盗人宿

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酒造り(基礎知識・実践編)

2019-02-25 11:02:17 | にゃんころ
さて、まずはいちばん簡単な、ビールから始めてみましょうか。

本当はワインを作るほうが簡単なんです。
市販のグレープジュースを買ってきて、酵母菌を入れればいいだけですからね。
しかし、「食ってうまいぶどう」と「ワインにしてうまいぶどう」は、根本的に品種が違うのです。

ちょっと寄り道。

ぶどうにはヨーロッパ大陸原産のラブラスカ種と、アメリカ大陸原産のヴィニフェラ種があります。
ワインにしてうまいのはラブラスカ種で、逆にいえばそのまま食ってもたいしてうまくない。
逆にヴィニフェラ種は食えばうまいけれど、うまいワインは作れない。
日本で市販されているぶどうやグレープジュースは、ほぼすべてヴィニフェラ種です。

大航海時代、ヨーロッパ人は世界中の植民地にラブラスカ種の苗木を輸出し、ワインを作ろうとしました。
しかし風土や土壌の関係で、多くの地域では根付きませんでした。
うまく根付いて産業にまでできたのは、アメリカのカリフォルニア、チリ、オーストラリアの一部地域などにすぎません。

日本でもほとんどは根付きませんでした。
唯一の例外は甲府盆地に根付いたもので、地名にちなんで「甲州」と名付けられました。

まあ現在では品種改良も進んで、日本をはじめ世界のあちこちでワイン用ぶどうが栽培されていますけどね。

余談ですが、過去に「フランスとアメリカ、どちらのワインがうまいか」という品評会が開かれました。
審査員は全員フランス人で、要するに「アメリカはどれくらいヨーロッパに追いついてきたか、どうせたいした事はないだろう」と鼻で笑ってやろうという企画です。

ところがブラインドテストの蓋を開けてみたら、赤も白も1位はアメリカワイン。上位にずらっとアメリカワインが並ぶという結果に。
審査員からは「匿名にしてくれ」「何かの間違いだ」「当日は体調が悪くて」と、だらしない言い訳をする人が続出しました。
私の知る限りこの品評会は3回開かれていますが、いずれも1位はアメリカ。
いまや「フランスワインは世界一」と本気で信じているのはフランス人だけです。

閑話休題。

そういうわけで、ワイン作りは後回しにします。
というのは「ブランデーを作る」、つまり醸造酒ではなく蒸留酒も自分で作れるからなのです。
これは蒸留のための道具を揃えないといけないので、いきなりやるにはハードルが高い。
ひととおり醸造酒に慣れてから着手するのが賢明です。


ビールの話は明日から始めます。