(本頁は「全国山の日協議会」への投稿文「東北の山を眺める(#4)/ 岩手山を東と北から」の原本です。)
いきなりクイズで恐縮。この山は何山だと思いますか?
答は岩手山(2038m)です。
多くの皆さんがご記憶の岩手山と言えば、
山の片側は綺麗な裾野を引くものの、反対側はゴツゴツした稜線が続く姿から、
南部片富士とも呼ばれますが、
それは南東にある盛岡市街地や北西にある八幡平から眺めた姿です。
東から見た岩手山はこのように端正でコンパクトな富士山です。
こうなると片富士ではなく両富士ですね。
国内にある〇〇富士を名乗る山の中では最も奇麗な富士山型ではないかと私は思います。
最初の写真は歌人石川啄木の出身地・澁民村(マップではA)から見たものです。
今回は主に東と北側から岩手山を眺めてみようと思います。
参考マップ
岩手山は東に聳える姫神山(マップではB)から見た姿も奇麗です。
姫神山の山頂から見ると、岩手山は奥羽山脈の山々をバックに独り前面に躍り出て聳えています。
両側の山は左側が秋田駒ヶ岳や乳頭山(烏帽子岳)で右側は八幡平です。
何やら露払いと太刀持ちを従えた横綱の土俵入りを彷彿とさせる眺めです。
なお岩手山の前面山麓にあるひし形の草地のようなものは何でしょう。
これは自衛隊の演習場です。
以前、姫神山に登山した時、大砲の音が轟いておりましたが、たまたま演習に重なったんでしょうね。
東北自動車道は岩手山の間近を通ります。
北へ走り、西根インターを下りると焼走り溶岩流(マップではC)や上坊牧野が近くに有ります。
いずれも北東方向から岩手山を眺めることになりますが、
前者から見た岩手山は丸みを帯びたのっぺりとした姿です。
これが少しだけ西の上坊牧野(マップではD)に行くと南部片富士風ながらもキリリとした姿に変わります。
今回は近頃人気の一本桜を入れて撮ってみました。
桜を左に置くか右に置くかで私はいつも迷ってしまいます。
岩手山は太平洋側にある山なので積雪量は少ないのですが、幾つかの雪形が知られています。
有名なのは盛岡市方面から山頂部に見えるワシが飛んでいるような雪形です。
この雪形に由来して岩手山を岩鷲(がんじゅ)山とも呼ぶそうです。
残念ながら上坊からそれは見えませんが、
かわりに見える雪形は「鯉の滝登り」と呼ばれているようです。
八幡平アスピーテラインを西に走り、八幡平の山頂部や藤七温泉付近(マップではE)から眺めた
岩手山は完全な南部片富士になります。
片富士とは言っても、左側(東側)の裾野のラインは実にみごとだと思います。
以上。
「東北の山を眺める5/岩手山を南と西から。」へ続く。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます