(本頁は「焼石岳の花図鑑(3) 7月低所編」の続きである。)
七月以降、中沼コースを歩くと、
中沼の畔から姥石平の入り口あたりまで、あちこちでアヤメの花を見かける。
北方系のアヤメ、ヒオウギアヤメだ。
積雪量の多い銀明水付近では開花が遅く、八月に咲くものもある。
この仲間は初夏、梅雨時の花というイメージがあるせいか、
真夏の
しかも、高山のアヤメには少々面喰ってしまう。
姥石平下のヒオウギアヤメ 2017/07/14
ヒオウギアヤメ 2017/08/06
オオバミゾホオズキ 2017/07/14
銀明水やその上の湿った斜面草地には、
夏場、ミヤマキンポウゲやシナノキンバイ、カラマツソウ、モミジカラマツ、リュウキンカ・・・
とキンポウゲ科が多い。
それにヒオウギアヤメやコバギボウシなど紫パーツが微妙に絡む。
このお花畑、残雪の量により、開花期が大きく変わる。
いつも肩透かしを食らう場所だ。
ミヤマキンポウゲ 2017/07/14
シナノキンバイ 2021/08/05
カラマツソウとシナノキンバイ 2017/07/14
カラマツソウ 2017/07/14
モミジカラマツ 2017/07/08
ミヤマカラマツ 2017/07/08
ミヤマカラマツは東成瀬コースや銀明水以下の樹林帯に多い傾向が有った。
ヒナザクラは銀明水より上の雪渓際などでよく咲いている。
開花は雪解けに左右され、早いものは六月、場所によっては八月に咲き出すものもある。
ヒナザクラ 2017/07/14
ウサギギク 2017/07/14
チングルマとイワカガミ。2017/07/14
チングルマの実 2017/07/08
アカモノ 2017/07/14
七月の焼石は花が少ないと先に述べたが、
その最たるものが姥石平だ。
この時期は緑一色なので、六月中旬までのあの花筵は夢だったのかといつも思う。
がよく見ると地味な花がけっこう咲いている。
七月の姥石平。バックは横岳。2017/07/14
ムカゴトラノオは東北では極めて少ないが、焼石には多く、他は和賀岳山頂部くらいだろうか。
ムカゴトラノオの群生。2017/07/14
ムカゴトラノオ 2017/07/14
ネバリノギラン 2017/07/14
キバナノコマノツメは場所によっては六月から咲いている。
キバナノコマノツメ 2017/07/08
ウスユキソウ 2017/07/14
オノエラン 2017/07/14
他にはギョウジャニンニクが多いと聞くが、この花はいつも撮り逃がしてしまう。
マルバシモツケ 2017/07/08
ウラジロヨウラク 2017/07/08
他の高山でよく見かけるニッコウキスゲやヨツバシオガマを、焼石では何故か見かけない。
七月の焼石が寂しく感じられるのは、案外このあたりが理由なのだろうか。
以上。
「(5) 8月低所編」へ続く。
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