野外保育 とよた 森のたまご

愛知県豊田市2010年度森のようちえん開園
公式サイトhttps://www.morinotamago.com

4月13日(水) 小さな胸に思いを秘めて・・・

2011年04月15日 | 保育
保育3日目。
今日は泣いている子はいない。出席ノートにスタンプを押してもらって
やのちゃん先生の朝の会が始まる。

♪おーちたおちた 
         ♪なーにがおちた
 
 かみなり!



最初は逃避行していたボーイズも、何か楽しいことが始まりそうだと
きゅっとコンパクトにブルーシートに座っている。
やのちゃんマジック!とA母ちゃん。

楽しい手遊びと絵本の後、「やのちゃんより前に行かない」の
約束を交わして、歩き始める。



タンポポの茎笛を鳴らしながらのんびり歩く、大人としてはそんなお散歩のイメージだったけれど、
やのちゃんよりも 早速先にいるこどもたち。

あ、年長Mくんが走った。

「やのちゃんよりも前にいかないんだぞ」
年少さんや年中さんを通せんぼしている。さすがだなぁ。

おかまいなしに進んでいく男の子たち。
それを走っておいかけて通せんぼするMくん。

また、走って・・・

そうこうしているうち、Mくんもあきらめて
何人かの男の子と共に、足早にずっと先に行ってしまった。
やのちゃんが追いかける。

ゆっくり歩いていくと、途中聞き慣れない泣き声が聞こえた。

「おかあさーーん!!おうちかえりたいーーー!!!」

耳と目を疑いました。
慣らし保育の時は大将的な存在だった、年少taちゃん。
1月から毎週会っていたけど一度も涙を見たことがなかった。

年長のお兄ちゃんたちについていきたかったけど、ダメと言われてしまったのかな。
半怒りでしばらく泣いていました。

taちゃんと言えば、慣らしでは、
「○ちゃんは小さいから入れてあげない!△ちゃんはいいよ」
とふわふわしてたプレ年少集団に、ちょっとした渦を作っていた。

taちゃんに「入れてあげない」をされた子は、それがショックで
今まで仲良かった子をいきなり突き放したり、
お家で大声で泣いたり、そんな姿もあったみたい。

それが悪いこととかいけないことだというつもりは全然なくて

ただ親としてそれを見守っているのはしんどかったけれど
家でできない経験をしているんだから、きっと貴重なんだと
思っていました。

その貴重さ、大切さが、今日のtaちゃんを見ていて腑に落ちてきました。

私はきっとtaちゃんは、お兄ちゃんのもりたまについて行った時もまれて
それを慣らし保育で再現してるんだろうな、っていう予想通りで、
涙にびっくりしたと共にすごく納得したのでした。


小さな胸には心のもやもやはたくさんは貯めておけない

自分がされて悲しかったことはちゃんと再現して、消化する

気が済むまで再現すれば、きっと消化する

泣いたカラスがもう笑ったあの現象。

がっつりけんかした後何事もなかったかのように笑い合ってるあの現象。

もしも大人が
「どうしてそんなことするの?!ごめんねしようよ。仲直りだよ、ハイ握手」
とカンタンに畳み掛けたり

もっともっと泣きたい時、
「ほらほら泣かないの」とカンタンに気持ちをそらされたら…

小さな胸にしまいこんだモヤモヤは何処へいくんだろう…?

青空の下、心が開放的になれる環境はその点とってもいいのかもしれない。
思いっきり泣いて思いっきり笑って
おひさまや、お花や虫さんや、仲間が受け止めてくれる。

そうすれば、自分で困難を乗り越えたという経験が重ねられるのかもしれない。

初日に、「おうち帰りたいかー」と神妙な顔でお友達に寄り添っていたのもtaちゃん。
お友達が優しくしてくれて嬉しかったこともちゃんと再現してるんだなぁ。

こどものうちにいっぱい気持ちを揺らして、
自分で解決策を掴みとってく経験ってすごく大事なんだろうなぁと思いました。

兄弟げんかは一刻も早く止めたくなる私も、もっと器を大きくしなくては。
と学びました。

年少さんたちとお医者さんごっこして遊んだり、一人でたんぽぽ摘んだりして
またお兄ちゃんのグループに果敢についてくtaちゃん。


年少さんだけの慣らし保育の時には ただただ強く見えたtaちゃんが、
「強くなりたい」「大きくなりたい」と小さな胸にいっぱいいっぱい思いを秘めてたんだ、
と気付かされ、ひたむきに遊ぶ姿に胸がいっぱいになりました。

「こどもは こどもだから こどもでいい
 そのまんま そのまんま 大きくなれ」

ある絵本の帯のそんなフレーズを思い出し
家でお皿洗いながら一人でガオーと泣いてしまった涙腺がこわれ気味の私です。

(nao)


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