MOBU'S MUSIC MAZE

音楽のこと好きなことなどよしなにほどほどに・・・

ベスト・オブ・クラシック選▽アリス・紗良・オット ピアノ・リサイタル

2020-04-29 00:41:28 | 音楽夜話(クラシック)

ベスト・オブ・クラシック選▽アリス・紗良・オット ピアノ・リサイタル
田中奈緒子

ナイトフォール・たそがれ・オーマガトキ。
二面性光と闇を探る冒険の世界。

「逢魔が時」を旅するコンサート。ストーリがあり、
ストーリー・テラーは彼女だった。そのイメージの中で
聴衆はどのように遊べるか、楽しめるか・・・。
旅は始まった。


アリス紗良オット女史のコンサートは一度聴きたいと思った。
彼女が多発性硬化症の病気に見舞われる前の演奏。
翌年の2月にカミングアウトした。

その後は、体調も管理して、コンサート活動もされている
みたいだけれど、それ以前、「ナイト・フォール」と名打った
コンサート・ツァーを来日公演でしている。
その一環のツァーでの収録。

ドビュッシーはよく聞かれる組曲だし、彼女の選んだ
光と闇の光の部分に相当するのか、きっと、ドビュッシーの
曲に光を見出したのかもしれない。

透明感のある繊細な表現が伝わってくる。ポッと出のピアニストでは
表現できない領域のものかもしれない。センスというか、彼女の持ち分に
そういうものがあるのかもしれない。

ストーリー・テラーの彼女としても、聴き手をその世界にうまく
誘導することを主眼に置いているはずだ。

ショパン。何かいつも聴いているような曲集なのだけれど、やはり伝わる。
熱い。何か彼女の中のショパンのイメージが表に出てくる。いい悪いではない。
彼女のショパンなのだ。好き嫌い的な尺度かな。個人的には好きなショパン。

後半の、ドビュッシーの「夢」から入り、サティーで夜に向かっていくのか、
闇の部分が拡大していく。だんだん暗くなっていく。その中で手探り。
最後のラヴェルは通して聴いたことがない。もうタイトルがだめだ。
なんだか怖くてその世界に入っていけない。

彼女の演奏で初めて通して聴いた。ムソルグスキーの「はげ山の一夜」
とか、「展覧会の絵」に出てくるようなイメージでない。もっと「ピュア」で
「シリアス」なイメージ。怖いことに変わりはなかった。闇は明けるのだろうか。

とても技巧的な曲なのだろうけれど、それに自分の思いをのせて表現することの
難しさと責任。それを果たせることがプロの演奏家なのかもしれないが、彼女は
それができていると感じた。料金を払って聴きに来てくれた人に、きちんと
作曲家の作品と向き合って、ストーリー・テラーとしての役目を果たした。

終演後は歓声も飛んでいる。

闇のままでは終われない。

最後の「なき王女のためのパヴァーヌ」は、旅の終わりのゴールのように響いた。
その意味では、病気に負けないで活動してほしい演奏家の一人。

前半
「ベルガマスク組曲から 前奏曲」 ドビュッシー作曲
(4分16秒)
「ベルガマスク組曲から メヌエット」 ドビュッシー作曲
(4分19秒)
「ベルガマスク組曲から 月の光」 ドビュッシー作曲
(4分46秒)
「ベルガマスク組曲から パスピエ」 ドビュッシー作曲
(3分38秒)


「ノクターン変ロ短調 作品9第1」 ショパン作曲
(5分40秒)
「ノクターン変ホ長調 作品9第2」 ショパン作曲
(3分41秒)
「ノクターンハ短調 作品48第1」 ショパン作曲
(7分32秒)
「バラード第1番ト短調 作品23」 ショパン作曲
(9分40秒)

後半
「夢」 ドビュッシー作曲
(4分43秒)
「グノシエンヌ第1番」 サティー作曲
(4分16秒)
「ジムノペディ第1番」 サティー作曲
(3分20秒)
「グノシエンヌ第3番」 サティー作曲
(2分58秒)
「夜のガスパールから 水の精」 ラヴェル作曲
(6分27秒)
「夜のガスパールから 絞首台」 ラヴェル作曲
(8分05秒)
「夜のガスパールから スカルボ」 ラヴェル作曲
(9分36秒)


