昨日、飯島さんという方から「マスコミ報道では海外逃亡とされているが、表現が
不適切だろう」というコメント頂きました。 昨日からの続きです ・・・
「逃亡」というのは自らが主体的に行なうもので、インラック前首相の場合は、当局側が完全な
監視体制を敷いていて、自ら海外へ移動することは不可能なので、正確には「政権側が主導して
インラック前首相を海外へ脱出させた」というのが正確な表現だと ・・・ 確かにその通りですネ。
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インラック前首相の判決に伴う混乱の回避を望む軍事政権が、海外に住むことを容認したというのが
大方の見方ですが、その実態が少しずつ解明されてきました。インラック氏は24日にタイ東部
トラート県を経由してカンボジアに入り、その後、第三国に渡ったようです。地元紙タイラットは
シンガポール経由で25日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイへ向かったと報じていました。
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インラック前首相は23日午後7時、バンコクの自宅を自家用車で出発し、途中で窓に黒い
フィルムを張った車両に乗り換え、東部のカンボジアとの国境を目指しました。首都
プノンペンから空路シンガポールを経由しドバイへ向かったといいます。
ドバイは兄のタクシン元首相の拠点です。インラック氏の収監は避けられないとの判決内容の情報を
得たタクシン氏が、手を回したといわれています。インラック前首相の弁護士が26日朝、バンコク
市内の自宅を訪ねたところ、すでに誰もおらず、党としても突然の失踪に困惑しているといいます。
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仮に有罪となった場合、刑務所に収監されることは、彼女にとって耐え難かったことでしょう。
同じように収監されることを拒絶して国外に逃亡している兄・タクシン氏にとっても、妹の
収監はなんとしてでも避けたかったところだろうと思います。
トラート県など東部一帯は軍政の中核である陸軍の有力派閥の強い影響下にあるようで、インラック
前首相の出国を政府が手助けしたのだろうと言われています。プラユット首相の許可がでなければ
出国できないでしょうかネ。先日も書きましたが、国外逃亡は軍政に好都合でしょうから。
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確かに彼女が有罪になったり収監されたりすると、さらなるトラブルや社会不安が生じる
恐れがあったため、出国させることが最良の選択肢と考えられます。
でも気の毒なのがブーンソン元商務大臣ら、長期の懲役刑判決を受けた人たちです。懲役42年ですヨ。
部下だった大臣らを見捨て、自分だけ判決を逃れ自分だけ海外生活とは許されないでしょう。
銀行も凍結されており、今回の出来事でタクシン・シナワット一族の終焉を意味するのかも知れません。
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「タイでゴルフ友達になりましょ」 のホームページです
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チナワット一族で、最後の隠し玉は、4女のヤオワパー・ウオンサワット(61歳)でしょうね。
2011年にタクシン派が総選挙で勝ち、末妹のインラックが首相になりましたが、当時、ヤオワパーは5年間の公民権停止中で、オモテに出られませんでした。もし、公民権停止中でなければ、ヤオワパーが首相になっていた可能性が高いです。
タクシンの兄弟姉妹の中では一番政治家向きの性格です。
新憲法が成立し、来年中(?)には総選挙が行われるかもしれませんが、どの政党が勝っても、2023年までは軍事政権が続きそうですから、チナワット一族の復権はなさそうですが、タイ国民の過半数の有権者(コメ高値買取政策でオイシイ思いをしたので)のタクシン支持は大きく揺らぐことはないでしょうから、隠然たる影響力は保持し続けるんでしょうね。
http://www.geocities.jp/cnxgeo/thaksin/thaksin.html
なるほどと思いました。