野外保育 とよた 森のたまご
小さな草にも、大きな木にも、一つ一つに役割があり、私たちの生活に欠かせないものを、
小さな手で触れ、いろんな気持ちをいっぱい感じ、育ってほしい。
子ども同士の関わり、時間を大切にし、満足感や、達成感をたくさん味わってほしい。
大人たちは少し口を閉じ、子どもたちが何をどう選ぶのかそっと見守り、
必要な時には知恵のエッセンス。
大人も子どもも育ち合い、自分らしく生きる・・・
『森のたまご』にしか出来ない、手作りようちえんを創っていきたいと思っています。
風の冷たい朝です。
でも、たまごの子達は今日も元気いっぱいに登園しました。
朝の会後、畑係から今日やることを説明します。
でも、みんなちりぢりになって行ってしまいました。
どうしたもんかと思いましたが、小さな小さな声で
私「今日は何をやるでしょうか?」
たまご「お味噌汁をつくるー!」
少し近くに集まってきました。
私「お味噌汁の中に何をいれますか?」
たまご「さつまいも干したやつー!」
さつまいも干したやつとは、土の中に埋めて保存していたさつまいもが傷みかけていたので、
年末に掘り出して畑係のばくちゃんが切って干してくれたものです。
先週の畑で来週やることを話した時のこと、みんな覚えててくれたのですね。
私「他には何を入れたいですか?」
たまご「大根!」
私「大根、畑にまだあったっけ?」
たまご「あれ~ないや。」
「じゃあ人参!」「それから小松菜!」「それからネギ!」
畑の方を確認しながら、いま育っている野菜を次々にあげてくれました。
みんな、何が植わっているのかちゃんと知っていました。
畑係りとして、こんなにうれしいことはありません。
今年は栄養不足で育ちの悪かった人参。
大きそうな人参をいくつか抜いて、ネギも元気な根っこごと抜いてきました。
さぁ、調理開始です。
火をおこす子と調理をする子と遊ぶ子に別れていきました。
火おこしに向かったのは、やっぱりKいでした。それからLとも今日は火に行きました。
調理の方は女の子ばかり。
包丁がひとつだけだったので、やりたい子だけでじゃんけんして順番を決めます。
野菜を洗って切り始めたころ、Kいが
「もう火の準備できたよ~!」
と呼びに来てくれました。
でも、包丁班はお構いなし。みんな丁寧に丁寧に切っていきます。
そして、味見も忘れません。
切った人参をお鍋に入れるかと思いきや、お口の中へ。
遊んでいる子へもしっかりお届け。
ますますと味見係が増えていきます。
さすがにこれでは具なしのお味噌汁になりそうだ、ということで、
食べたい子は自分で抜いてきて洗って食べてもらいました。
遊び班
落とし穴だったところにたまったお水に向かって何やら話しかけています。
「お~い、わにさん。エサだよ~。」
土をばらまきながら、わにさんにエサやりしてました。
みんなで同じ世界を共有してて、とっても楽しそう。
気づかれないように、そっと見守ります。
お昼ごはん
調理のある日はおにぎりだけのお弁当です。
年長の今日の当番さんがみんなの様子を見て号令をかけます。
「準備はダメですかー!」
「だめですよー!!」
最近、反対言葉が流行のようで、みんな息もピッタリ。
「ぁあ~あったまる~おいしい~・・・じゃなかった、おいしくない。」
「全然おいしくないね。」
「まずいねー。」
そう言いながら、みんなきれいに食べました。
人参の葉っぱもネギの根っこも入ったお味噌汁。
カリカリだったさつまいももほっこり甘くなって、たまご味噌で味付けしたお味噌汁。
やさしくて心も体もあたたかくなる一杯でした。
(ふーみん)