今日は、昨日の続き 「報道の自由」 について、書くつもりでしたが、Priusさんから詳しく
昨日のコメントに書いて頂きました。 そのコメントを読んで頂き、昨日の続きとします・・・
さて、ちょっと気になるニュースがあります。
25日にタイの刑事裁判所は海外逃亡中のタクシン元首相(60)に、テロ容疑で逮捕状を発行したことは
理解できるんですが 「スラムの天使」 と呼ばれるプラティープ・ウンソンタム・秦(58)さんの逮捕状も
出ている、というニュースです。 非常事態令違反で逮捕状を取った UDD幹部65人の内の一人だと・・・
<右側二人目がプラティープさん>
プラティープさんと云えば、自らも貧困層に生まれ 6歳の頃から路上で物売りとして働き始め、16歳の
彼女は 「教育こそが生活を大きく変える原動力になる」 と確信し、姉と共に 両親たちが働きに
出ている子供達を預かって、ものを教えることを始めました。 当時 親たちからは文房具代として一日
一バーツを出して貰ったので、住民たちからは 「一日一バーツ学校」 と呼ばれました。
こうした活動が世に認められて、78年にアジアのノーベル賞といわれる 「ラモン・マグサイサイ賞」を、
80年に傑出した若者に送られる 「ロックフェラー賞」 を受賞し、それらの報奨金でバンコク最大の
<どれだけの子供達が援助されたか>
スラム、クロントイ地区にて 「ドゥアン・プラティープ財団」 を設立、その後 一貫して貧困層の
子供達の教育に力を注いできた人です。 その人に逮捕状が出ているとはショックですねぇ~
報道によりますと、タクシン元首相の麻薬撲滅や貧困救済の政策を支持し、繁華街を占拠する貧困層を
支援しながらUDDのデモにも参加。 軍など治安部隊がデモ拠点を封鎖すると、封鎖地域の外にある
クロントイ地区に特設ステージを設置するなどして、UDDの支援集会をも開いていたとの事です。
確か 00年の上院議員選挙で、バンコク区で初当選してから任期が終わるまでの6年間、国会を通して
教育や福祉などの貧困問題、特に麻薬問題に取組んでおり、その時の首相が、全盛期だったタクシン氏…
プラティープさん自身も素晴らしい活動をしていました。
<こんな争い、二度と見たくないと、プラティープさん>
しかし プラティープさんは今回の活動について、財団としてではなく、一タイ人として、個人の立場で
二つの行動を取ったと仰っています。 一つ目は、犠牲になった人の家族への慰問と、負傷した人々の
お見舞いや支援。 二つ目は、クロントイ地区の住民有志と 「これ以上犠牲者を出してはいけない」 と
クロントイ区において 「Stop killing !」 を訴えたこと。 結果的には、この集会と演説に対して、
「非常事態宣言下における違法行動」 という判断をされたようです。 プラティープさんは あくまでも
「非暴力」 による解決策を求めた 中立的行動であったと、理解を求めていらっしゃいます。
こんな諸事情ですから、財団に迷惑をかけては、と 「ドゥアン・プラティープ財団」 の理事長を25日で
辞任なさっています。 ご主人が日本人社会福祉活動家の秦辰也氏ですし、親しみを感じる
プラティープさんです! 今後が心配されます。
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視点の方向が違うだけで、「スラムの天使」
そして、「指名手配の犯罪者」
過去にもこの方のような、理不尽な扱いを受けた方々が数多く居られたことでしょう。
その時代の独裁者が行う間違った政治は、理不尽を数限りなく生んできたのでしょうね。
助けられたスラムの方々にとっては、天使を抹殺されるわけですから、騒動にならなければいいのですが。
というのも、プラティープさんの逮捕は
UDD幹部であることが根拠になっています。
もしそれが事実であるととすれば
「一タイ人として」ではなく、報道のように「UDD幹部65人のうちの1人として」になります。
情報ソースは下記。