「亡き王女のためのパヴァーヌ」 ラヴェル作曲
(6分50秒)

~東京オペラシティコンサートホールで収録~
(2018年9月27日)

参考音源
アリス・紗良・オット Alice-Sara Ott / ピアノ・リサイタル
https://www.youtube.com/watch?v=CHzk3Sd6a1Y

Ravel "Ondine" by Alice Sara Ott
https://www.youtube.com/watch?v=Kwxm6uoU-B4&list=RDidcZTUwKop8&index=5
Ravel "Le gibet" by Alice Sara Ott
https://www.youtube.com/watch?v=r-Cz8MOxaVc
Ravel "Scarbo" by Alice Sara Ott
https://www.youtube.com/watch?v=idcZTUwKop8

Alice Sara Ott - Debussy: Suite bergamasque, L. 75 - 3. Clair de lune
https://www.youtube.com/watch?v=iIwMIzCqd84&feature=youtu.be

アリス=紗良・オット インタビュー~光と闇の溶け合う時間、ナイトフォールの旅への誘い
http://www.billboard-japan.com/special/detail/2380

ナイトフォール(アルバム)
【収録情報】
ドビュッシー:
● 夢想
● ベルガマスク組曲(前奏曲/メヌエット/月の光/パスピエ)

サティ:
● グノシエンヌ第1番
● ジムノペディ第1番
● グノシエンヌ第3番

ラヴェル:
● 夜のガスパール(オンディーヌ/絞首台/スカルボ)
● 亡き王女のためのパヴァーヌ

 アリス=紗良・オット(ピアノ)

 録音時期:2018年3月
 録音場所:ベルリン
発売日 : 2018年08月24日

べートーヴェンのピアノソナタ「田園」

2020-04-28 18:52:56 | 音楽夜話(クラシック)
Beethoven Piano Sonata No. 15 in D major Op. 28


通称「田園」といわれる。1楽章のゆったり奏される主題は、
田園風景やそれをイメージさせる何かが入っている。
つかみはいいですね。何か田園風景のイメージを思わせる。

ご本人がタイトルをつけたわけでもなく、第三者がつけた
ものの、ある意味それで通るだけのインパクトがあったわけで
作品のもつイメージはかなりなものと思われる。

このところ繰り返して聴いている。20分強のものだけど、
4楽章構成である意味ボリュームはある。
ベートーヴェンがピアニストであったこともあり、技巧的に
難しいと思われるところもあるのかもしれない。

譜面を乗せて演奏をアップしているような動画もあり、
難しいものは限りなく難しいのであろうが、細かい音譜が
続いているところなど、門外漢の自分は、どうしてこのようなものが
弾けるのか、日々の鍛錬は欠かせないのだろうなと単純に思ったり
するわけです。

シンフォ二ーの「田園」とは違う、各楽章にタイトルがついているわけでも
ないので、勝手に想像して聴いてるだけですが、ベートーヴェンはやはり
凄い人なのではないかと思います。

Ludwig van Beethoven, Piano Sonata Op. 28 (Pastorale), Murray Perahia
https://www.youtube.com/watch?v=f3sPi2kVIQE

ポール・ウイナーズ。

2020-04-28 14:45:20 | 音楽夜話(ジャズ)
ポール・ウイナーズ。

野球でいえばベストナインみたいなもので
ジャズのオールスターみたいな選手集めて
演奏する。悪いわけがないという寸法で。
プレイヤーも大人同士な感じで、接近戦は
あるけれどうまく昇華させている。
当時のジャズナンバーからスタンダードから
上手く料理されてる。

バーニー・ケッセルのギターは、ピアノ代わりに
コードの上にメロディーを乗せていくという
簡単なようで、実に難しい技を、至極簡単に
聞かせてしまうが、どのようにしてその様な
和音に旋律のせられるかな。運指は大丈夫
なのか気使ってしまうが、そこはプロだ。
問題ない。

