(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)
私の野花巡りはいつも山の花が多いのだが、たまには海岸の花を。
しかも季節外れだがご寛容頂きたい。
6月22日は本業用事で青森に出張となった。当日は(秋田市の)家を早めに出て、深浦海岸を廻って行った。
秋田市からはかなり遠回りになるが、景色はこちらの方がゼッタイ良い。
個人的にお気に入りのポイントは行合崎(いきあいざき)。
今頃ならばニッコウキスゲが咲いてる筈だ。
この花、高原や高山の花とのイメージがあるが、北東北では平地や海岸でもときどき咲いている。
ただし群生することは稀なので、深浦海岸の群生は低地としては貴重な群生と言える。
行合崎のニッコウキスゲ
この海岸はニッコウキスゲ以外にもいろいろ興味深い花が見られる場所で、過去にも数回訪れている。
ハマナス
エゾノヒナウスツボ
巨大な青座布団のような植物の名前はハマベンケイソウ。
この花はベンケイソウ科ではなく、ムラサキ科(ワスレナグサやコンフリーなどの仲間)。
秋田の男鹿半島より北の海岸に分布し、でかくなると直径2mを超えるマットになる。
全体がこんなに青い植物は園芸植物でもそうはないだろう。
残念ながら花はまだ咲いてなかった。
参考までに昔写した花の写真はこちら。
この日見たムラサキ科をもう一種。先に紹介したハマベンケイソウと隣り合って生えていた。
こちらの方はスナビキソウと言い、葉っぱは普通の緑でややゴワゴワした印象。
花は白く径1センチ近くあり、わりと綺麗だが、古くなると茶色に変わるのが玉に瑕。
香料植物のヘリオトロープに近縁なのか、香りが良いと聞くが、私はいつも嗅ぐのを忘れてしまう。
【渚のバルコニー♪で見た花】
キリンソウ(ベンケイソウ科)は山の草原でも見かけるが、海岸の岩場に咲いてる姿の方が絵になる。
園芸植物としても使われる。
キリンソウ
キリンソウとエゾネギ(蕾)
エゾネギ
キリンソウの隣で咲き出したネギ花は、ひとまずエゾネギとしておく。
和野菜のひとつ、アサツキやハーブとして知られるチャイブと近縁、或いは同じものとも言われる。
ここ深浦海岸では岩棚だけでなく、砂浜にも大量に群生している。
私の行った時はまだ咲き出したばかりだったが、最盛期になると浜が薄紫に染まるほどだ。
ハマツメクサ
地味な花の次は派手な花を。
エゾスカシユリ
青花のマメ科も咲いていた。クサフジは内陸の草叢にも生える。
クサフジ
ノコギリソウ
【渚のヤロウ】
ヤロウとはセイヨウノコギリソウの英名。
日本原産のノコギリソウは庭に植えられるセイヨウノコギリソウに較べると、花の色は地味だが、いい草姿をしている。
山の草原にも生え、以前、信州の高原で見かけたが、その次に見たのはこの深浦海岸だった。
北地の海岸には園芸植物にゆかりのあるきれいな花が多い。
以上。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます