭平 (第2位) ラルゴ「神よポーランドを守り給え」変ホ長調 (日本)
コンクールというチャレンジにとことん付き合った人なのではないかと思う。
色々細かい作戦を立ててそれが実現するように動いている。将来指揮も
やりたいとのこと。いい勉強になっているはず。


⑬ゲオルギス・オスキンス ポロネーズ編ロ長調 作品 71-2 (ラトヴィア) 
彼はコンテスタントでなく芸術家。聴衆に伝わる演奏をしている。
彼がコンクールに出る意味は何か。個人的にはグールドっぽくて好き。


◆ショパンらしさの変遷
変わってきたらしさ。以前の考え方より、今の方が
らしさに対する捉えが広がってきた。


海老彰子押しの演奏
⑭ブルース・リゥ(第1位) 
モーツァルトの歌劇「ドンジョバンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲(カナダ)
技術的には問題ない、自分の演奏を聴衆に差し出せる名演だと思う。(海老彰子)
1次から3次まで審査員がもろ手を挙げて得点している。
そんなに完璧なショパンなのか。演奏は素晴らしいと思うが、
個人的には、感心するけど感動しないタイプかもしれない。難しいな。




◆ショパンと祖国
⑮ 練習曲ハ短調 作品10-12「革命」 牛田智大 (日本)
⑯ スケルツォ 第一番 ロ短調 作品20 
アンジェイ・ヴィルチンスキー(セミファイナリスト)(ポーランド)
   11月蜂起の頃の作品
⑰  マズルカ 嬰ハ短調 作品30-4 ヤクブ・クシュリク(第4位)(ポーランド)
ポーランドのショパン弾きも頑張っているが、他と比べると地味に映ることが多い。実力派はいるけれど、それと売れるキャラとは違うのだろうな。


◆3次予選


聴衆とコンテスタントの距離。近くなる。


17歳の活躍。
JJジュン・リ・ブィ第6位 (カナダ)
エヴァ・ゲヴォルギアン(ファイナリスト)(ロシア・アルメニア)オーラがある。
ハオ・ラオ(ファイナリスト)(中国)


今後が楽しみ。今、賞取れなくても今後があるような気がする。




⑱マズルカ イ短調 作品17‐4 
エヴァ・ゲヴォルギアン(ファイナリスト)(ロシア・アルメニア)
⑲マズルカ ハ長調 作品24-2 JJジュン・リ・ブイ 第6位 (カナダ)
⑳ポロネーズ 変イ長調 作品53 「革命」ハオ・ラオ (ファイナリスト)(中国) 


◆ソナタか24の前奏曲集からか選曲・


㉑24の前奏曲 作品28より  第20曲 嬰ハ短調 小林 愛実(第4位)(日本)
㉒               第21曲 変ロ長調 小林 愛実(第4位)(日本)
㉓ピアノソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」
 アレクサンダー・ガジェヴ(第2位ソナタ賞)(イタリア・スロベニア)


小林さんの24の前奏曲集は入れ込んでいて、そこまで必要かと思うほど
攻めた演奏の様に思った。評価は良かったようだ。
それが許されたコンクールだったようだ。
アルゲリッチが審査員でいたらどのような得点を付けたか見てみたいものだったけれど。




新しいショパンの模索 21世紀。


ファイナリスト コンチェルト演奏。


㉔ ピアノ協奏曲第2番 へ短調作品21 第2楽章より 
  マルティン・ガルシア・ガルシア 第3位(スペイン)
㉕ ピアノ協奏曲第1番 ホ短調作品11 終楽章より 
   ブルース・リウ 第1位(カナダ)


ガルシア・ガルシアは陽性の感じで、個人的には好きなピアニストだった。
マリオとルイージみたいな感じで、やったれ!!みたいな気迫がよかった。
ブルース・リウは今後の活躍を見守ろう。

コメントを投稿