盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

酒造り(練習1)

2019-02-24 12:36:28 | にゃんころ
まずは「酵母で酒ができる」様子を、実際にご自分の目と舌で体験してみましょう。

●用意するもの

・甘い飲み物(オレンジジュースなど 炭酸飲料は不可)
・空のペットボトル
・パン作り用ドライイースト
・消毒用アルコール(飲用の焼酎でも可)

1.ペットボトルをよく洗い、アルコールか焼酎で内部を消毒する
2.ベットボトルに飲み物を七分目ほど入れる
3.ドライイーストを適量(小さじ0.5くらい)入れ、よく混ぜて溶かす
4.軽く蓋をする(決して密封しないこと)

これだけです。
仕込んで1~2日もすると、飲み物から細かい泡が立ってきます。
これは酵母(イースト)が糖を食って、エチルアルコールと二酸化炭素を排泄しながら増殖しているのです。
酵母による「発酵」です。

泡は1週間ほど盛んに立ち続け、やがて自然に収まります。
飲み物に含まれている糖を、酵母が食い尽くしたのです。
ボトルの底に、澱(おり)が溜まっているのが確認できるかと思います。
これは糖を食い尽くして力尽きた酵母たちです。

透き通った上澄みを、口に含んでみてください。
飲み物の甘さは消えて、酒になっていることが確認できます。
ただし市販のドライイーストは「バンを作るのに都合がよい」酵母で作られている、つまり酵母の生み出す二酸化炭素を利用するために培養されたものですから、できた酒の味はまったく保証できません。
あくまでも自宅で酒ができることを確認するための実験です。

たまにニュースで「密造酒で中毒・何人死亡」というのが流れます。
まるで自分で作った酒は毒であるかのような印象を持たれがちですが、決してそんなことはありません。
そういう事故は「エチル」アルコールではなく安価な工業用「メチル」アルコールを混ぜたもので、日本でも戦後の物資窮乏の中でメチルアルコールを入れた闇酒で多くの被害が出ました。

断言します。
自家醸造で作った酒にメチルが生じることは、ありません。
メチルを生成する酵母も存在しますが、素人には手に入りません。


さて、あくまで練習として「酒は自作できる」ことを確かめる方法を紹介しました。
しかしせっかく作るなら、飲んでうまい酒を作らないと話になりません。
次回からは本気でうまい酒の作り方に取り組みます。