http://mainichi.jp/select/world/news/20100522k0000m030056000c.html
もちろん、プラティープさんはそれを
否定していますが、
事実確認をしなければ
話になりません。
反対に事実が確認されれば
無罪放免になりますので、
当局による事実確認を
待ちましょう。
しかし、プラティープさんは、タクシンの政党「タイ愛国党」(当時)の幹部として、2006年までタイ上院議員を務めていて、バリバリのタクシン派赤服の幹部としても有名です。
プラティープさんには「非常事態宣言」違反容疑で逮捕状が出ていますが、
「非常事態宣言」では6人以上の集会を禁止しており、プラテープさんはクロントイ近くのラマ4世通りで1千人規模の反政集会を開き、5月17~19日の3日間にわたり交通を遮断し、ラチャプラソン地区への応援参加を呼びかけていた疑いがもたれています。
また、タクシン派デモ隊の活動に資金提供していた疑いで、政府は彼女の銀行口座を凍結しています。
今回のタクシン暴動では、死者が88名、負傷者が1500名以上、放火による建造物被害が数千億円程度発生しています。
反政府テロ活動の支援者(政府の言い分なら扇動者)だった場合は、一定の責任負担は回避できないでしょうね?
プラティープさんはなぜか「プラティープ財団(福祉・教育事業)」の理事長を辞任しました。
しかし、逮捕されたという情報は入ってきておりません(5月27日現在)。
個人のカネで赤シャツ運動をやっていたというのなら、理事長を辞任せずに、堂々と警察に出頭し、法廷で「黒白」つけるべきでしょうね。
理事長を辞任しない場合、日本人からの財団への寄付が減りそうだから辞任したと受け取られかねません。
日本人からの浄財がタクシン派デモ隊の活動資金に使われていたと知ったら、日本人の支援者もドン引きしかねません。
プラティープさんの社会活動は素晴らしい業績を上げていましたが、政治の世界にやや足を突っ込み過ぎた傾向があったかも知れません。
ご主人が日本人ということもあって、タイの邦人社会でも有名な方なんですよ。
今は何も無いことを祈るばかりです。
プラティープさんが、今までやって来たことを政府は知っているでしょうし・・・
ワタクシも無罪放免になることを祈っています。
唯 政府もタクシン派とみられるタイ人を一方的に犯罪者にしてしまう傾向が、
赤シャツ隊と中流階級が求めている真の民主主義を求める所以でもあるんでしょうね。
タクシン派だろうが、何派だろうが、プラティープさんが行ってきた活動は
タイの人も、外国人ももっと知るべきでしょう。大変な方だと思います。
国会議員でいらしたことは知っていましたが、タイ愛国党の幹部だったとは知りませんでした。私はてっきり無所属でいらしたのかと思い込んでいました。
これではUDD幹部であろうがなかろうが、タクシン派の一人として、現政権から目をつけられることは間違いないですね。その意味では今回の逮捕状は簡単には無いものには、ならないような気がします。
もともとプラティープさんには政治的野心などなかったでしょうから、タクシンにうまいぐあいに利用されたという感じですね。今から考えれば、政治の世界に足をつっこまなければよかったです。
プラティープさんには何度もおあいする機会もあり、二人だけで食事もさせていただいたことがあります。もちろん仕事上の関係ですが、随分まめに仕事をしておられ、いつも感服させられました。
今回の逮捕によって過去の活動が汚されてはなりませんが、反対に過去の活動によって今回の逮捕の重みを無視してはならないということです。
やはり政治に利用されたという、プラティープさんの責任は重いでしょう。結果的に多くの命が失われたのですから。
今後は、政治の世界から離れ、昔のように慈善事業だけに専念されるよう、願っております。
よしお
ワタクシは、いつまでも応援したいと思っています。
また お会いする機会がありましたら、宜しくお伝え下さいませ。
いずれにしまして、何事もないように祈っております。
また 何か情報が入りました、教えて下さい。