Climax! 週末園芸日記

タイ王国滞在中の黒歴史から週末ガーデナー日記へと復活。
夏は、実生ペチュニア、冬はパンジーが売りです。

いつ咲くのが正しいの?~狂い咲きか、否か~

2013-12-22 22:10:12 | ガーデニング

二週間ちょっと前のこと。見たことがあるようでないような花を発見。釣鐘状の形だ。
狂い咲きか、いや常緑で花も満開に近い。この時期咲くこの形の花を住んでいる地域では見たことがない。
日本近辺には自生しない園芸種だなと気がつく。どうこの花の名前にたどり着くか。
形から言うとツツジ科の一部がこのような花をしていることを思い出した。
ここまで来ればすぐに答えは出てくる。
おそらく名前は「イチゴノキ」Arbutus unedo だろう。
背が低いので、姫イチゴノキと呼ばれる園芸品種である可能性が高い。
近くの園芸店に出掛けたとき苗木を見て確信した。
イチゴノキは、地中海沿岸出身らしく、日本では馴染みがない花だったけれど、最近出回ってきたようだ。
ならば12月に咲くのも納得か。
先ほど書いたツツジ科で真っ先に思い出したのは、アセビ(馬酔木)Peris japonica
これが狂い咲きしたのかと遠目で見て思ったのだ。
アセビは花芽が花序(花の房のようなもの)を展開した形で冬を越す。
この花芽が、12月に咲くような生き方をしているのが、イチゴノキなのではないか。
一年の生活史で、冬を休眠して春に目覚めて開花するか、
夏までにできた芽を、秋から冬にかけて開花させるかの違いだ。
どちらも花芽は、夏までには、芽の中に準備されている。
春咲く花が、ある条件で一部休眠が破られて秋や冬に咲くのが、
「狂い咲き」だ。桜では、よく報道されている。一部の研究者によると、
日本の桜のルーツはヒマラヤ方面で、秋咲きだった。
日本では冬芽(越冬芽)の形で休眠し、春開花するように変化したと。
狂い咲きは、先祖返りだと。
しかし、この説も分子遺伝学的な見方では誤りとされていて、あくまで春咲きが基本である。
こうなると春咲くのか秋咲くのかますます混乱する。
ここで私が言いたいのは、植物から見れば、どの季節に咲くのが正しいではなく、
あくまでもその生活の仕方(生活史や生活形)は結果なのだと。
イチゴノキは、適応の結果、冬に咲き、アセビは花芽のまま開かず、春を待ち開花する。
この似ているようで違う、二つのツツジ科の植物。写真を見てどう思うでしょうか。
ちなみに私はアセビの狂い咲きは見たことはありません。
再び、これらの植物について語る日が来るでしょうか。
狂い咲きしないのなら、そのしくみはするものとどう違うのか。
解明されているかどうかも、縁遠くなってわからない。
気分が急に暗くなってきたけど、イチゴノキ、アセビの順に写真を貼り付けておく。



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