レイのベース音もいつものように太く、
隙あらばうまい具合にウォーキングベースを
はさむ。マンのブラシも快適だ。
このようなアルバムの出来が悪いわけない。
続編も出ているけれど、まずはこの1枚から
スタート。コンポラ(コンテンポラリー・
レーベル)の音もGOOD JOBです。

The Poll Winners ‎/ The Poll Winners
https://www.youtube.com/watch?v=gw9hi7fEb5I

パスタが・・・。

2020-04-28 14:34:45 | 旅は道連れ世は情け
パスタが・・・。


食べたい。

独身時代から長きにわたって色々作ったり食べてきたし、
これからも食べるとおもうけれど、スーパーの棚に乾麺がない・・・。

今は少ないけど日本のメーカー品が並んでいるからいいけれども
輸入品で割安なものは業務スーパーからドラッグストアから、
近隣の店舗からは消えていて、仕入先入荷未定とまである。

手じかに買えるパスタを手に取ってかごに入れたりする。
リングイネを使って、平打ち麺で食べたいとかあっても、
以前は生めんまでおいてあったりしたスペースも、今は
違うものが置いてある。

贅沢は・・・とか、ほしがりません・・・・とか、
親や祖父母の世代が、時折使っていた用語で、死語になって
いたけれど、ふと最近思い出すのだ。

有機小麦を使ったリングイネの乾麺を手にした。これきりと
かごに入れた。
 
パスタ・ソースも手軽なパック入りが店頭にない。これもおうち
イタリアンが増えたのか、入荷もまばら。

うちでは、トマトつぶしたり簡単なソースは作ってしまうので、
あまりその手のソースには至らないのだけれど、試しに買って
使ってみたらそこそこおいしい。これは忙しい在宅ママには
お子さんが常時いるステイ・ホームでは時間をお金で買うことも
含めて簡単にお昼をと考えると必需品になりそうなものだ。

たまに、スーパーを回るとこのように社会勉強ができる。
不要不急でなく、日常なのだ。
ある意味、爆弾は落ちてこないけれど(私は戦争を知らない世代だし、
祖父母、父母は戦前・中の人でよく話聞いたが)戦時中のような雰囲気。
不便が当たり前に工夫ができるようにならないといけないかなとも思う。

簡単なソースで、パスタを楽しみたいと思う。日常の中で小さな幸せを
見つけていこう。

和田 唱氏が語るビートルズ深堀。(ディスカバー・ビートルズ3)

2020-04-27 18:18:17 | 音楽夜話(ロック)
和田 昌 氏が語るビートルズ深堀。(ディスカバー・ビートルズ)

1曲目:ロックンロールミュージック

コード4つのイントロ。短い!!。

イギリスファーストプレスのシングル盤を用い、
レコード盤モノラルカートリッジで、スピーカー片側で聴く
通なモノラル再生。マニアですな。ファーストプレスの
シングルはそれほど高価ではないとのこと。

ギター持参でトークを展開。ちょっと、アイ・フィール・ファインの
イントロを弾いてみる。雰囲気出ている。ギブソンのPU付きの
表版合板のあの楽器・・・。型番が出てこない(泣)。
持ってきたのはJ-160Eかな。これのEなしの楽器を渋谷で
見たことがある。

「某アイドルが試奏に来るのでそのあとなら弾いてもいいですよ」
と店員さん。Eなしは単板トップで、J-45とどう違うのか
というのがあるものの、こういうイレギュラーをギブソンは
時々つくるらしい。カスタムではなかったから、イレギュラー
モデルなのだろう。某アイドル氏はお買い上げしたのかどうかは
わからない。ずいぶん昔の話になった。

イギリス ファースト・プレスのシングル盤特集より。

シー・ラブズ・ユー
アイ・フィール・ファイン
シーズ・ア・ウーマン
イエス・イット・イズ
デイ・トリッパー
ジ・インナー・ライト
番外編:「ラウドカット」の歪ありバージョン。
「ペイパー・バック・ライター」のイギリス初期プレス。
なかなか、生音実演ありの、マニアックな回でした。
実演・アイル・クライ・インステッド(僕が泣く)。