(冬場は山には行きません。夏場の回想記事が主体となります。
その一環で「高山植物」のカテゴリーを創設、山の花について語って行きます。今回はその七編目です。)
ニッコウキスゲは日本の高山植物の中では最も大きな花を咲かせる植物かもしれない。
花の色は橙黄色でよく目立ち、また群生することが多く、見ごたえのある花風景を作る。
全国的には、日光の霧降高原や尾瀬、信州の霧ヶ峰などに咲くものが有名だが、
東北の山(一部、海岸)でもよく見かける。
今回は鳥海山や八幡平、和賀山塊のものを紹介したいと思う。
鳥海山では西側、長坂道稜線に大きな群生地が有る。
この花は三、四年くらいの周期で花の多い年が巡って来るが、最近では2020年が当たり年のようだった。
2020/07/17 バックは鳥海山本体
2020/07/17 ニッコウキスゲ群生。左上に飛島。
2020/07/17 ニッコウキスゲ群生。
2020/07/17 バックは笙ヶ岳。紅紫の穂花はヨツバシオガマ。
2020/07/17 バックは月山。
ほぼ同じ場所だが、2018年の様子。ニッコウキスゲは終盤モード。次に咲く花が目立っていた。
2018/07/20 バックは鳥海山本体。
鳥海山の他の場所。
2020/07/30 扇子森南斜面にて。
2020/07/30 千畳ヶ原にて。
2016/06/27 滝の小屋登山口付近。ここは本数が少ないが、山をバックにした花風景が愉しめる。
ニッコウキスゲは、図鑑等によれば、ゼンテイカ(禅庭花)が正式和名で、
長年呼び慣れたニッコウキスゲは別名扱いとなっている。
また分類学的にはずっとユリ科だったが、現在はススノキ科とされている。
ススキノキとは日本人にはなじみの薄い植物だが、
科全体の特徴として、『葉が線形でロゼットになり、そこから花茎が立ち上がる』とあった。
そう言われれば確かにそうかもしれない。狭義のユリと花はそっくりだが、咲き方がだいぶ違う。
しかし、私自身、残りの人生で、ゼンテイカという名前と科の移動を受け入れることが出来るものやら。
次はドーンと北に飛んで八幡平。ここではニッコウキスゲは中腹から山頂にかけて点在する湿原でよく見かける。
八幡平西部にある大場谷地の2009年、七月上旬の様子を四枚。
ワタスゲと一緒。
レンゲツツジと一緒。
この花の仲間は、一日花なので「ディ・リリー」とも呼ばれる。
こんな立派な花の寿命が僅か一日とは随分と勿体ない話だ。
自庭に植えている園芸改良品種ヘメロカリスで確認したところ、
完全に一日花ではなく、二日間にわたって咲くものが多かった。
と言っても、あれだけ立派な花を、暑い季節に次々と咲かせたら、さぞかし大量のエネルギーを使うことだろう。
豊作年の後に二、三年続く不作年はエネルギーを蓄える期間との位置づけか。
八幡平のその他の場所でのスナップ。
2019/07/20 黒谷地湿原のニッコウキスゲ
2018/07/14 大深湿原。ニッコウキスゲと奥にコバイケイソウやハクサンボウフウ。
ニッコウキスゲの芽出し風景。
2013/06/10 大場谷地にて。左端はミズバショウ。
和賀山塊、薬師岳にもニッコウキスゲの群生地が有った。
2018/07/09 薬師岳にて。 2018/07/09 薄色のニッコウキスゲ。
2018/07/09 薬師岳にて。バックは小滝山。
2018/07/09 薬師岳にて。
2018/07/09 薬師岳にて。一緒に咲くのはイブキトラノオ。
ニッコウキスゲのお花畑は美しい。しかしこの時期の山は暑いし、カミナリ雲も湧きやすい。
この日は熱中症寸前だった。しかもこの後、雷雨にも見舞われた。
以上。
気持ちがぱ~っと明るくなります♪
ありがとう~(^^♪
今頃の雪国の天気とたぶん対極のイメージかなと思い、アップ致しました。