鹿児島県湧水町にある三日月池は、椋鳩十さんの名作「大造じいさんとガン」の舞台になった所です。
前回訪れた栗野岳レクリエーション村から車で栗野地区の町の方向に10分あまり下りて左折し、しばらく行くと、ふるさとバス「三日月池」停留所があります。近くには桜が植えられきれいに整備された公園に椋さんの文学碑が建っています。
三日月池には水がありませんでしたが、6月には紫色のきれいなノハナショウブが咲きます。ハナショウブの原種で、湧水町のノハナショウブは日本の自生南限地として国の天然記念物に指定されています。
「大造じいさんとガン」は、栗野岳の麓に住む老狩人・大造じいさんと、沼地にガンの群れを率いてやってくる「残雪」というガンの頭領との有名な物語です。じいさんと残雪の知恵比べ、心の通い合いなどが描かれ、ラストシーンは特に感動的です。
舞台になった沼地がこの三日月池です。文学碑には「感動は人生の窓をひらく」の自筆の文字が刻まれ、裏面には椋さんの経歴と碑建立の趣旨などが彫り込まれています。
こちらも静かな環境で、物語の情景が浮かんでくるようです。ノハナショウブの花のころにもう一度訪ねてみたいと思っています。
椋鳩十さんの文学碑「感動は人生の窓をひらく」