(本頁は「岩手山・東南西北/まずは東から」の続きです。)
南側から見た岩手山のスタートは南東山麓にある柳沢付近から見たものです。
2023/03/11
2023/05/03
2023/05/25 左山麓に鞍掛山が突き出しています。
2022/09/10
ここと次に紹介する春子谷地湿原から見た
岩手山は県都盛岡の街中から見たものに近い形をしています。
右(東)側は滑らかな富士山型の山容なのに、
左(西)側は深い谷を刻んだ険しい山容が緩やかに続いています。
いわゆる『南部片富士』とはこの姿形を言うのかなと私は思います。
ここで次のマップをご覧ください。
現在の岩手山は大まかには東西に並ぶふたつの山体から成っており、
東側の最高峰は薬師岳で高さは2038mですが、
かつては2200mの高さが有ったとも言われています
(フィールドガイド日本の火山4 東北の火山(高橋正樹+小林哲夫・編、築地書館・発行))。
となるとかつての岩手山は鳥海山と同じくらいの高さだったことになります。
ウィキペディアの解説によると、
「約30万年前以降、現在までに大規模な山体崩壊を7回発生させており、
その都度1~2万年ほどの噴火活動が継続することによって円錐状の山体を再生させ、
休止期に入るという活動サイクルを繰り返していると考えられている。」
「約70万年前から約30万年前に活動した綱張火山群を広義の岩手火山として、
西岩手火山が活動を開始した約30万年前以降が狭義の岩手火山となっている。
岩手火山は、山体の3分の2を占める西岩手火山と、
その外輪山の東に寄生火山として覆い被さった東岩手火山が重なってできている。
東岩手火山の外輪山の最高点(薬師岳)が岩手山の山頂である。」
「岩手山と西の黒倉山(1570m)の間に西岩手火山のカルデラがある。
このカルデラの成因は不明で、東西に2.5キロメートルの長い楕円をなす。」
とありました。
岩手山の南西側には、鬼ヶ城と呼ばれる高さ1600~1840mの険しい稜線が連なっていますが、
これはカルデラを形成した西岩手火山の南側の山体の名残りと思われます。
岩手山を南側から望むと、この稜線が前面に屏風のように立ち並びます。
春子谷地湿原付近から。山麓の左側に鞍掛山があります。
2019/12/09
鞍掛山(897m)山頂から。
ひとつ前の春子谷地と角度は同じですが、
岩手山山体に近いので、山頂は見えなくなっています。
2021/11/20
滝沢市鵜飼付近から。鞍掛山は手前真正面。
2016/12/19
参考マップ
小岩井農場(一本桜)から見た岩手山を三枚。
2016/12/19
2023/03/11
2022/05/10
小岩井農場は岩手山のほぼ真南に位置します。
ここから望む姿は盛岡市街地から望む姿に次いで有名だと思いますが、
個人的には富士山からは程遠い、お饅頭のような形の山だと感じています。
それは成層火山である東岩手山(仮称)が
古い西岩手山(これも仮称)のかげに隠れてしまうせいもあるでしょう。
雫石盆地から見る岩手山は前景が牧野のイメージですが、
南側に行くと、水田を前景とすることも多くなります。
雫石御明神付近から。
2017/05/04
雫石町春木場付近から。
2021/05/26
この日は寒の戻りで新雪が積もっていました。
ここからは鞍掛山が右山麓に突き出して見えます。
雫石盆地南端の深沢付近から。
ここまで南下すると、
古い西岩手山の右上により高い東岩手山(薬師岳)が突き出して見えるようになります。
2009/04/29
南西方向、秋田との県境にある和賀岳付近(小鷲倉)から。
左手前は羽後朝日岳(1376m)。
2018/10/21
和賀岳山頂から。手前の山は大荒沢岳か。
2018/10/21
奥羽山脈をずっと南下し、横手市山内の南郷岳(681m)から望みました。
登ってみて初めて、この山から見えることを知りました。
2021/05/12
奥羽山脈の焼石岳山頂から。
2018/07/27
南から望む岩手山はこの辺りがリミットのようです。
個人的には栗駒山山頂から岩手山を見たことが無いのですが、
試しに地図上で栗駒山と岩手山の間に定規を置いてみたら、
焼石岳の山頂付近が引っかかりました
(岩手在の友人から、栗駒山の山頂から以前一度見たとの情報ありました)。
ラストは南東に逸れて早池峰山から。秋田駒ヶ岳から八幡平まで並べてみました。
2017/06/06
早池峰山からアップで。
2017/06/06
以上。
「岩手山・東西南北/西から」へ続く。
岩手山は、はじめて熊にばったり遭遇した山
熊で敗退した後、リベンジで登ったルートでシラネアオイとユキザサの群落に出会いました。
美しい裾野ですね
岩手山は登山行程も長いので、個人的には登るよりも遠くから眺めるばかりのお山です。
しかし一度だけ(焼走りから)登山した時は、シラネアオイやコマクサの多さに驚きました(クマはもっぱら秋田駒や乳頭で遭遇してます)。
もう二回ほど山を眺めまわすだけの頁が続きますが、どうかお付き合いくださいませ。