もともとの支配者RNAが顔をのぞかせたのだ・・・
【 天然痘ウィルスの恐怖 】
病状は接触感染により膿疱ができて極端な倦怠感、発熱、全身に広がり水泡が破け醜い「あばた」を作り人目に出せないような皮膚となる。
沈静化しても跡は消えず常に布を被り他人に顔をせず寂しく死んでゆく
世界的に大流行したRNAウィルスである。
このウィルスが何世紀を生き続けるかは不明で古代のミイラが見つかった時は決して触ってはいけない。
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現在、米国アトランタとモスクワで最後の天然痘ウィルスが厳重に保管管理されている。
低温の環境では存在し続けている可能性もある。
心配なのはシベリアの動物のミイラなのである。
永久凍土は彼らRNAの生命を確かなものにする。
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日本には、もともと存在していなかったが、まず中国から朝鮮人へと感染が広がり、渡来する新羅からの移動民やいくつかの戦の捕虜により持ち込まれたらしい。
585年の敏達天皇の崩御もその可能性が指摘されている。
735年から738年にかけて政権に関わる人も含め日本でパンデミックとなり相当な死者が出て奈良の大仏造営へと繋がる。
その後、隔離と痘胞と言う、健康体に軽程度の天然痘ウィルスを打ち込み発症させ免疫を作る人体実験を行うと天然痘の患者は軽症となり収束することがわかってきた。
ただ、実験台の人が何名か死亡をしてしまい問題となった。
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やがて、1796年 細菌研究者エドワード・ジェンナーが牛の牛痘の膿を普通人に接触させると天然痘が発症しないことを突き止めた。
最終的に先進国中心にそれが支持され、やがて世界的に広がり天然痘ウィルスの根絶が宣言された。
しかし、発展途上国では未知数であり猿とウサギの疱瘡ウィルスが人へ感染る形に突然変異しないか心配である。